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Figure AI ── OpenAI と組み、BMW の工場に入った人型ロボットの新興企業

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2020s
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T1
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10
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05
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#market#labor#ethics

Figure(Figure AI)は、汎用の人型ロボットを開発する米カリフォルニア州の新興企業である。2022年に Brett Adcock が創業し、2024年に BMW と初の商用契約を結んで、OpenAI との提携と6億7500万ドルの資金調達を発表した。創業からわずか数年で評価額は390億ドルに達し、ヒューマノイドロボットへの投資熱を象徴する会社になった。同時に、発表と実態のずれ、安全をめぐる訴訟でも注目されている。このページでは、会社の主張は主張として扱う。

2024年 ── BMW と OpenAI

2024年1月18日、BMW と Figure は、サウスカロライナ州スパータンバーグの BMW 工場に人型ロボット Figure 01 を導入する契約を発表した。BMWBLOG によると、まず使える作業を見極め、そのうえで段階的に配備し、最初は少数で、目標を達成できれば台数を増やすという内容で、具体的な日程も財務条件も明かされなかった。Figure にとって、2022年の創業以来初めての商用の相手だった。

続く2024年2月29日、Figure はシリーズ B で6億7500万ドルを評価額26億ドルで調達したと発表した。

項目内容(Figure の発表による)
調達額6億7500万ドル(シリーズ B)
評価額26億ドル
主な出資者Microsoft、OpenAI Startup Fund、NVIDIA、Jeff Bezos(Bezos Expeditions)、Parkway Venture Capital、Intel Capital、Align Ventures、ARK Invest
OpenAI との提携人型ロボット向けの次世代 AI モデルを共同開発し、ロボットが言語を処理し推論する能力を高める
使途AI の学習、ロボットの製造、技術者の増員、商用展開の加速
基盤AI の学習と保存に Microsoft Azure を使う

発表時点の従業員は80人で、創業は21か月前とされた。言語を扱う大規模言語モデルの会社と、体を持つロボットの会社が組み、生成 AI の能力を物理の世界へ広げようとする構図だった。TechCrunch によると、2024年8月に発表した Figure 02 は、自然言語での会話に OpenAI のモデルを使うとされていた。

2025年2月 ── OpenAI との決別と Helix

ところが2025年2月4日、Figure は OpenAI との契約から離れると X で発表した。理由として挙げたのは、社内で大きな突破口を得たことである。TechCrunch の取材に、Adcock CEO は詳細を語らず、30日以内に人型ロボットで誰も見たことのないものを見せると約束した。そして、ハードウェアを外部に任せられないのと同じ理由で、AI も外部に任せられないと述べた。

同じ月の2月20日、Figure は自社開発の Helix を公開した。同社によると、Helix は視覚・言語・行動(VLA)を1つにまとめた汎用のモデルで、2つの部分からなる。

部分役割(Figure の説明)
System 2インターネットで事前学習した70億パラメータの視覚言語モデル。場面と言葉を理解する(毎秒7〜9回)
System 18000万パラメータの視覚運動 Transformer。連続した動作を出す(毎秒200回)

Figure は、Helix がロボットに積んだ低消費電力の GPU だけで動くこと、同じ重みを2台のロボットで同時に動かし、初めて見る食料品を言葉の指示で一緒に片づけさせたことを示し、人型ロボットの上半身全体を高速に制御する初の VLA だと主張している。いずれも同社の説明で、外部の検証は示されていない。言語モデルは基盤の一部にすぎず、難しいのはロボットを高速に制御するモデルだ、というのが決別の論理だった。

BMW での稼働 ── 主張と報道

2025年4月6日、Fortune は、Figure の BMW での仕事について Adcock CEO の発言が誇張されているのではないかと報じた。同誌によると、Adcock CEO は2月に LinkedIn で、BMW でロボットの群れがエンドツーエンドの作業をしていると書き、3月初めには、人型ロボットが毎日稼働していると語った。しかし BMW の広報担当者は、3月ごろまでは1台の Figure のロボットが生産時間外に部品を動かす練習をしていただけで、生産中の作業は1度に1つの限られた作業から始めると説明した。Figure は Fortune の取材に応じなかった。

その後、Figure は2025年11月19日、BMW での成果を自ら公表した。

項目Figure の発表
期間11か月(6か月以内に納入・試験開始、10か月以内に稼働中のラインで本格運用)
作業板金部品を棚や箱から取り、溶接治具に載せる。誤差5mm 以内、約2秒
稼働1日10時間、月〜金、累計1,250時間超
扱った部品9万個超
関わった生産BMW X3 を3万台超

同社は、最も多かった故障箇所は前腕だったとして Figure 03 で設計を改め、Figure 02 は引退させると書いている。台数はこの発表に書かれていない。2026年6月30日には、Figure 03 がスパータンバーグ工場の組み立て・物流棟に入り、部品の順立て作業を始めたと発表した。

評価額390億ドルと Figure 03

2025年9月16日、Figure はシリーズ C で10億ドルを超える資金の確約を得て、調達後の評価額は390億ドルになったと発表した。主導は Parkway Venture Capital で、Brookfield、NVIDIA、Macquarie Capital、Intel Capital、Salesforce、Qualcomm Ventures などが加わった。資金は、自社工場 BotQ での生産拡大、学習とシミュレーションのための GPU 基盤、人の動画などのデータ収集に使うとした。

2025年10月9日には第3世代の Figure 03 を発表した。Helix と家庭での利用を前提に設計し、挟み込みやすい部分に柔らかい素材を使い、電池に何重もの保護を備えたとしている。BotQ の第1世代のラインは年最大1万2000台を作れ、4年で10万台を目指すとした。

安全をめぐる訴訟

2025年11月、元製品安全責任者の Robert Gruendel が Figure を提訴した。CNBC の報道を引いた Interesting Engineering によると、Gruendel は、ロボットが人の頭蓋骨を骨折させうるほどの力を持つと CEO と主任技術者に警告し、誤作動したロボットが鋼鉄の冷蔵庫の扉に4分の1インチ(約6mm)の切り傷をつけた例を挙げたが、その後に解雇されたと主張している。投資家に示した安全計画が出資の前に骨抜きにされたとも訴えた。Figure の広報は、成績不良による解雇であり、主張は虚偽で法廷で覆すと反論している。いずれも当事者の主張で、裁判所の判断は出ていない。

家庭に入ることを掲げるヒューマノイドにとって、人と同じ空間で動く機械の安全をどう確かめ、どう説明するかは、性能と同じくらい重い問いである。同じ時期の動きは、Tesla の Optimus、電動の Atlas、Unitree のページにある。全体の流れはヒューマノイドと AI ロボットの年表にある。

よくある質問

Figure AI とはどんな会社ですか。
2022年に Brett Adcock が創業した、汎用の人型ロボットを開発する米国の新興企業です。2024年2月に評価額26億ドルで6億7500万ドル、2025年9月に評価額390億ドルで10億ドル超を調達しました。人型ロボット Figure 01・02・03 と、自社開発の AI モデル Helix を持っています。
Figure と OpenAI の提携はどうなったのですか。
2024年2月29日に人型ロボット向けの次世代 AI モデルを共同開発する契約を発表しましたが、2025年2月4日に Figure が打ち切りました。Adcock CEO は、ハードウェアと同じ理由で AI も外部に任せられないと説明し、同月に自社モデル Helix を公開しています。
Figure のロボットは BMW の工場で何をしたのですか。
Figure の発表では、Figure 02 がスパータンバーグ工場の車体工場で11か月稼働し、板金部品を溶接治具に置く作業で9万個超の部品を扱い、3万台超の BMW X3 の生産に関わりました。一方、2025年4月に Fortune は、BMW の広報によれば3月ごろまでは1台が生産時間外に練習していただけだと報じ、ロボットの群れが稼働しているという CEO の発言との食い違いを指摘しました。
Figure は訴えられているのですか。
2025年11月、元製品安全責任者の Robert Gruendel が、ロボットが人の頭蓋骨を骨折させうるほどの力を持つと経営陣に警告した後に解雇されたとして提訴したと報じられました。Figure は、成績不良による解雇で主張は虚偽だと反論しています。訴えの内容は本人の主張で、裁判所の判断は出ていません。

出典

  1. 一次資料Figure Raises $675M at $2.6B Valuation and Signs Collaboration Agreement with OpenAI — Figure (PR Newswire), February 29, 2024

    シリーズ B の金額と評価額、出資者、OpenAI との共同開発、資金の使途、Microsoft Azure、BMW との初の商用契約、従業員80人

    取得日: 2026-10-20

  2. 二次資料BMW To Use Humanoid Robots At Spartanburg Factory — Adrian Padeanu, BMWBLOG, January 18, 2024

    スパータンバーグ工場への Figure 01 の段階的な導入、最初は少数、2022年の創業以来初の商用パートナー、財務条件は非公開

    取得日: 2026-10-20

  3. 二次資料Figure drops OpenAI in favor of in-house models — Brian Heater, TechCrunch, February 4, 2025

    契約打ち切りと「大きな突破口」、Adcock の発言、2024年8月の Figure 02 と OpenAI のモデル、累計約15億ドルの調達、OpenAI の 1X への出資と商標出願

    取得日: 2026-10-20

  4. 一次資料Helix: A Vision-Language-Action Model for Generalist Humanoid Control — Figure, February 20, 2025

    System 2(70億パラメータ・7〜9Hz)と System 1(8000万パラメータ・200Hz)、搭載 GPU での実行、2台の協調、同社が主張する「初」

    取得日: 2026-10-20

  5. 一次資料Introducing Figure 03 — Figure, October 9, 2025

    Helix と家庭向けの設計、BotQ の第1世代ラインで年最大1万2000台、4年で10万台の目標、柔らかい外装と電池の保護

    取得日: 2026-10-20

  6. 一次資料F.02 Contributed to the Production of 30,000 Cars at BMW — Figure, November 19, 2025

    11か月の稼働、1,250時間超、9万個超の部品、3万台超の X3、1日10時間・週5日、前腕の故障、Figure 02 の引退

    取得日: 2026-10-20

  7. 一次資料F.03 Arrives at BMW — Figure, June 30, 2026

    取得日: 2026-10-20

  8. 二次資料Figure humanoid robot hand showed skull-cracking force in trials, whistleblower warns — Kaif Shaikh, Interesting Engineering, November 24, 2025

    CNBC の報道に基づく提訴の内容、Figure の反論

    取得日: 2026-10-20

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