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ChatGPT 公開

出典OpenAI (Wikimedia Commons) · Public domain (below threshold of originality) · Commons で見る

メタデータ

日付
年代
2020s
Tier
T1
出典数
10
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04
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#consumer

2022年11月30日、OpenAI のブログに記事が掲載された。掲載時のタイトルは「ChatGPT: Optimizing Language Models for Dialogue」(現在は「Introducing ChatGPT」に改題されている)。記事自身が「リサーチプレビュー(research preview)」と名乗り、「プレビュー中の利用は無料」と書き添えた、控えめな公開だった。

数日後には、それが当時としては消費者向けアプリ史上、最も早く広まったサービスとなる。

速さ

  • 公開後5日: 100万ユーザ(Sam Altman が2022年12月5日に公表)
  • 公開後2ヶ月: 推定1億の月間アクティブユーザ

後者は OpenAI の公表値ではない。 UBS が Similar Web のトラフィックデータをもとに算出した推計で、2023年2月1日に Reuters が報じたものである。同じ記事によれば、1月の ChatGPT の1日あたりユニーク訪問者数は約1300万人で、12月の倍以上。UBS のアナリストはノートにこう書いている ──「インターネット業界を20年見てきたが、消費者向けインターネットアプリでこれほど速い立ち上がりは思い出せない」。

比較として同じ記事が引いた数字(Sensor Tower のデータ)は、TikTok がグローバル展開から1億ユーザを足すまで約9ヶ月、Instagram が2年半。ChatGPT は2ヶ月だった。

FIG1億ユーザに到達するまでの期間[ 月 ── 短いほど速い ]
1億ユーザに到達するまでの期間
Instagram約2年半
TikTok(グローバル展開から)約9ヶ月
ChatGPT約2ヶ月*
* 推計値(実測ではない)ChatGPT の1億は月間アクティブユーザの推計であって OpenAI の公表値ではなく、他の2つは Sensor Tower のデータによる。指標も測り方も揃っていないため、桁の違いを見る図であって順位を競わせる図ではない。この「最速」も長くは続かず、2023年7月に Threads が公開5日で1億登録に達している。出典: Reuters(2023年2月1日、UBS のアナリストノートおよび Sensor Tower のデータ)

この「最速」は長くは続かなかった。2023年7月、Meta の Threads が公開5日で1億登録に到達している。ChatGPT の記録は、2023年前半の時点での最速だったと限定して読むのが正しい。

決め手は技術ではなくインターフェース

技術的には、ChatGPT は既存の言語モデルを対話用にファインチューニングしたものだった。公開時の記事は「ChatGPT は2022年初頭に学習を終えた GPT-3.5 系列のモデルからファインチューニングされている」と明記している。手法は Reinforcement Learning from Human Feedback(RLHF)── 人間のトレーナーが複数の応答を品質順に並べ、そこから作った報酬モデルで Proximal Policy Optimization をかける ── で、InstructGPT と同じものを、データ収集の手順だけ変えて適用した。

しかし、決定的だったのは技術ではなかった。決定的だったのはインターフェースだった。

それまでの GPT-3(2020年)は API として提供されており、開発者は順番待ちに登録し、コードを書き、パラメータを調整する、という階段を登る必要があった。ChatGPT はその階段を取り払った。

  • URL を開く
  • 質問を文字で打ち込む
  • 答えが返ってくる

ただし、無条件ではなかった。公開当初はメールアドレスと電話番号による認証を伴う OpenAI アカウントの作成が必須で、登録なしで使えるようになったのは1年半近く後の2024年4月である。それでも、API を叩くのに比べれば段差は無いに等しかった。

各社の方針転換

公開から1ヶ月以内に、ChatGPT の登場を受けて Google の経営陣が「コードレッド」を宣言したと New York Times が報じた(2022年12月21日)。同紙が入手したメモと音声記録によれば、CEO の Sundar Pichai は AI 戦略を定める一連の会議に加わり、ChatGPT がもたらす脅威に応じるため「社内の多数のグループの作業をひっくり返した」。

Microsoft は、すでに OpenAI に対して10億ドル規模の投資(2019年)と独占的なクラウド契約を結んでいた。2023年1月23日、両社はパートナーシップの第3段階として「複数年・数十億ドル規模(multiyear, multibillion dollar)の投資」を発表する。金額は開示されていない。 よく引かれる100億ドルという数字は Semafor の報道によるもので、Microsoft も OpenAI も確認していない。

2月7日、Microsoft は検索に対話機能を組み込んだ「新しい Bing」を公開した。公開時の説明は「ChatGPT より強力で、検索用に調整された次世代の OpenAI 大規模言語モデル」であり、これが GPT-4 の初期版だったことを Microsoft が認めたのは、GPT-4 が発表された2023年3月14日である。Google は2月6日に Bard を発表したが、実際に一般が触れられるようになったのは3月21日、米英に限った段階的な公開としてだった。

Anthropic(2020年末に OpenAI を離れた Dario・Daniela Amodei らが2021年に創設)は2023年3月14日、API の早期アクセスとして Claude と Claude Instant を公開した ── GPT-4 発表と同じ日である。Meta は2月24日に LLaMA を発表したが、重みの配布は申請制で、学術研究者などに個別審査で許可する形をとった。

2022年12月から2023年6月までの半年で、AI 業界の競争構造は、それまでの「研究→徐々に商用化」から「公開→改良→公開→改良」という連続的なリリースサイクルへと完全に切り替わった。

一般人の生活へ

学校では、提出されたレポートが ChatGPT の生成かどうかをめぐる議論が即座に始まった。ニューヨーク市公立学校は2023年1月、学校支給の端末とネットワーク上での ChatGPT 使用を制限した。この措置は同年5月、教育長の David Banks によって撤回されている。コーディングインタビュー、法律文書、医療文書、コピーライティング ── あらゆる「テキストを生成する仕事」に、即座に影響が及んだ。

これは、いずれ起きることだったかもしれない。だが、始まったのが2022年11月30日だったことは動かない。

よくある質問

ChatGPT はいつ公開されたのか
2022年11月30日です。無償のリサーチプレビューとして公開されました。
5日で100万ユーザというのは本当か
Sam Altman が公開5日後に述べた数字です。当時としては消費者向けアプリ史上最速の立ち上がりで、2023年7月に Threads が5日で1億登録に達して更新されました。
「2ヶ月で1億ユーザ」は OpenAI の発表か
違います。UBS が Similar Web のデータから算出した月間アクティブユーザの推計で、Reuters が2023年2月1日に報じたものです。OpenAI が公表した数値ではありません。

出典

  1. 一次資料ChatGPT: Optimizing Language Models for Dialogue — OpenAI, Nov 30, 2022

    現題は「Introducing ChatGPT」

    取得日: 2026-08-03

  2. 三次資料ChatGPT — Wikipedia

    取得日: 2026-08-03

最終更新:

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