概観 · 39件の出来事
IT全史 ── 計算機が世界を編み変える
1940年代
01 件
Lucent Technologies / U.S. Federal Government (Wikimedia Commons) · Public Domain · Commons ↗ AT&T Bell 研究所の John Bardeen、Walter Brattain、William Shockley が、ゲルマニウム結晶を用いた点接触型トランジスタの増幅動作を実演。1925年来支配的だった真空管に代わる、半導体による電子増幅の誕生で、計算機の小型化・低消費電力化・大量生産を可能にする産業的革命の起点となった。3人は1956年にノーベル物理学賞を共同受賞。
- 関連企業・組織
- ベル研究所
- 登場する年表
- 半導体・ハードウェアの歴史
1950年代
03 件
null0 (Wikimedia Commons, via Flickr) · CC BY-SA 2.0 · Commons ↗ 1956年夏、ニューハンプシャー州ダートマス大学で開かれた約8週間のワークショップで、John McCarthy・Marvin Minsky・Claude Shannon・Nathaniel Rochester ら10名が「artificial intelligence」という言葉を提案・採用した。具体的な技術的成果よりも、後の数十年にわたるこの分野の独立した呼称と研究者ネットワークを生んだことが歴史的意義となる。
- 関連人物
- ジョン・マッカーシー · マーヴィン・ミンスキー · クロード・シャノン
- 登場する年表
- AIの歴史
John Backus 率いる IBM のチームが約3年の開発を経て、最初の本格的な高水準プログラミング言語 FORTRAN(FORmula TRANslator)の最初のコンパイラを IBM 704 向けに完成・出荷した。アセンブリ言語を直接書く時代から、数式を数式の形で書ける時代への移行点で、その後のすべての高水準言語の祖となる。
- 関連企業・組織
- IBM
- 登場する年表
- プログラミング言語の歴史
Texas Instruments の Jack Kilby が、複数のトランジスタ・抵抗・コンデンサを単一のゲルマニウム基板上に統合した最初の動作する集積回路を実演。半年後の1959年には Fairchild Semiconductor の Robert Noyce が、シリコン基板上で平面プロセスによる IC を独立に発明し、こちらが量産技術として支配的になる。Kilby は2000年にノーベル物理学賞受賞。
- 登場する年表
- 半導体・ハードウェアの歴史
1960年代
02 件
Unknown (via Jargon File, Wikimedia Commons) · Public Domain · Commons ↗ Multics 計画から離脱した Ken Thompson が、AT&T Bell 研究所で空いていた PDP-7 上に簡略なタイムシェアリング OS を作り始めた。当初は1人のための実験だったが、Dennis Ritchie が加わり、1970年に「UNICS(後の UNIX)」と命名。C 言語(1972年)への書き換えで移植性を獲得し、その後の50年を支配する OS 系譜の起源となった。Linux、macOS、Android、iOS の祖である。
- 関連人物
- ケン・トンプソン · デニス・リッチー
- 関連企業・組織
- ベル研究所
- 登場する年表
- OSの歴史 · オープンソースの歴史

DARPA / U.S. Federal Government (Wikimedia Commons) · Public Domain · Commons ↗ UCLA の Charles Kline が、SRI のホストに最初のメッセージ「LOGIN」を送ろうとしたが、二文字目で接続が切れ、伝わったのは「LO」だけだった。米国国防総省 ARPA(後の DARPA)の出資で構築されたパケット交換ネットワーク ARPANET の、初の本格的な動作で、現在のインターネットの始祖となる出来事。当初の接続は UCLA、SRI、UC Santa Barbara、ユタ大学の四拠点だった。
- 登場する年表
- インターネットとWebの歴史
1970年代
02 件
Denise Panyik-Dale (Wikimedia Commons, via Flickr) · CC BY 2.0 · Commons ↗ Bell 研究所の Dennis Ritchie が、Ken Thompson の B 言語を発展させて型システムを導入した C 言語を設計。1973年に UNIX 自身が C で書き直されたことで、OS のソースを別のハードウェアに移植可能にした世界初の言語となった。1978年の K&R 本『The C Programming Language』とともに、過半世紀にわたるシステムプログラミングの事実上の標準となる。C++、Objective-C、C#、Go、Rust、Zig など、現在のシステム言語の多くは C の系譜から派生したか、C を意識して設計されている。
- 関連人物
- デニス・リッチー · ケン・トンプソン
- 関連企業・組織
- ベル研究所
- 登場する年表
- プログラミング言語の歴史

Albuquerque, New Mexico Police Department (Wikimedia Commons) · Public Domain · Commons ↗ Bill Gates と Paul Allen が、Altair 8800 用の BASIC 言語を販売するためにアルバカーキで設立。当初の社名は「Micro-Soft」(ハイフン入り)。一年後の Altair BASIC 海賊版蔓延に対する Bill Gates の公開書簡(1976年「ホビイストへの公開書簡」)は、商用ソフトウェアという概念の確立に向けた最初期の主張として、ソフトウェア産業史の象徴的文書となる。
- 関連人物
- ビル・ゲイツ
- 関連企業・組織
- Microsoft
- 登場する年表
- Microsoftの歴史
1980年代
04 件Microsoft が Seattle Computer Products から購入した 86-DOS(旧称 QDOS)に手を加え、IBM PC 用に PC DOS 1.0 として OEM 供給。同時に他の互換機メーカーには MS-DOS の名で販売する権利を Microsoft が保有し続けた。Bill Gates のこのライセンス戦略が、後の十数年にわたる PC OS 市場の独占を生んだ。
- 関連人物
- ビル・ゲイツ
- 関連企業・組織
- Microsoft · IBM
- 登場する年表
- OSの歴史 · Microsoftの歴史
ARPANET が、それまでの NCP(Network Control Program)から、Vint Cerf と Bob Kahn が1974年に設計した TCP/IP プロトコルスイートへと一斉に切り替えられた日。「フラグ・デー」と呼ばれるこの強制移行は、現在のインターネットを支える基幹プロトコルの確立点で、複数のネットワークを相互接続する「インターネットワーク」という発想がここで本格運用に入った。
- 関連人物
- ヴィントン・サーフ
- 登場する年表
- インターネットとWebの歴史
Apple が Macintosh を発表。Xerox PARC で発明されたグラフィカルユーザインタフェース(ウィンドウ・アイコン・マウス)を、2495 ドルという大衆向け価格帯で一般消費者に届けた。前年の Lisa が商業的に失敗した経験から、シンプルさと拡張性のバランスを大胆に「シンプル側」へ寄せた製品。1984年の Super Bowl で放映された Ridley Scott 監督の CM は、テレビ広告史にも刻まれた。
- 関連人物
- スティーブ・ジョブズ
- 関連企業・組織
- Apple
- 登場する年表
- OSの歴史

Geni (Wikimedia Commons) · CC BY-SA 4.0 · Commons ↗ CERN(欧州原子核研究機構)のコンピュータエンジニア Tim Berners-Lee が、研究所内の文書共有問題を解決するためのハイパーテキスト情報管理システム「Information Management: A Proposal」を上司の Mike Sendall に提出した。Sendall は提案書の余白に「Vague, but exciting...」と書き残した。1991年に実装が公開され、世界初の Web サーバ・ブラウザ・HTTP・HTML がここから始まる。
- 関連人物
- ティム・バーナーズ=リー
- 登場する年表
- インターネットとWebの歴史
1990年代
05 件
Lukas Schulze / SPORTSFILE (Wikimedia Commons) · CC BY 2.0 · Commons ↗ Helsinki 大学の学生 Linus Torvalds が comp.os.minix に「I'm doing a (free) operating system (just a hobby, won't be big and professional like gnu)」と投稿。最初のソースは 10,000 行ほどで、Minix の影響を受けつつ、独自のカーネルとして書かれていた。1992年には GPL の下で公開され、世界中の開発者からの貢献を受けて成長 ── 2026年現在、世界のサーバ・スマートフォン・スーパーコンピュータの大部分を駆動する OS の核となっている。
- 関連人物
- リーナス・トーバルズ
- 登場する年表
- OSの歴史 · オープンソースの歴史
イリノイ大学 NCSA の Marc Andreessen と Eric Bina が開発した、文字と画像をひとつの頁に統合して表示する初の主要 Web ブラウザ。Windows、Mac、UNIX 向けに無償配布され、それまで研究者だけのものだった Web を、一気に一般ユーザの視界に持ち込んだ。Andreessen は翌年 Netscape を共同創業し、商業 Web の時代が始まる。
- 登場する年表
- インターネットとWebの歴史 · オープンソースの歴史
Microsoft (Wikimedia Commons) · Public domain (logo, below threshold of originality) · Commons ↗ 32 bit プリエンプティブマルチタスキング、長いファイル名、プラグアンドプレイ、そしてスタートメニューとタスクバーという UI 配置 ── 多くの人にとって「PC とはこういうものだ」という観念が、この製品で固まった世代。Rolling Stones の Start Me Up を BGM とした巨額の広告キャンペーンと、深夜の販売開始に並んだ行列は、PC が家電となった文化的な瞬間として記憶される。発売初週で700万本を売った。
- 関連人物
- ビル・ゲイツ
- 関連企業・組織
- Microsoft
- 登場する年表
- OSの歴史 · Microsoftの歴史
Stanford 大学院の Larry Page と Sergey Brin が、PageRank アルゴリズム(リンク構造から重要度を推定する手法)を基盤に設立した検索エンジン会社。当時の主要検索エンジン(Yahoo!、AltaVista、Excite)が「人手分類」と「キーワード一致」に依存していたのに対して、Google は完全にアルゴリズム的なランキングと、シンプル極まりない一画面のインターフェースで差別化した。半年以内に主要検索エンジンとなる。
- 関連企業・組織
- 登場する年表
- インターネットとWebの歴史 · 検索エンジンの歴史
2000年代
03 件Amazon が、オブジェクトストレージサービス S3(Simple Storage Service)を公開。同年8月には計算リソースの従量課金サービス EC2 が続き、Amazon Web Services(AWS)が「クラウド」と呼ばれる新しい計算基盤の事実上の起点となった。書籍販売の傍ら社内向けに作っていたインフラを外部に開放するという発想が、後の十数年で IT 業界全体の構造を書き換えることになる。
- 登場する年表
- クラウドコンピューティングの歴史
Rafael Fernandez / TheGoldenBox (Wikimedia Commons) · CC BY-SA 4.0 · Commons ↗ 2007年1月の Macworld で Steve Jobs が発表した iPhone は、半年後の6月29日に米国で発売された。物理キーボードを排し、静電容量式マルチタッチと OS X 派生のソフトウェアを電話に据えたこの機械は、後に「スマートフォン」と呼ばれる製品カテゴリ全体の文法を書き換えることになる。
- 関連人物
- スティーブ・ジョブズ
- 関連企業・組織
- Apple
- 関連製品
- iPhone
- 関連用語
- マルチタッチ
- 登場する年表
- OSの歴史 · iPhone の歴史 · 携帯電話・スマートフォンの歴史
Google が2005年に買収していた Android Inc. の OS を、HTC Dream(米国では T-Mobile G1 として販売)に搭載した最初の出荷端末。Linux カーネル、Java(後に Android Runtime)の VM、独自 UI スタック ── オープンソースの OS をスマートフォンに供給するという Google の戦略は、iOS とは正反対の市場アプローチであり、その後の十数年で世界のスマートフォン台数の70%以上を占めるエコシステムへと成長した。
- 関連企業・組織
- 登場する年表
- OSの歴史 · 携帯電話・スマートフォンの歴史
2010年代
03 件
Daniel Voigt Godoy (Wikimedia Commons) · CC BY 4.0 · Commons ↗ Toronto 大学の Alex Krizhevsky・Ilya Sutskever・Geoffrey Hinton らが、画像認識ベンチマーク ImageNet 2012 でトップ5エラー率 15.3% を達成。2位の従来手法(26.2%)を10ポイント以上引き離す決定的な差で、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を二枚の NVIDIA GTX 580 GPU で学習させたアーキテクチャ「AlexNet」が、深層学習の実用性を一夜にして証明した。これ以降、コンピュータビジョンの主流は手作業の特徴量設計から深層学習へと完全に移行する。
- 関連人物
- ジェフリー・ヒントン
- 登場する年表
- AIの歴史 · 半導体・ハードウェアの歴史
Steve Ballmer の後任として、長年クラウド事業を率いてきた Satya Nadella が Microsoft の三代目 CEO に就任。Windows と Office に依存した1990-2000年代の戦略から、Azure クラウドへ軸足を移し、Linux サポート、オープンソース受容(GitHub 買収、2018年)、OpenAI への大規模投資(2019年以降)へと方針を切り替えた。在任10年で Microsoft の時価総額は約3000億ドルから3兆ドル超へと十倍以上に拡大。
- 関連企業・組織
- Microsoft
- 登場する年表
- Microsoftの歴史
2020年代
16 件
Howardcorn33 (Wikimedia Commons) · CC0 1.0 (Public domain) · Commons ↗ Sony が PlayStation 5 を北米・日本で発売。 AMD Zen 2 ベースの 8 コア CPU、 RDNA 2 GPU、 カスタム SSD(5.5 GB/s)で読み込み時間を劇的に短縮。 触覚フィードバックとアダプティブトリガを備えた DualSense コントローラを採用。 COVID-19 によるサプライチェーン混乱で発売後2年近く慢性的な品薄が続いた。 同時期に発売された Xbox Series X/S と合わせ「第9世代家庭用機」の幕開けとなる。 2024年11月の PS5 Pro 発売(799ドル)まで、 単一世代としては累計約6500万台を販売。
- 登場する年表
- ゲーム機・ゲーム技術の歴史

Gage Skidmore (Wikimedia Commons) · CC BY-SA 4.0 · Commons ↗ 4月に買収提案、 7月に Musk 側が撤回を試み、 訴訟へ。 結局10月27日に取引が完了。 取得額440億ドル。 完了直後、 Musk は CEO・CFO・法務トップを即日解任、 1週間で従業員の約半数(約3700名)をレイオフ、 認証バッジを月額課金制(Twitter Blue)に転換、 コンテンツモデレーション部門を縮小。 表現の自由を掲げる Musk の方針で、 永久凍結されていた Donald Trump 等のアカウントを復活。 2023年7月にはサービス名を「X」に改名。 ソーシャルメディアの最大手の一つが、 大富豪個人の所有物として運営される異例の構造に。
- 登場する年表
- インターネットとWebの歴史 · ソーシャルメディアの歴史
OpenAI (Wikimedia Commons) · Public domain (below threshold of originality) · Commons ↗ OpenAI が ChatGPT を一般公開。GPT-3.5 を対話用にチューニングし、無償で誰でもブラウザから使える形にしたサービスで、公開後5日で100万ユーザ、2ヶ月で1億ユーザに到達した(消費者向けインターネットサービスの最速記録)。生成AIという概念を専門研究の文脈から一般の家庭・学校・職場へ一夜にして移行させ、Google・Meta・Anthropic・Microsoft の方針転換を引き起こす起点となった。
Anthropic (Wikimedia Commons) · Public domain (below threshold of originality) · Commons ↗ 2021年に OpenAI から離脱した Dario Amodei・Daniela Amodei 兄妹らが設立した Anthropic が、対話型 LLM Claude を一般公開。同日に OpenAI も GPT-4 を発表する「同日対決」となった。Anthropic は Constitutional AI など独自の安全性手法を強調し、生成AI の二大競合体制が定着。Google が2023年に4億ドル、Amazon が2023-2024年に最大40億ドル投資し、AI 業界の覇権争いに最も大規模な対抗軸として成長した。

Christopher P. Michel (Wikimedia Commons) · CC BY-SA 4.0 · Commons ↗ 「AI のゴッドファーザー」と呼ばれる Geoffrey Hinton が、AI の危険性について Google の利益を気にせず発言できるようにするため、10 年務めた Google を退社したことを New York Times のインタビューで公表。「自分の人生の仕事の一部を後悔している」「AGI までの距離が30〜50年と思っていたが、もうそうは思わない」と述べ、誤情報の氾濫・雇用喪失・自律兵器化のリスクを警告した。AlexNet(2012)でディープラーニング革命を起こした本人による異例の警鐘として、AI 規制論議を国際的に加速させた。
- 関連人物
- ジェフリー・ヒントン
- 関連企業・組織
- 登場する年表
- AIの歴史

Adam Schultz / The White House (Wikimedia Commons) · Public domain (PD-USGov-POTUS) · Commons ↗ 米国の Joe Biden 大統領が「Safe, Secure, and Trustworthy Development and Use of AI」と題する大統領令(Executive Order 14110)に署名。学習用計算量が一定規模を超えるモデルの政府への報告義務、AI 安全評価のための NIST 主導の基準策定、移民・住宅・刑事司法などにおける AI 差別の防止など、米国として最も包括的な AI 規制の枠組みを示した。2025年1月に Trump 政権がこの大統領令を撤回することになる。
- 登場する年表
- AIの歴史

Steve Jennings / TechCrunch (Wikimedia Commons) · CC BY 2.0 · Commons ↗ 11月17日、OpenAI 取締役会が Sam Altman を CEO 職から解任。理由は「取締役会との意思疎通において一貫した率直さを欠いた」とされ、AI 安全派と加速派の対立、 Altman の手法への疑問が背景にあった。社員770名のうち約700名が抗議の辞任を表明し、 Microsoft が Altman を引き受ける構えを見せた結果、わずか5日後の11月22日に Altman は CEO に復帰。安全派の取締役は退任し、新取締役会には Bret Taylor(議長)、Larry Summers、Adam D'Angelo が就任。AI 業界の意思決定構造そのものに揺さぶりをかけた事件として記録される。

European Parliament / Laia Ros (Wikimedia Commons) · CC BY 2.0 · Commons ↗ 欧州議会が AI Act を 523対46 で採択。AI システムを「許容できないリスク」「高リスク」「限定リスク」「最小リスク」の4段階に分類し、社会信用スコアリングや無差別な顔認証など一部を全面禁止、医療・採用・司法などの高リスク AI には厳格な義務を課す。汎用AI(GPAI)モデルにも透明性と著作権遵守を要求。5月21日に EU 理事会が正式承認、8月1日に発効。世界初の包括的 AI 規制として「Brussels Effect」の典型例となり、各国の AI 法整備の参照点になった。
- 登場する年表
- AIの歴史

Electronic Frontier Foundation (Wikimedia Commons) · CC BY 3.0 · Commons ↗ 1月10日、OpenAI が使用ポリシーから「軍事および戦争」の禁止条項を削除し、国防系利用への扉を開いた。同年11月、Anthropic は Palantir、AWS と提携し、米国の情報・国防コミュニティ(インテリジェンス・コミュニティ)に Claude を提供すると発表。生成 AI が「シリコンバレーの平和的なツール」という建前を脱ぎ、国家安全保障の重要装備として再定義された一連の動き。同年、米国防総省と OpenAI の協業も公表され、軍産との結合は不可逆な段階に入った。

Smishra1 (Wikimedia Commons) · CC BY-SA 4.0 · Commons ↗ 7月19日、サイバーセキュリティ企業 CrowdStrike が配信した Falcon Sensor の更新ファイル(Channel File 291)の不具合により、 世界中の約850万台の Windows 端末が起動不能(ブルースクリーン)に陥った。 航空便(米デルタ航空は約7000便欠航、 損失5億ドル)、 病院、 銀行 ATM、 緊急通報システム、 放送局など、 重要インフラが同時停止。 推定経済損失は100億ドル超とされ、 単一の IT 障害として史上最大規模。 復旧には手動でセーフモード起動が必要で、 多くの組織が数日〜数週間を要した。 SaaS 型セキュリティ製品の供給網リスクと、 ソフトウェア検証プロセスの不備を世界規模で露呈した。
- 関連企業・組織
- Microsoft
- 登場する年表
- クラウドコンピューティングの歴史 · サイバーセキュリティの歴史

NVIDIA Corporation (Wikimedia Commons) · Apache License 2.0 (trademark applies) · Commons ↗ 6月18日、 NVIDIA の時価総額が約3兆3400億ドルに達し、 Microsoft と Apple を抜いて一時的に世界一位となった。 ゲーム用 GPU メーカーから、 AI 計算インフラの中核企業への変貌が市場評価に反映された節目。 2022年末の ChatGPT 公開時点では時価総額約3600億ドルだったため、 約一年半で9倍以上の成長。 2025年には再び世界一位に返り咲き、 ジェンスン・フアン(Jensen Huang) は AI 業界で最も影響力のある経営者の一人となった。
- 登場する年表
- 半導体・ハードウェアの歴史

Jay Dixit (Wikimedia Commons) · CC BY-SA 4.0 · Commons ↗ 10月8日、ノーベル物理学賞が John Hopfield(Hopfield ネットワーク)と Geoffrey Hinton(Boltzmann マシン、深層学習)に授与される。翌9日、ノーベル化学賞は David Baker(タンパク質設計)と Demis Hassabis・John Jumper(DeepMind の AlphaFold2 によるタンパク質構造予測)に。同じ週に物理・化学の両基礎科学賞が AI 研究に与えられた前例のない出来事で、機械学習が独立した科学分野として認知された節目となった。Hinton 自身が「AlphaFold は私の研究の延長線上にある」と言及。
- 関連人物
- ジェフリー・ヒントン
- 関連企業・組織
- DeepMind
- 登場する年表
- AIの歴史
DeepSeek (Wikimedia Commons) · MIT License · Commons ↗ 中国の AI 企業 DeepSeek が、OpenAI o1 に匹敵する推論性能を持つオープン重みモデル DeepSeek-R1 を MIT ライセンスで公開。報告された学習コストが極めて低く(数百万ドル規模)、米国の輸出規制下にある旧型 NVIDIA H800 で訓練したとされたことが市場に衝撃を与えた。1月27日、NVIDIA 株は一日で約17%下落、時価総額約5890億ドルを失う米国株式市場史上最大の単日下落となる。アメリカ独占とされた最先端 LLM の構図が、低コスト・オープン重み・中国製の組合せで揺らいだ事件。
- 登場する年表
- AIの歴史

Daniel Torok / The White House (Wikimedia Commons) · Public domain (PD-USGov-POTUS) · Commons ↗ 1月20日、第二期 Trump 政権が発足、初日のうちに Biden の AI 大統領令(EO 14110)を撤回。AI 開発の自由化と「米国優位」を掲げる路線へ転換した。翌21日、ホワイトハウスで OpenAI・Oracle・SoftBank が共同設立する AI インフラ合弁「Stargate Project」が発表され、4年で最大5000億ドルをデータセンター・電力・チップに投資する計画が公表された。23日には「AI のリーダーシップ」を主題とした新大統領令が署名され、規制緩和と国家戦略としての AI 推進が公式化。米中対立の構図の中で、AI を国家インフラとして位置づける流れが鮮明化した。
- 関連企業・組織
- OpenAI
- 登場する年表
- AIの歴史 · クラウドコンピューティングの歴史

Crisco 1492 (Wikimedia Commons) · CC BY-SA 4.0 · Commons ↗ 任天堂が初代 Switch(2017年)から8年4ヶ月ぶりの後継機を発売。 NVIDIA カスタム Tegra T239 を搭載、 DLSS 対応、 4K テレビ出力、 LCD ながら 1080p / 120Hz の携帯時画面、 マウス操作可能な Joy-Con 2 など。 初代との互換性を維持し、 Mario Kart World・Donkey Kong Bananza・The Legend of Zelda: Tears of the Kingdom 強化版などのローンチタイトル群と共に発売。 449ドル / 49,980円。 初代 Switch が1億5千万台を超える歴代家庭用機トップ級の成功を収めた後継として、 業界の最大注目作となった。
- 登場する年表
- ゲーム機・ゲーム技術の歴史

Microsoft (Wikimedia Commons) · Public domain (below threshold of originality; trademark applies) · Commons ↗ Microsoft が Windows 10 への無償サポートを正式終了。 2015年7月のリリースから10年3ヶ月。 セキュリティ更新は終了し、 個人ユーザは1年30ドルの「Extended Security Updates(ESU)」または2027年まで無料の選択肢(Microsoft アカウント連携、 OneDrive 同期等の条件付き)で延命可能。 サポート終了時点で全 Windows シェアの推定30〜40%が依然 Windows 10 上で動作。 ハードウェア要件で Windows 11 にアップグレードできない数億台の PC を巡る環境負荷論議も活発化。 OS のメジャーバージョン更新が単なる UI 変更ではなく、 巨大な PC 廃棄問題を生む構造を露呈した。