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OpenAI
2015年12月に Sam Altman・Elon Musk・Ilya Sutskever・Greg Brockman らが「全人類に資する汎用人工知能」を掲げて設立した米国の AI 研究組織。当初は非営利、2019年に上限付き営利子会社 OpenAI LP を併設し、2025年10月28日の再編で非営利の OpenAI Foundation が公益営利会社 OpenAI Group PBC を支配する構造に移行した(Foundation が26%、Microsoft が希薄化後ベースで約27%)。GPT 系言語モデルと ChatGPT で生成AIブームの中心となり、2026年3月に post-money 8,520億ドルで1,220億ドルを調達、同年6月8日に SEC へ IPO の秘密申請を行った。
組織情報
- 設立
- 2015
- 状態
- 稼働中
- 活動期間
- 2015–
- 関連事象
- 16
- 名称
- ENOpenAIJAOpenAI
OpenAI は、 2015年12月に Sam Altman、 Elon Musk、 Ilya Sutskever、 Greg Brockman らによって「全人類に資する汎用人工知能(AGI)」を掲げて設立された米国の AI 研究組織である。 当初は非営利、 2019年に上限付き営利子会社 OpenAI LP を併設し、 2025年10月28日に完了した再編で、 非営利の OpenAI Foundation が公益営利会社 OpenAI Group PBC を支配する構造へ移行した。 GPT 系言語モデルと ChatGPT(2022年)で生成 AI ブームの中心となり、 2026年3月31日には post-money 8,520億ドル評価で1,220億ドルを調達している。
非営利から公益営利会社へ
設立当初は研究成果のオープン公開を旨とし、 2016年に強化学習環境 OpenAI Gym、 2017年に PPO アルゴリズムを公開した。 Transformer 論文(Google Brain、 2017年)ののち、 OpenAI はその系譜で GPT-1(2018年)、 GPT-2(2019年)と段階的にスケールし、 GPT-2 では安全上の懸念を理由とする段階的な重み公開が物議を醸した。
2019年、 非営利の下に上限付き営利子会社 OpenAI LP を組成し、 Microsoft から 10億ドルの戦略投資を受けて Azure を計算基盤とする。 2020年の GPT-3 が API ビジネスの基礎をつくり、 2021年6月に GitHub Copilot、 2022年11月30日に ChatGPT を無償のリサーチプレビューとして公開。 2023年1月には Microsoft が複数年・複数段階の追加投資を発表した(Microsoft は金額を開示していない。 報道は総額100億ドル規模と伝えた)。 2023年3月の GPT-4、 同年9月の GPT-4V と DALL·E 3、 2024年5月の GPT-4o、 同年9月の o1 系(推論時に内部の思考連鎖を実行する「reasoning model」)、 2024年7月の SearchGPT 試作、 2025年の GPT-5、 2026年3月の GPT-5.4、 同年4月の GPT-5.5 と更新が続いている。
組織面では2023年11月、 取締役会が Altman を CEO から解任し、 5日後に復帰するボード危機が起きた。 2025年10月28日の再編では、 OpenAI Foundation が OpenAI Group PBC の株式26%(当時の評価で約1,300億ドル)と、 15年後に株価が10倍を超えた場合に追加株式を得るワラントを保有する形となり、 Microsoft の持分は希薄化後ベースで約27%(評価額約1,350億ドル)となった。 直近の調達を除いたベースでは、 Microsoft の持分は再編前で32.5%だったと同社は説明している。 2026年6月8日、 OpenAI は SEC へ IPO の秘密申請(confidential S-1)を提出したと自ら公表したが、 上場時期は未定としている。
対話 AI、 API、 開発者ツール、 そして公共部門
| カテゴリ | 製品 | 概要 |
|---|---|---|
| 対話 AI | ChatGPT(Free / Plus / Pro / Business / Enterprise / Edu) | 2026年2月時点で週間アクティブユーザ9億超 |
| API プラットフォーム | OpenAI Platform、 Responses API、 Realtime API | GPT-5 系、 o 系、 mini 系 |
| 開発者ツール | Codex、 Operator、 GitHub Copilot(Microsoft 経由) | エージェント・コード生成 |
| クリエイティブ | DALL·E 3、 Sora(動画)、 Whisper(音声認識) | 画像・動画・音声 |
| 公共部門 | ChatGPT Gov(2025年1月、 米政府機関向け)、 OpenAI for Government | 国防総省 CDAO 契約は2025年6月 |
重要事件
- 2018年2月: Elon Musk が取締役を退任。
- 2019年7月: OpenAI LP 設立、 Microsoft が10億ドル投資。
- 2020年6月: GPT-3 公開、 商用 API 開始。
- 2022年11月30日: ChatGPT 公開。
- 2023年1月: Microsoft の追加投資(金額非開示)。
- 2023年3月: GPT-4 公開。 3月31日にイタリアの個人データ保護当局が ChatGPT の一時停止を命令(4月末に解除)。
- 2023年11月: 取締役会が Altman を解任、 5日で復帰。
- 2024年5月: GPT-4o 発表。 Sutskever と Jan Leike が退社し、 Superalignment チームは解散。
- 2024年7月: SearchGPT の試作を公開。
- 2024年9月: 推論モデル o1 系を発表。
- 2024年12月: 防衛スタートアップ Anduril との提携を発表。
- 2025年1月: 米政府機関向け ChatGPT Gov を提供開始。 Stargate 計画に参画。
- 2025年6月: 国防総省 CDAO から最大2億ドルの契約を受注。
- 2025年10月28日: 再編完了 ── OpenAI Foundation が OpenAI Group PBC を支配。 Microsoft は約27%。
- 2026年3月31日: 1,220億ドル調達、 post-money 8,520億ドル。
- 2026年5月18日: Musk による提訴が敗訴(出訴期限切れ)。 Musk は控訴の方針。
- 2026年6月8日: SEC へ IPO の秘密申請。
業績指標
- 評価額: post-money 8,520億ドル(2026年3月31日、 OpenAI 発表)
- 売上: 2025年通年で131億ドル。 2026年3月時点で月次20億ドル(年換算約240億ドル)の水準
- ChatGPT: 週間アクティブユーザ9億超(2026年2月)
- Microsoft: 再編後の保有価値は約1,350億ドル、 希薄化後で約27%。 OpenAI は Azure サービスを追加で2,500億ドル分購入する契約を結んだ
- 計算: Stargate 計画(OpenAI / Oracle / SoftBank / MGX)で5,000億ドル規模のデータセンタ建設を掲げる
設立趣意と、 商業化の速度
OpenAI は ChatGPT で大規模言語モデルを大衆消費財に変え、 Google の検索事業と Microsoft のクラウド戦略を同時に書き換えた。 しかし「安全な AGI を全人類に届ける」という設立趣意と、 営利部門を通じた急激な商業化との緊張は組織を継続的に揺さぶってきた。 2023年11月の取締役会事件は、 安全研究側と商業側の路線対立の表出と受け止められた。 同事件以後、 創業期の安全主義系人材の流出が続き、 Sutskever は Safe Superintelligence(2024年)、 Mira Murati は Thinking Machines Lab(2025年)を興している。 なお Dario・Daniela Amodei が Anthropic を設立したのは2021年で、 この事件より前である。
訴訟も多い。 New York Times は2023年12月に学習データの著作権侵害で OpenAI と Microsoft を提訴した。 Elon Musk は2024年に「設立趣旨違反」で提訴し、 一度取り下げたうえで再提訴したが、 2026年5月18日、 カリフォルニア州オークランドの連邦地裁は提訴が3年の出訴期限を過ぎているとして退けた ── 主張の当否には踏み込んでいない。 Musk は控訴の方針を表明している。 EU の AI Act が汎用 AI に課すシステミックリスク評価義務も、 OpenAI のフロンティアモデルが第一の対象である。
労働・倫理面では、 ChatGPT の有害コンテンツ判定用データのラベル付けに、 Sama 経由で時給2ドル未満のケニア人労働者が使われていたと TIME が2023年1月に報じた。 AI の軍事利用では、 2024年1月に使用ポリシーから「軍事および戦争」の禁止条項が削除され、 同年12月の Anduril 提携、 2025年6月の国防総省 CDAO 契約(最大2億ドル)へと進んだ。 2026年6月には ChatGPT の対話 AI 市場シェアが初めて50%を割ったと報じられており、 Anthropic や Google との競争は激化している。
関連する出来事
- Microsoft が OpenAI に10億ドル投資
- GPT-3 発表
- GitHub Copilot 公開 ── AI コーディングの始まり
- ChatGPT 公開
- Microsoft、OpenAI に100億ドル追加投資
- New Bing と Microsoft Copilot ── 検索への LLM 統合
- Anthropic Claude 公開 ── 安全性主軸の対抗 LLM
- GPT-4 発表 ── マルチモーダルへ
- OpenAI 内紛 ── Altman 解任、5日後に復帰
- AI の軍事利用解禁 ── OpenAI ポリシー改訂と Anthropic-Palantir-AWS 契約
- AI 検索の浸食 ── Google AI Overviews と Perplexity の台頭
- SearchGPT 発表 ── OpenAI が検索市場に参入
- macOS Sequoia と Apple Intelligence ── OS 内蔵 AI
- iPhone 16 と Apple Intelligence
- Trump 政権の AI 政策転換 ── Biden 大統領令撤回と Stargate 5000億ドル計画
- OpenAI 再資本化 ── 営利部門が PBC になり、非営利が26%の支配株主として残る
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