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Apple
1976年に Steve Jobs、Steve Wozniak、Ronald Wayne によって設立されたコンピュータ・電子機器メーカー。Apple I・II によるパーソナルコンピュータの大衆化、Macintosh による GUI の普及、iMac による色付き家電としての PC、iPod と iTunes による音楽産業の再編、iPhone によるスマートフォン市場の創設、と数次にわたって電子機器市場の構図を書き換えてきた。
組織情報
- 設立
- 1976
- 状態
- 稼働中
- 活動期間
- 1976–
- 関連事象
- 31
- 名称
- ENApple Inc.JAApple
Apple Inc. は、 1976年に Steve Jobs、 Steve Wozniak、 Ronald Wayne によって設立された米国の電子機器・ソフトウェア企業である。 カリフォルニア州クパチーノに本社を置き、 パーソナルコンピュータ、 スマートフォン、 タブレット、 ウェアラブル、 サービスを軸とする垂直統合型のビジネスモデルで運営される。 2025年9月27日に終わる2025会計年度の売上は 4,162億ドル、 純利益は 1,120億ドル(いずれも Form 10-K)で、 時価総額は 3〜4兆ドル圏を推移する世界最大級の上場企業である。 2026年4月20日、 Apple は Tim Cook が取締役会の Executive Chairman に退き、 ハードウェアエンジニアリング担当上級副社長の John Ternus が同年9月1日付で CEO を継ぐと発表した。
基板1枚から、 自社製チップまで
1976年4月1日、 三人の共同創業者によって創業。 同年に頒布された Apple I は完成品ではなく組み立て済み基板であり、 筐体も電源も購入者が用意するものだった。 翌1977年の Apple II は、 カラー画像とフロッピーディスクの組合せで個人向けコンピュータ市場を一気に拡大させ、 表計算ソフト VisiCalc(1979年)と組んで「ビジネスで使える PC」という新カテゴリを生んだ。 1984年の Macintosh は、 Xerox PARC の Alto に源流をもつグラフィカル・ユーザインタフェース(GUI)を量産価格帯で実装した。 Windows の開発は Macintosh 発売前の1981年に始まっているため「Windows の原型を作った」とは言えないが、 GUI を大衆価格の商品として成立させ、 以後の個人向け計算機の期待水準を決めたのは Macintosh である。
1985年に Jobs は社内政争で会社を離れ、 1990年代の Apple は Performa シリーズの乱発、 IBM・Motorola との PowerPC 連合の不調、 Newton MessagePad の失速で経営を悪化させた。 1997年、 NeXT 買収を通じて Jobs が暫定 CEO として復帰、 不採算ラインを切り捨てて1998年に半透明ボンダイブルーの iMac G3 を投入し、 「家電としての PC」という新しい設計言語を提示した。 2001年の Mac OS X で OS の基盤を Mach + BSD に置き換え、 同年の iPod と2003年の iTunes Store で音楽産業を再編、 2007年に iPhone を出してスマートフォン市場そのものを作った。 2010年の iPad、 2015年の Apple Watch、 2020年の M1 を皮切りとする Apple Silicon への移行、 2024年の Vision Pro、 同年10月28日の iOS 18.1 / macOS 15.1 から段階的に届いた Apple Intelligence と、 ハードウェア・OS・チップ・サービスの垂直統合をいっそう深めている。
売上の半分はいまも iPhone
FY2025(2025年9月27日締め)の Form 10-K が開示するカテゴリ別純売上は次のとおり。 総額は 4,161.61億ドル。
| カテゴリ | 代表製品 | 純売上 (FY2025) | 構成比 |
|---|---|---|---|
| iPhone | iPhone 17 Pro、 iPhone Air、 iPhone 17、 iPhone 16、 iPhone 16e | 2,095.86億ドル | 50.4% |
| サービス | App Store、 iCloud、 Apple Music、 Apple TV+、 Apple Pay、 広告 | 1,091.58億ドル | 26.2% |
| ウェアラブル・ホーム・アクセサリ | Apple Watch、 AirPods、 Vision Pro | 356.86億ドル | 8.6% |
| Mac | MacBook Air / Pro、 iMac、 Mac mini、 Mac Studio、 Mac Pro | 337.08億ドル | 8.1% |
| iPad | iPad Pro、 iPad Air、 iPad、 iPad mini | 280.23億ドル | 6.7% |
サービス部門の粗利益率は FY2025 で 75.4%(全社は 46.9%)で、 ハードウェア依存からの脱却を支える柱となった。 なお Apple が公表する利用者規模の指標は「Apple ID 数」ではなく稼働端末数で、 2026年1月29日の決算電話会議で 25億台を超えたと述べている(前年は 23.5億台)。 App Store でデジタル商品・サービスを販売する開発者が2008年以降に得た金額は、 Apple の2026年1月12日の発表で 5,500億ドル超。
重要事件
- 1985年: Jobs 退社、 Wozniak も退社。 John Sculley 体制へ。
- 1997年: Microsoft が Apple に 1.5億ドル出資、 Internet Explorer for Mac の搭載で和解。 同年 Steve Jobs が暫定 CEO に復帰。
- 2007年: 初代 iPhone が1月9日に発表、 6月29日に米国のみで発売。 翌2008年に App Store を開設し、 日本には iPhone 3G が同年7月11日にソフトバンクモバイル経由で初上陸した。
- 2011年: Jobs 死去、 Tim Cook が CEO に就任。
- 2016年: FBI と San Bernardino 銃乱射事件 iPhone のロック解除を巡って対立、 暗号化政策の象徴的事案に。
- 2020年: M1 チップ発表、 Intel 依存からの脱却を開始。
- 2022年1月3日: 取引時間中に時価総額 3兆ドルに到達。 ただし終値ベースで 3兆ドルを超えたのは2023年6月30日である。
- 2024年: Vision Pro 発売(米国2月2日、 中国本土・香港・日本・シンガポールが6月28日、 豪州・カナダ・フランス・ドイツ・英国が7月12日)。 EU DMA 対応として App Store の代替マーケットプレイス・サードパーティ決済を EU 域内で解禁。 Apple Intelligence を WWDC で発表、 OpenAI との連携で Siri に ChatGPT を統合(実際の出荷は10月28日の iOS 18.1 以降、 日本語対応は2025年3月31日の iOS 18.4)。
- 2024年9月10日: EU 司法裁判所 が「アイルランド税制優遇 130億ユーロ追徴」を確定、 Apple の敗訴。
- 2025年: FY2025 売上 4,162億ドル・純利益 1,120億ドルで過去最高。 IDC の推計では、 iPhone は暦年2025年に 2億4,740万台(前年比 +6.1%)を出荷し、 14年ぶりに Samsung を抜いて年間出荷首位となった。
- 2026年4月20日: Tim Cook の Executive Chairman 就任と、 John Ternus の CEO 就任(9月1日付)を発表。
業績指標
すべて FY2025(2025年9月27日締め)の Form 10-K による。
- 純売上: 4,161.61億ドル / 純利益: 1,120.10億ドル / 粗利益率: 46.9%
- 従業員数: 約 16万6,000人(フルタイム換算)
- 地域別純売上: 米州 1,783.53億ドル、 欧州 1,110.32億ドル、 中華圏 643.77億ドル(15.5%、 前年比 −4%)、 日本 287.03億ドル、 その他アジア太平洋 336.96億ドル
- 時価総額: 3〜4兆ドル圏(世界 1〜3位を Microsoft・NVIDIA と争う)
- 稼働端末数: 25億台超(2026年1月29日、 会社発表)
利益を生む設計が、 訴訟も生む
Apple は「閉じた庭園 (walled garden)」型の生態系を磨き込むことで産業構造を再編した一方、 同じ仕組みが反トラストと労働問題を継続的に呼び込んでいる。 2020年からの Epic Games との訴訟は、 App Store 30% 手数料と外部決済禁止の妥当性を米連邦裁判所で争い、 2021年判決で「反ステアリング条項」が違法と判断された。 2024年から本格適用された EU の Digital Markets Act は、 ゲートキーパー指定企業に対する代替ストア・サイドローディング解禁を強制し、 Apple は域内に限り当初渋々ながら制度設計を変更した。 米司法省も2024年3月にスマートフォン市場での独占維持を理由に Apple を提訴している。
労働面では、 中国 Foxconn 工場の長時間労働・寮内事故、 米国 Apple Store 従業員の労働組合結成(2022年6月、 メリーランド州タウソン店が初承認)が継続的争点となる。 環境面では2030年カーボン・ニュートラルを公約している。 自社運用(直営店・オフィス・データセンタ)の電力を 100% 再生可能エネルギーで賄ったと宣言したのは 2018年4月であって2030年目標とは別の話であり、 サプライチェーン全体での実現にはレアアース調達・コバルト調達の問題が残る。 プライバシーを差別化軸に掲げる戦略(App Tracking Transparency, 2021年)は Meta などの広告事業に直接打撃を与え、 競争政策と人権言説を同時に動員する Apple 流の規制対応スタイルを定着させた。
最後に、 中国市場依存と地政学リスクは未解決のままである。 FY2025 の中華圏(中国本土・香港・台湾)売上は 643.77億ドルで全社の 15.5%、 前年比 −4% と唯一の減収地域だった。 製造の中核も中国に集中する。 インド・ベトナムへの生産分散は加速したが、 数年単位の課題として続いている。
関連する出来事
- Xerox Alto ── 売られなかった機械が、机の上のコンピュータを定義した
- Apple II ── 拡張スロットとカラー画面を持って現れた完成品
- Macintosh 発表 ── GUI の大衆化
- Mac OS X 10.0 発売
- 初代 iPhone 発売
- App Store 開設
- iPhone 3G 発売
- DuckDuckGo 公開 ── ユーザを追跡しない検索エンジン
- iPhone 3GS 発売
- Samsung Galaxy S 発売 ── Android 帝国の本格起点
- iPhone 4 発売 ── Retina ディスプレイと「Antennagate」
- iPhone 4S と Siri ── ジョブズ最後の発表
- iPhone 5 ── 縦長画面、LTE、Lightning
- スノーデン暴露 ── NSA 大量監視の全貌が明かされた日
- iPhone 5s ── Touch ID と 64bit プロセッサ A7
- iPhone 6 / 6 Plus ── 大画面への転向
- iPhone 6s と 3D Touch
- 初代 iPhone SE 発売
- iPhone 7 ── 3.5mm ヘッドフォンジャック廃止
- iPhone X ── ホームボタン廃止と Face ID
- TSMC 7nm プロセス量産開始
- iPhone XS / XR ── ノッチ世代の量産化
- iPhone 11 ── 二眼カメラとナイトモード
- iPhone 12 ── 5G と MagSafe の復活
- Apple Silicon M1 ── Mac の ARM 移行
- iPhone 13 ── ノッチ縮小と ProMotion
- iPhone 14 Pro と Dynamic Island
- iPhone 15 ── USB-C 移行
- NVIDIA、時価総額で世界一位(一時)
- macOS Sequoia と Apple Intelligence ── OS 内蔵 AI
- iPhone 16 と Apple Intelligence
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