詳述 · 30件の出来事
Microsoftの歴史
1970年代
1970年代の Microsoft は、 一台の機械のための言語屋として始まり、 どの機械にも同じソフトを売る会社へと形を変えた。 Gates と Allen は Altair の実機に触れないまま、 PDP-10 上のエミュレータで BASIC を書き上げて MITS に売る。 1976年の公開書簡は、 払われない代金を数字で示した。 翌1977年には MITS への独占ライセンスを打ち切り、 8ビット機を出す各社へ同じ BASIC を供給する道を開く。 この売り方は IBM PC で再演される。

Albuquerque, New Mexico Police Department (Wikimedia Commons) · Public Domain · Commons ↗ Bill Gates と Paul Allen が、Altair 8800 用の BASIC 言語を販売するためにアルバカーキで設立。当初の社名は「Micro-Soft」(ハイフン入り)。一年後の Altair BASIC 海賊版蔓延に対する Bill Gates の公開書簡(1976年「ホビイストへの公開書簡」)は、商用ソフトウェアという概念の確立に向けた最初期の主張として、ソフトウェア産業史の象徴的文書となる。
1980年代
1980年代、 Microsoft は後の柱となる三つの製品をそろえたが、 どれも出だしは心もとない。 OS は買い取った 86-DOS の手直しから始まり、 Windows 1.0 は発表から出荷まで2年かかって酷評された。 最初の Office は Macintosh 向けだった。 それでも、 互換機に OS を供給し、 DOS の上に画面を載せ、 アプリを一箱に束ねる型はこの十年で出そろい、 1990年には Windows 3.0 と Windows 版 Office が同じ年に出る。
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Brucery (Wikimedia Commons) · CC BY-SA 4.0 · Commons ↗ Microsoft の社史によれば、1989年6月19日に Macintosh 版の Office が発売された。中身は Word 4.00・Excel 2.20・PowerPoint 2.01・Mail 1.37 の4本で、最初の Office は Windows 版ではなく Mac 版であり、電子メールのソフトも含んでいた。8月1日には Microsoft が同じ4本をマニュアルやクリップアート、他社製の補助ソフトとともに1枚に収めた CD-ROM 版を発表した。希望小売価格は949ドル、9月末までの出荷予定で、Microsoft は Macintosh 向けの一般的なビジネスソフトとして初めての CD-ROM 版だとうたった。Windows 版の Office は1990年10月1日に出た。Windows 3.0 の発売から4か月余り後のことで、こちらは Word・Excel・PowerPoint の3本だった。文書・表計算・プレゼンテーションを1つの箱で売るという形は、その後の Office の基本になった。
1990年代
1990年代、 Windows は DOS の上の付け足しから PC の姿そのものになった。 Windows 3.0 は IBM との OS/2 とは別に売り出され、 発売から1年で400万本に届き、 両社の関係を組み替える。 Windows 95 では、 タスクバーとスタートメニューが多くの人にとってのパソコンの見た目になった。 支配力が大きくなれば国家の目も向く。 1998年、 米司法省と20州は Internet Explorer の Windows への統合などを理由に提訴し、 その決着は2000年代へ持ち越される。
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AgnosticPreachersKid (Wikimedia Commons) · Public domain · Commons ↗ 1998年5月18日、米国司法省が Microsoft をシャーマン法違反でワシントン DC の連邦地裁に提訴し、同日に20州とコロンビア特別区も同様の訴えを起こした(民事第98-1232号・第98-1233号)。争点は PC 用 OS の独占を守り、それをブラウザへ広げるための排他的な行為で、Internet Explorer の Windows への抱き合わせも含まれていた。Thomas Penfield Jackson 判事は1999年11月5日の事実認定で Intel 互換 PC 用 OS 市場における独占力を認め、2000年4月3日の法的結論で違反を認定し、同年6月7日に会社を OS 事業とアプリケーション事業に分割するよう命じた。2001年6月28日、コロンビア特別区巡回控訴裁判所は大法廷で独占維持の違法を支持する一方、ブラウザ市場の独占企図の認定を破棄し、抱き合わせは差し戻し、分割命令を含む救済判決を取り消した。係属中に報道機関へ非公開の取材に応じた Jackson 判事は事件から外された。司法省は2001年9月に分割を求めないと表明し、11月2日に Microsoft と和解。Colleen Kollar-Kotelly 判事が2002年11月1日に和解を承認した。行動制限型の最終判決は延長を経て2011年5月に失効した。
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2000年代
2000年代の Microsoft には、 法廷での決着と、 PC の部品を居間へ持ち込む試みが並ぶ。 2000年に地裁が命じた会社の二分割は翌年の控訴審で破棄され、 2002年に行動制限を課す和解が承認されて、 会社は一つのまま残った。 同じ2001年、 PC 由来の部品で組んだ同社初の据え置き機 Xbox を北米で発売し、 翌年の Xbox Live でオンラインプレイを広める側に回る。 2008年には次の柱となるクラウド計算サービスを発表しており、 その商用化が2010年代の幕開けとなる。
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Microsoft は2001年10月25日にニューヨークで Windows XP を発表し、世界での提供開始を宣言した。日本語版パッケージの店頭発売は約3週間遅れの11月16日で、日本は第一陣ではなかった。Windows 2000 のエンジンを土台に家庭用と業務用を一本化し、Home Edition と Professional の2本立てで売られた。2004年の Service Pack 2 で既定のセキュリティ設定を強め、後継の Vista が出た後も長く使われ、延長サポートは2014年4月8日に終わった。
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Microsoft Corporation (Wikimedia Commons) · Public domain (PD-textlogo; trademark applies) · Commons ↗ Windows Vista は二段階で世に出た。2006年11月8日に開発を終え、11月30日にボリュームライセンスの企業顧客向けに提供を開始。個人と一般の組織向けの発売は2007年1月30日で、70カ国以上・19言語で同時に始まり、日本語版も同じ日に発売された(日本は第一陣)。Office 2007 との同時発売で、Microsoft は同社史上最も重要な製品発表と位置づけた。一方で、発売前に XP 機へ貼られた「Windows Vista Capable」ラベルが集団訴訟に発展するなど、要求するハードウェアの重さが影を落とした。
2010年代
2010年代の Microsoft は、 自社 OS を売る会社から、 他人のコードが書かれ動く場を引き受ける会社へ転じた。 Azure は AWS を追って商用化され、 企業向けソフトとの統合で伸びる。 TypeScript は処理系を Apache 2.0 で公開した。 2014年に Nadella が CEO に就き、 かつて CEO が Linux をガンにたとえた会社が GitHub を買う。 2019年には OpenAI に10億ドルを投じて独占クラウド契約を結び、 この賭けが次の十年の主題になる。
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Microsoft Corporation (Wikimedia Commons) · Public domain (PD-textlogo; trademark applies) · Commons ↗ 2012年8月1日に RTM、10月25日にニューヨークで発表イベントを開き、10月26日に140以上の市場・37言語で発売された。日本でも同日0時に秋葉原で深夜販売が行われた(日本は第一陣)。タッチ操作向けのスタート画面と Windows ストアを中心に据え、ARM 版の Windows RT と Microsoft Surface を同時に投入した。従来のスタートボタンを廃したことは強い反発を招き、2013年10月の無償更新 Windows 8.1 で復活した。

Orde Saunders (Flickr, via Wikimedia Commons) · CC BY 2.0 · Commons ↗ Microsoft は2012年6月18日、ロサンゼルスで自社製のタブレット PC「Surface」を発表した。ARM プロセッサで Windows RT を動かす版と、第3世代 Intel Core で Windows 8 Pro を動かす版の2機種で、どちらも10.6インチの画面、本体に収まるキックスタンド、磁石で付くキーボード兼カバーを備えた。Windows RT 版は Windows 8 と同じ2012年10月26日に米国・カナダの店舗などで発売され、32GB で499ドル。日本では2013年3月15日に49,800円で発売された。Windows 8 Pro 版は2013年2月9日に米国とカナダで899ドルから。Microsoft は2013年7月、Surface RT の在庫評価で9億ドルを費用計上した。その後、2014年の Surface Pro 3、2017年の Surface Laptop と続き、2024年には Copilot+ PC の一角を担った。
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2020年代
2020年代、 Microsoft は2019年の出資を製品へ流し込む。 ChatGPT 公開の2ヶ月後に OpenAI への追加投資を決め、 その2週間後に対話型の Bing を、 翌月に Microsoft 365 Copilot を示す。 ゲームでは Activision Blizzard の買収を成立させた。 2024年の Copilot+ PC は NPU の性能を条件にしたが、 画面を記録する Recall は平文保存を突かれて発売を逃す。 手元の AI と私生活の線引きは、 なお課題だ。

Brian Smale / Microsoft (Wikimedia Commons) · CC BY-SA 4.0 · Commons ↗ ChatGPT 公開から2ヶ月後、Microsoft が OpenAI への複数年・複数段階の追加投資を発表。報道では総額100億ドル規模とされ、2019年の10億ドル投資と合わせ「業界史上最大の AI 関連投資」となった。Azure を OpenAI の独占クラウドとし、Microsoft 製品全体(Bing、 Office、 Teams、 Windows、 GitHub)への GPT-4 統合を加速。OpenAI が「営利キャップ」を超えた利益の一定割合を Microsoft が受け取る構造で、両社の財務は事実上不可分になった。
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Activision Blizzard (Wikimedia Commons) · Public domain (below threshold of originality) · Commons ↗ Microsoft が2022年1月に発表した Activision Blizzard 買収が、各国当局の審査を経て10月13日に正式完了。買収額687億ドルはゲーム業界史上最大、テック業界全体でも史上最大級の M&A。Call of Duty、 World of Warcraft、 Diablo、 Candy Crush などの主要 IP が Xbox/Microsoft Gaming 傘下に。米連邦取引委員会(FTC)の差止訴訟は連邦地裁で却下され、英国 CMA は契約構造の修正(Activision のクラウドストリーミング権を Ubisoft へ15年譲渡)を条件に承認。完了3ヶ月後の2024年1月には Microsoft Gaming で1900人の人員削減が発表され、Call of Duty の Game Pass 初日配信など「サブスクへの全振り」戦略が加速した。



