詳述 · 14件の出来事
半導体・ハードウェアの歴史
1940年代
01 件
Lucent Technologies / U.S. Federal Government (Wikimedia Commons) · Public Domain · Commons ↗ AT&T Bell 研究所の John Bardeen、Walter Brattain、William Shockley が、ゲルマニウム結晶を用いた点接触型トランジスタの増幅動作を実演。1925年来支配的だった真空管に代わる、半導体による電子増幅の誕生で、計算機の小型化・低消費電力化・大量生産を可能にする産業的革命の起点となった。3人は1956年にノーベル物理学賞を共同受賞。
- 関連企業・組織
- ベル研究所
- 登場する年表
- IT全史 ── 計算機が世界を編み変える
1950年代
01 件Texas Instruments の Jack Kilby が、複数のトランジスタ・抵抗・コンデンサを単一のゲルマニウム基板上に統合した最初の動作する集積回路を実演。半年後の1959年には Fairchild Semiconductor の Robert Noyce が、シリコン基板上で平面プロセスによる IC を独立に発明し、こちらが量産技術として支配的になる。Kilby は2000年にノーベル物理学賞受賞。
- 登場する年表
- IT全史 ── 計算機が世界を編み変える
1960年代
01 件Fairchild Semiconductor の研究開発部長 Gordon Moore が、Electronics 誌に「集積回路に集積できる素子数は、約2年ごとに倍増する」という趣旨の予測を寄稿。これが後に「ムーアの法則」と呼ばれる、半導体産業のロードマップ的指標になる。1968年、Moore は同僚の Robert Noyce と共に Intel を共同創業。
1970年代
01 件Intel の Federico Faggin、嶋正利、Ted Hoff、Stan Mazor らが、日本のビジコン社(電卓メーカー)から受託した電卓用 LSI 開発を通じて設計した4 bit プロセッサ。2,300 個のトランジスタ、108 kHz の動作。「汎用処理」を単一チップに搭載した最初の商業製品で、後の Intel 8008・8080・8086 から x86 へと続く系譜の起点になった。
1980年代
01 件英国ケンブリッジの Acorn Computers が、自社の Acorn Archimedes 用に独自開発した RISC(Reduced Instruction Set Computing)プロセッサ ARM1 を完成。低消費電力と簡素な命令セットが、後に組込み・モバイル分野の事実上の標準となり、2007年の iPhone を契機に世界のスマートフォン市場をほぼ独占。2026年現在、世界で出荷されるプロセッサの過半数が ARM 命令セットである。
2000年代
01 件NVIDIA が、ゲーム用 GPU を汎用並列計算機として使うためのプログラミングモデル CUDA(Compute Unified Device Architecture)の正式版を公開。当初は科学計算が主用途と想定されていたが、5年後の AlexNet(2012年)が示した深層学習との相性が、NVIDIA を「AI 計算インフラの中核企業」へと変貌させる起点となった。
2010年代
03 件ホームボタンに指紋センサ Touch ID を内蔵し、生体認証によるロック解除と購入承認を一般化した。同時に世界初の 64bit スマートフォンプロセッサ A7 を搭載 ── 業界の予想より2年早い移行で、Qualcomm を含む競合各社を不意打ちにした。Touch ID は決済システム Apple Pay(2014年)の基盤にもなる。
- 関連企業・組織
- Apple
- 関連製品
- iPhone
- 関連用語
- Touch ID
- 登場する年表
- iPhone の歴史 · 携帯電話・スマートフォンの歴史

Daniel Voigt Godoy (Wikimedia Commons) · CC BY 4.0 · Commons ↗ Toronto 大学の Alex Krizhevsky・Ilya Sutskever・Geoffrey Hinton らが、画像認識ベンチマーク ImageNet 2012 でトップ5エラー率 15.3% を達成。2位の従来手法(26.2%)を10ポイント以上引き離す決定的な差で、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を二枚の NVIDIA GTX 580 GPU で学習させたアーキテクチャ「AlexNet」が、深層学習の実用性を一夜にして証明した。これ以降、コンピュータビジョンの主流は手作業の特徴量設計から深層学習へと完全に移行する。
- 関連人物
- ジェフリー・ヒントン
- 登場する年表
- IT全史 ── 計算機が世界を編み変える · AIの歴史
台湾積体電路製造(TSMC)が、業界初の 7nm(後にさらに微細な5nm、3nm へと進む)量産工程を開始。Apple A12(iPhone XS)が最初の主要採用例。Intel が10nm 移行に苦戦する間に、TSMC は世界の最先端半導体製造の独占的地位を確立。Apple、AMD、NVIDIA、Qualcomm を含む世界の主要顧客のチップは、ほぼ全て TSMC の工場で焼かれている。
2020年代
05 件Apple が、15年にわたって採用してきた Intel x86 プロセッサから、自社設計の ARM ベース M1 チップへと Mac を移行した最初のモデル(MacBook Air、Mac mini、13インチ MacBook Pro)を発表。電力効率と性能の両面で Intel 機を上回り、Apple がチップ設計の自社内製化を進めてきた十年強の集大成となった。Mac、iPhone、iPad、Apple Watch がすべて Apple Silicon で統合される基盤。
- 関連企業・組織
- Apple
NVIDIA が、生成AI 時代の事実上の標準学習・推論プロセッサとなる H100 GPU を発表。Hopper アーキテクチャ、80GB HBM3 メモリ、FP8 サポート。ChatGPT 公開(同年11月)以降の AI ブームによる需要急増で、H100 と後続の H200・B200 は世界の AI インフラ投資の核となり、NVIDIA の時価総額を世界 top クラスへ押し上げた。

Daniel Torok / The White House (Wikimedia Commons) · Public domain (US Federal Government work) · Commons ↗ GTC 2024 で NVIDIA が次世代 GPU アーキテクチャ「Blackwell」と、 その最初の製品 B200 を発表。 2080億トランジスタ、 TSMC 4nm プロセス、 FP4 演算で20 ペタフロップス、 192GB HBM3e メモリ。 2 つのダイを高速インターコネクトで結合したチップレット設計を採用。 GB200 NVL72 はラック1台で1.4 エクサフロップスの AI 計算能力を持つ。 OpenAI、 Microsoft、 Google、 Meta、 Tesla など主要顧客に2024-2025年に出荷され、 生成AI 計算インフラの中核となった。

NVIDIA Corporation (Wikimedia Commons) · Apache License 2.0 (trademark applies) · Commons ↗ 6月18日、 NVIDIA の時価総額が約3兆3400億ドルに達し、 Microsoft と Apple を抜いて一時的に世界一位となった。 ゲーム用 GPU メーカーから、 AI 計算インフラの中核企業への変貌が市場評価に反映された節目。 2022年末の ChatGPT 公開時点では時価総額約3600億ドルだったため、 約一年半で9倍以上の成長。 2025年には再び世界一位に返り咲き、 ジェンスン・フアン(Jensen Huang) は AI 業界で最も影響力のある経営者の一人となった。
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- IT全史 ── 計算機が世界を編み変える

David Zahrobsky (Wikimedia Commons) · CC BY 4.0 · Commons ↗ Intel 取締役会の要求により、 Pat Gelsinger が CEO 職を退任。 2021年就任時に掲げた「IDM 2.0」(自社設計+自社製造+外部ファウンドリ顧客の三本柱)戦略は、 18A プロセスの遅延、 AI チップ市場で NVIDIA に大敗、 ファウンドリ事業の連続赤字(2024年第3四半期だけで166億ドル損失)により崩壊。 株価は2024年に60%下落。 米国 CHIPS Act からの最大85億ドルの補助金確定後の退任は、 半導体産業の地政学的再編が個別企業の戦略を超えていることを示した。 後任は2025年3月に Lip-Bu Tan が就任。