GLOSSARY :: 用語集
用語集
本年表に登場する技術用語を解説する。記事中の用語をクリック・ホバーすれば、その場で定義が表示される。
- ARM と x86
現代の2大 CPU アーキテクチャ。x86 は Intel 8086(1978年)由来の CISC で、PC とサーバを支配。ARM は1985年に英 Acorn が開発した RISC で、モバイルを席巻し、Apple Silicon(M1、2020年)と AWS Graviton で PC・サーバにも進出。
- ASIC
特定用途専用に設計された集積回路。汎用 CPU や GPU より高速・低消費電力だが、設計コストと開発期間が大きい。Bitcoin マイナー、Google TPU、Apple Silicon の各種コプロセッサ、ネットワーク機器の ASIC 等、AI 時代に再注目されている。
- async / await
非同期処理を同期的な見た目で記述できる言語構文。C# 5.0(2012年)が先駆け、Python 3.5(2015年)、JavaScript ES2017、Rust、Swift、Kotlin 等が続々と採用。コールバック地獄を解消し、I/O 待ちを伴うサーバ・UI コードの可読性を一変させた。
関連用語: スレッド · 関数型プログラミング · 型システム
- CDN(コンテンツデリバリネットワーク)
世界各地のエッジサーバにコンテンツを複製・キャッシュし、ユーザに最も近い拠点から配信して遅延と帯域コストを削減する仕組み。1998年に Akamai が MIT 発で創業し普及。現在は Cloudflare、Fastly、AWS CloudFront 等が市場を牽引し、エッジコンピューティングへ拡張中。
関連用語: エッジコンピューティング · DNS · HTTP
- CORS(オリジン間リソース共有)
ブラウザの Same-Origin Policy 制約のもとで、明示的に許可された別オリジンからのリソースアクセスを可能にする仕組み。W3C が2014年に勧告。`Access-Control-Allow-Origin` 等のレスポンスヘッダとプリフライト OPTIONS リクエストで制御する。
- DNS
ドメイン名(example.com)を IP アドレスに変換する分散型階層データベース。1983年に Paul Mockapetris が RFC 882 / 883 で設計し、ARPANET の hosts.txt 集中管理を置き換えた。インターネットの根幹インフラで、DNSSEC や DoH(DNS over HTTPS)で機能拡張が続く。
関連用語: TCP/IP · HTTP · CDN(コンテンツデリバリネットワーク)
- Face ID
Apple の顔認証システム。2017年の iPhone X で初搭載。約3万個の不可視の赤外線ドットを顔面に投射し、その変形パターンから 3次元の顔形状を読み取って認証する。誤認率は約100万分の1(Touch ID は5万分の1)。
関連用語: Touch ID
- FPGA
製造後に回路構成をプログラム可能なロジックデバイス。1985年に Xilinx が XC2064 で世界初の FPGA を発売。AMD(Xilinx 買収)、Intel(Altera 買収)が主要プレイヤーで、通信機器、HFT、データセンタ、AI 推論で活用される。ASIC 試作にも使われる。
- GPU
画像処理に特化した並列演算プロセッサ。1999年に NVIDIA が GeForce 256 で「GPU」の語を商標的に普及。CUDA(2007年)で汎用計算(GPGPU)に開放され、2010年代後半からは深層学習・LLM 学習の主役となり、AI 半導体市場の中核を形成。
- GraphQL
Facebook が2012年に内部開発し2015年にオープンソース化した、 API のクエリ言語と実行ランタイム。クライアントが必要なフィールドだけを宣言的に取得でき、REST の「過剰/不足取得」問題を解消。GitHub、Shopify、Netflix 等で大規模採用される。
- HTTP
Web の基盤となるアプリケーション層プロトコル。1991年に Tim Berners-Lee が CERN で原型を策定。HTTP/1.1(1997年、RFC 2068)が長く使われ、HTTP/2(2015年)でバイナリ多重化、HTTP/3(2022年、RFC 9114)で QUIC ベースに進化した。
関連用語: HTTPS · HTTP/3 と QUIC · REST API
- HTTP/3 と QUIC
Google が2012年から開発し IETF が2021年に RFC 9000 として標準化した UDP ベースの新トランスポート QUIC と、その上に載る HTTP/3(RFC 9114、2022年)。TLS 1.3 統合、0-RTT、コネクション移行などにより、モバイル環境で TCP/TLS より高速。
- HTTPS
HTTP を TLS(旧 SSL)で暗号化した通信プロトコル。1994年 Netscape が SSL とともに導入。Let's Encrypt(2015年運用開始)の無償証明書と Chrome の常時 HTTPS 化推進により、現在は Web トラフィックの95%以上で利用される事実上の標準。
関連用語: HTTP · 公開鍵暗号 · エンドツーエンド暗号化
- IaaS / PaaS / SaaS
クラウドサービスの3層モデル。IaaS(仮想マシン、ストレージ等のインフラ:AWS EC2)、PaaS(実行環境:Heroku、Google App Engine)、SaaS(完成アプリ:Salesforce、Gmail)。2011年に NIST が SP 800-145 で定義を整理した。
関連用語: サーバーレス · Kubernetes · エッジコンピューティング
- JWT(JSON Web Token)
JSON 形式のクレームを署名・暗号化してコンパクトに伝送するトークン規格。2015年 RFC 7519 で標準化。ヘッダ・ペイロード・署名を Base64URL でドット連結する形式で、 OAuth 2.0 や OpenID Connect、ステートレス API 認証で広く利用される。
- Kubernetes
Google が社内の Borg を起源として2014年に公開した、コンテナオーケストレーションのオープンソース基盤。CNCF(Cloud Native Computing Foundation)の旗艦プロジェクトとなり、宣言的 API、自動スケール、自己修復で現代クラウドネイティブの事実上の標準。
- MagSafe
Apple の磁石を用いた接続規格。元来 2006-2019 年に MacBook で使われた電源コネクタの名称で、引っ張ると安全に外れる仕様だった。iPhone 12(2020年)でワイヤレス充電とアクセサリ取り付けの新規格として名称が転用され、背面に磁石を内蔵した端末を介してケース・カードホルダー・充電器を吸着させる。
- Model Context Protocol(MCP)
Anthropic が2024年11月に公開した、 LLM と外部ツール・データソースを接続する標準オープンプロトコル。JSON-RPC ベースで、リソース、ツール、プロンプトを統一的に扱う。Claude Desktop、Cursor 等が早期に対応し、AI エージェント連携の事実上の共通規格となりつつある。
関連用語: 大規模言語モデル · RAG(検索拡張生成) · プロンプトエンジニアリング
- NPU
ニューラルネットワーク推論に特化した専用プロセッサ。Apple Neural Engine(A11 Bionic、2017年)、Huawei Kirin、Qualcomm Hexagon 等が代表例。スマートフォンやノート PC 上でのオンデバイス AI(顔認識、画像生成、音声処理)を低消費電力で実行する。
- NVMe
PCIe バス上で SSD と通信するために設計されたプロトコル。2011年に NVMe 1.0 仕様が公開され、SATA / AHCI のレガシー制約を排し、 並列キュー(最大64Kキュー × 64Kコマンド)で SSD の真の性能を引き出す。データセンタからコンシューマ NVMe SSD まで標準化。
- OAuth
ユーザのパスワードを第三者アプリに渡さずに権限を委譲する認可フレームワーク。2007年に OAuth 1.0 が策定され、2012年の OAuth 2.0(RFC 6749)が現行標準。Google、Facebook、GitHub 等の「Sign in with」やモバイルアプリの API 連携で広く利用される。
関連用語: JWT(JSON Web Token) · HTTPS · 公開鍵暗号
- OLED(有機 EL)
Organic Light-Emitting Diode。有機化合物に電流を流して発光させる表示技術。液晶(LCD)と違いバックライトを必要とせず、画素ごとに発光・消灯できるため、純粋な黒、無限のコントラスト、薄型・湾曲が実現できる。スマートフォンでは Samsung が早期から採用し、Apple は2017年の iPhone X から導入した。
関連用語: Retina ディスプレイ
- RAG(検索拡張生成)
LLM の生成時に外部知識ベースから関連文書をベクトル検索で取得し、コンテキストに注入して回答精度とハルシネーション抑制を両立する手法。2020年に Meta(旧 Facebook)の Lewis らが提唱。社内文書 QA や最新情報参照の実用パターンとして定着。
- RAM と ROM
RAM(Random Access Memory)は電源供給中のみデータを保持する高速揮発性メモリで、DRAM・SRAM 等の種別がある。ROM(Read-Only Memory)は不揮発で電源断後も保持する読み出し専用メモリ。現代の Flash / EEPROM は書き換え可能な ROM 派生として位置付けられる。
- REST API
Roy Fielding が2000年の博士論文で提唱した、HTTP リソースを URI で表現し GET / POST / PUT / DELETE 等のメソッドで操作する Web API 設計原則。2000年代後半に Twitter、Amazon S3 等で広く採用され、Web API の事実上の標準となった。
- Retina ディスプレイ
通常の使用距離で人間の網膜が個々のピクセルを判別できないとされる高解像度ディスプレイを指す、Apple のマーケティング用語。2010年の iPhone 4(326 ppi)で初登場し、後に iPad、MacBook、Mac mini にも拡張された。
関連用語: OLED(有機 EL)
- RISC-V
2010年に UC バークレーで設計が始まったオープン命令セットアーキテクチャ(ISA)。ライセンス料が不要で、改変・拡張が自由。SiFive、Western Digital、Alibaba T-Head 等が採用し、組み込みから HPC、AI 用途まで急速に普及。ARM・x86 の対抗軸として注目される。
- SSD
NAND フラッシュメモリを記憶媒体とする半導体ストレージ。1991年の SanDisk 20MB SSD が商用先駆。2000年代後半からノート PC に普及し、HDD を置換。SATA から PCIe / NVMe へ進化し、現代では数 GB/s 級の読み書き速度を実現する。
- TCP/IP
インターネットの基盤通信プロトコル群。Vint Cerf と Bob Kahn が1974年に論文発表、1983年1月1日に ARPANET が全面移行(Flag Day)。IP がパケットを宛先まで届け、TCP が信頼性のある順序保証通信を提供する4階層モデル。
関連用語: DNS · HTTP · HTTP/3 と QUIC
- Touch ID
Apple の指紋認証システム。2013年の iPhone 5s で初搭載され、ホームボタンに静電容量式の指紋センサを内蔵することで、ロック解除と App Store / Apple Pay の認証を指1本で完了させた。後に iPhone X 以降のフラッグシップでは Face ID に置き換えられたが、現行 iPad などでは現役。
関連用語: Face ID
- TPU
Google が機械学習向けに自社設計した ASIC。2016年の Google I/O で初代を公開し、AlphaGo の対局運用にも使用。行列乗算を高速化するシストリックアレイ構造で、Google Cloud TPU として外部提供。Gemini など Google の大規模モデル学習を支える。
- Transformer
2017年に Google が発表した深層学習アーキテクチャ。自己注意機構(Self-Attention)で系列データの長距離依存を効率的に学習し、BERT / GPT / Claude 等の現代 LLM の基盤となる。元論文「Attention Is All You Need」は被引用数10万超で、AI 史上最重要論文の一つとされる。
関連用語: ニューラルネットワーク · アテンション機構 · 大規模言語モデル
- USB Type-C(USB-C)
2014年に USB-IF が策定した、上下対称(リバーシブル)の USB 端子規格。最大100W の電源供給、最大40Gbps(USB4 / Thunderbolt)のデータ転送、DisplayPort や HDMI のオルタネートモードによる映像出力を1本のケーブルで扱える点が特徴。2020年代に入り、スマートフォン・PC・周辺機器の共通端子として急速に普及した。
- WebSocket
単一の TCP 接続上で双方向リアルタイム通信を行うプロトコル。2011年に IETF が RFC 6455 として標準化。HTTP からアップグレードして全二重通信を確立し、チャット、ゲーム、株価配信、コラボエディタ等のリアルタイム Web を支える。
関連用語: HTTP · REST API · HTTP/3 と QUIC
- アテンション機構
系列データの各要素が他の要素にどれだけ注目すべきかを動的に重み付ける仕組み。Bahdanau ら(2014年)が機械翻訳で導入し、2017年の Transformer で自己注意(Self-Attention)として中核化。Query / Key / Value の内積で関連度を計算する。
関連用語: Transformer · ニューラルネットワーク · 大規模言語モデル
- エッジコンピューティング
データ生成源(ユーザ端末、IoT、店舗等)の近傍で計算・処理を行い、遅延・帯域・プライバシーを改善する分散コンピューティングモデル。CDN の発展形として Cloudflare Workers、AWS Lambda@Edge、Fastly Compute@Edge 等が提供し、5G と AI 推論で重要性増大。
関連用語: CDN(コンテンツデリバリネットワーク) · サーバーレス · IaaS / PaaS / SaaS
- エンドツーエンド暗号化
通信の送信者と受信者のみが復号鍵を持ち、サービス提供者を含む中継者が内容を読めない暗号化方式。PGP(1991年)、Signal Protocol(2013年)が代表例。WhatsApp(2016年に全面採用)、iMessage、Signal で広く実装され、捜査機関との論争も継続中。
- オブジェクト指向プログラミング
データと振る舞いを「オブジェクト」にまとめ、 カプセル化・継承・ポリモーフィズムで構造化するプログラミングパラダイム。Alan Kay らが1970年代に Smalltalk で確立し、 C++(1985年)、 Java(1995年)で主流化。現代では関数型との組合せが一般的。
関連用語: 関数型プログラミング · 型システム · ガベージコレクション
- カーネル
OS の中核プログラム。CPU・メモリ・I/O 等のハードウェア資源を管理し、ユーザ空間プロセスへ抽象化された API(システムコール)を提供する。設計思想によりモノリシック(Linux)、マイクロカーネル(Mach、L4)、ハイブリッド(Windows NT、XNU)に分類される。
- ガベージコレクション
プログラムから到達不能になったオブジェクトの記憶領域を、 ランタイムが自動的に回収する仕組み。1959年に John McCarthy が LISP のために発明。Java、C#、Go、Python、JavaScript 等が採用。Rust は所有権モデルで GC なしのメモリ安全を実現する対照例。
関連用語: オブジェクト指向プログラミング · 型システム · 仮想メモリ
- コンテナ
Linux カーネルの namespace と cgroup を用いてプロセスを軽量に隔離し、独立した実行環境を提供する仮想化技術。FreeBSD jails(2000年)、Solaris Zones(2004年)の系譜を経て、Docker(2013年)が DX を一変させ、Kubernetes 時代の基盤となった。
関連用語: Kubernetes · マイクロサービス · カーネル
- サーバーレス
開発者がサーバ管理・スケーリングを意識せず、コードを関数単位でデプロイし、実行時間と呼び出し回数で課金されるクラウド実行モデル。AWS Lambda(2014年)が嚆矢で、Cloudflare Workers、Vercel、Google Cloud Run 等が続き、エッジコンピューティングと融合中。
関連用語: Kubernetes · マイクロサービス · エッジコンピューティング
- システムコール
ユーザ空間のプロセスがカーネルの機能(ファイル操作、ネットワーク、プロセス制御等)を要求するインタフェース。x86-64 Linux では `syscall` 命令で特権モードに切り替わり、open(2)、read(2)、write(2)、fork(2) 等が呼ばれる。OS の API 境界そのもの。
- スレッド
プロセス内で並行実行される最小の実行単位。同一プロセス内の仮想メモリを共有しつつ、固有のスタックとレジスタ状態を持つ。1990年代に POSIX Threads(pthreads)が標準化。マルチコア時代に並列処理の基本単位となった。
関連用語: プロセス · カーネル · async / await
- ゼロトラスト
「ネットワーク内部だから安全」という前提を排し、すべてのアクセスを常に検証するセキュリティモデル。Forrester の John Kindervag が2010年に提唱、Google BeyondCorp(2014年)が実装の代表例。NIST SP 800-207(2020年)で体系化され、米連邦政府の標準方針となった。
関連用語: エンドツーエンド暗号化 · 公開鍵暗号 · OAuth
- トークン
LLM がテキストを処理する最小単位。単語より細かいサブワード(BPE、SentencePiece 等)で分割される。英語は約4文字=1トークン、日本語は1文字=1〜2トークンが目安。API 課金やコンテキストウィンドウもトークン数で計測される。
関連用語: 大規模言語モデル · 埋め込み表現 · Transformer
- ニューラルネットワーク
脳の神経細胞ネットワークに着想を得た計算モデル。重み付きの結合で繋がれた人工ニューロン層を通じて入力から出力を導く。1958年の Perceptron に始まり、誤差逆伝播法(1986年再発見)と GPU の普及で深層学習(Deep Learning)として2010年代以降爆発的に発展。
関連用語: 深層学習 · 誤差逆伝播法 · Transformer
- ハルシネーション
LLM が事実と異なる内容や存在しない情報を、もっともらしく生成する現象。学習データの不足・確率的生成の性質に起因し、医療・法務等での誤情報リスクが課題。対策として RAG、出典提示、強化学習による事実性向上が研究されている。
関連用語: 大規模言語モデル · RAG(検索拡張生成) · プロンプトエンジニアリング
- ファインチューニング
事前学習済みモデルを、特定タスク・ドメインのデータで追加学習させて適応させる手法。全パラメータ更新の他、LoRA(2021年)等の効率的手法(PEFT)が主流化。RLHF や DPO による嗜好学習も広義のファインチューニングに含まれる。
- プロセス
OS が管理する実行中プログラムの単位。固有の仮想メモリ空間、ファイルディスクリプタ、PID を持ち、他プロセスから保護される。Unix の fork(2) / exec(3)(1970年代)以来の伝統的モデル。複数の実行スレッドを内包でき、IPC で連携する。
- プロンプトエンジニアリング
LLM から望ましい出力を得るための入力(プロンプト)設計技法。Few-shot、Chain-of-Thought(2022年)、ReAct、ロール指定等のパターンが知られる。ChatGPT 普及後に職能として注目され、現在は LLM の指示追従性向上で重要度が変化しつつある。
- マイクロサービス
アプリケーションを小さな独立サービスの集合体として構築するアーキテクチャ。各サービスは独自のデータと API を持ち、独立にデプロイ可能。Martin Fowler & James Lewis が2014年に定義を整理。Netflix、Amazon が実践で先導し、Kubernetes 時代の標準的構成となった。
関連用語: Kubernetes · コンテナ · サーバーレス
- マルチタッチ
画面に対する複数の接触点を同時に検出し、入力として扱う技術。1980年代に Bill Buxton らによって研究されたが、一般消費者向けに広く採用されたのは2007年の iPhone 以降である。ピンチ、ズーム、回転など、複数本の指による操作を可能にする。
- ランサムウェア
被害者のファイルを暗号化し、復号鍵と引き換えに身代金(多くは暗号通貨)を要求するマルウェア。原型は1989年の AIDS Trojan。2017年の WannaCry が世界150か国で30万台を感染させて広く認知され、Colonial Pipeline 攻撃(2021年)等で重要インフラへの脅威となった。
関連用語: エンドツーエンド暗号化 · 公開鍵暗号 · ゼロトラスト
- 仮想メモリ
物理メモリと二次記憶を組み合わせ、各プロセスに連続した仮想アドレス空間を提供する仕組み。1962年の Atlas コンピュータが原型。MMU によるページング、TLB、デマンドページング、スワップが構成要素で、現代 OS の必須機能となっている。
- 公開鍵暗号
公開鍵で暗号化し秘密鍵でのみ復号できる非対称暗号方式。Diffie & Hellman が1976年に概念を提唱、Rivest, Shamir, Adleman が1977年に RSA を発表。TLS、SSH、PGP、ブロックチェーンの基盤で、現代では楕円曲線暗号(ECC)と耐量子暗号(PQC)が主役。
関連用語: エンドツーエンド暗号化 · HTTPS · JWT(JSON Web Token)
- 勾配降下法
損失関数の勾配を計算し、その逆方向に重みを少しずつ更新して最小値を探す最適化アルゴリズム。1847年に Cauchy が原型を提案。深層学習では確率的勾配降下法(SGD)や Adam(2014年)等の発展形が標準的に用いられる。
関連用語: 誤差逆伝播法 · ニューラルネットワーク · 深層学習
- 型システム
プログラムの値や式に型を割り当て、不正な操作をコンパイル時に検出する仕組み。静的型(Haskell、Rust、TypeScript)と動的型(Python、JavaScript)に大別される。TypeScript(2012年)以降、JavaScript・Python に漸進的型付け(Gradual Typing)が広がった。
関連用語: オブジェクト指向プログラミング · 関数型プログラミング · ガベージコレクション
- 埋め込み表現
単語や文、画像などを意味的な距離が保たれた高次元ベクトル空間に写像した表現。Word2Vec(2013年)が言語埋め込みの嚆矢で、現在は OpenAI の text-embedding-3、Cohere、Sentence-BERT 等が広く使われ、RAG やセマンティック検索の基盤となる。
関連用語: トークン · RAG(検索拡張生成) · 大規模言語モデル
- 基盤モデル
大規模かつ汎用的なデータで自己教師あり学習され、多様な下流タスクに適応可能な大型モデル。2021年に Stanford HAI が定義語として提唱。GPT、Claude、Gemini、Llama、Stable Diffusion 等を包括する概念で、現代 AI 産業の基盤を成す。
関連用語: 大規模言語モデル · ファインチューニング · Transformer
- 大規模言語モデル
数十億〜数兆パラメータ規模で学習された Transformer ベースの言語モデル。GPT-3(2020年、1750億パラメータ)以降「LLM」の語が定着し、ChatGPT(2022年)で社会的に普及。Claude、Gemini、Llama 等が代表例で、対話、コード生成、推論を担う。
関連用語: Transformer · 基盤モデル · トークン
- 強化学習
エージェントが環境と相互作用し、報酬を最大化する行動方策を試行錯誤で学習する機械学習の枠組み。Sutton & Barto の体系化、DeepMind の DQN(2015年)や AlphaGo(2016年)で広く知られ、LLM の人間フィードバック強化学習(RLHF)にも応用される。
- 教師あり学習
入力と正解ラベルのペアで構成された訓練データからモデルを学習させる機械学習の手法。分類(画像認識など)と回帰(価格予測など)の2形態が代表的。ImageNet(2009年公開)のような大規模ラベル付きデータセットが深層学習の発展を後押しした。
- 教師なし学習
ラベルのないデータから構造やパターンを自動的に発見する機械学習。クラスタリング(k-means)、次元削減(PCA、t-SNE)、生成モデル(GAN、VAE)が代表例。LLM の事前学習も自己教師あり学習として広義の教師なし学習に含まれる。
- 汎用人工知能
人間が行えるあらゆる知的タスクを、特定領域に限らず汎用的に遂行できる AI。特化型 AI(Narrow AI)の対概念。OpenAI、DeepMind、Anthropic 等が主要目標として掲げる。実現時期や定義、安全性(アライメント)については議論が続く。
- 深層学習
多層のニューラルネットワークを用いた機械学習。2006年の Hinton らの研究と2012年の AlexNet による ImageNet 圧勝で第3次 AI ブームを牽引。画像認識、音声認識、自然言語処理、生成 AI(GPT、Diffusion 等)の中核技術となっている。
関連用語: ニューラルネットワーク · 誤差逆伝播法 · Transformer
- 誤差逆伝播法
ニューラルネットワークの学習で、出力誤差を出力層から入力層へ連鎖律で逆方向に伝播させ、各重みの勾配を効率的に計算するアルゴリズム。1986年に Rumelhart, Hinton, Williams らが再発見・普及させ、現代の深層学習を可能にした。
関連用語: ニューラルネットワーク · 勾配降下法 · 深層学習
- 関数型プログラミング
計算を数学的な関数の評価として扱い、状態と副作用を最小化するプログラミングパラダイム。1958年の LISP に始まり、Haskell(1990年)、OCaml、Erlang、Scala、Clojure 等で発展。現代では JavaScript、Python、Rust 等の主流言語にも高階関数・イミュータブル等が浸透した。
関連用語: オブジェクト指向プログラミング · 型システム · async / await