1995年8月24日T1

Windows 95 発売

32 bit プリエンプティブマルチタスキング、長いファイル名、プラグアンドプレイ、そしてスタートメニューとタスクバーという UI 配置 ── 多くの人にとって「PC とはこういうものだ」という観念が、この製品で固まった世代。Rolling Stones の Start Me Up を BGM とした巨額の広告キャンペーンと、深夜の販売開始に並んだ行列は、PC が家電となった文化的な瞬間として記憶される。発売初週で700万本を売った。

メタデータ

日付
1995年8月24日
年代
1990s
Tier
T1
出典数
02
関連項目
02

Windows 95 発売

1995年8月24日の午前0時。深夜の販売開始のために、世界中の家電量販店の前には列ができていた。シカゴ、ロンドン、東京。日本では秋葉原のラオックスに数千人が並び、テレビニュースが生中継した。

PC が家電になった瞬間として、しばしば語られる夜である。

何が変わったか

技術的には、Windows 95 は Windows 3.1 と Windows NT の中間地点だった。プロテクトモードでの 32 bit 処理、プリエンプティブマルチタスキング、長いファイル名(8.3 形式からの脱却)、Plug and Play によるハードウェア自動認識。

だが、人々を列に並ばせたのは、これらの技術的進歩ではなかった。それは、Microsoft が初めて Windows を「コンピュータマニア以外の人にも面白そうに見える形」で売ったことだった。

  • 鮮やかな青空と雲のデスクトップ壁紙
  • 左下のスタートメニューと、その横のタスクバー
  • 起動時のオーケストラ風サウンド(Brian Eno が作曲)
  • ゴミ箱、マイコンピュータ、ネットワークコンピュータの3つのアイコン

これらは、後の20年、Windows がいかに変わろうとも「Windows らしさ」の核心として残り続けた。

「Start Me Up」

Microsoft は Windows 95 の広告に Rolling Stones の "Start Me Up"(1981年)の使用権をミック・ジャガーから直接購入したと伝えられる(正確な金額は非公開だが、当時のロック楽曲の広告利用料としては破格と報じられた)。

「スタート」ボタンを押すと OS が始まる ── というメッセージを、いきなり世界的なロックバンドの楽曲とともに展開した。これは、IT 製品の販促手法として、それまで前例のない予算規模だった。

「PC の OS」を、車や香水と同じ商品カテゴリの広告手法で売り出した、最初の出来事として記録される。

Internet Explorer

Windows 95 自体には Internet Explorer は付属していなかった。発売後数ヶ月して、Plus! Pack という有料アドオンとして IE 1.0 が登場する。

しかし、わずか1年後の Windows 95 OSR2(1996年)では IE 3.0 が標準搭載され、その先には Internet Explorer をめぐる Microsoft と Netscape の対立、そして1998年の米国政府による反トラスト訴訟が控えていた。Windows 95 は、「OS と Web ブラウザの関係」をめぐる十年がかりの法廷闘争の出発点でもあった。

700万本

Windows 95 は、発売初週で世界中で 700 万本を売った。一ヶ月で 4000 万本。1996 年末までに、1億本を超えていた。

これは単独の有料ソフトウェアとして、それまで誰も達成したことのない販売規模だった。Microsoft の株価は1995年8月のリリース時から1999年の最高値まで、約10倍に上昇した。Bill Gates は1995年から2007年まで、ほぼ一貫して『Forbes』世界長者番付の1位を維持することになる。

その出発点が、深夜の店頭に並んだ列だった。

出典

  1. 一次資料Microsoft Ships Windows 95 — Microsoft Press Release, Aug 24, 1995

    取得日: 2026-05-23

  2. 二次資料Windows 95 — Wikipedia

    取得日: 2026-05-23