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Windows 98 ── USB を標準で扱い、ブラウザを OS に溶かし込んだ家庭向け Windows
メタデータ
- 日付
- 年代
- 1990s
- Tier
- T1
- 参照年表
- OSの歴史 · Microsoftの歴史
- 出典数
- 08
- 関連項目
- 02
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Windows 98 の発売日は、米国を含む世界向けが1998年6月25日(木)、日本語版が1998年7月25日(土)である。Microsoft は6月25日にレドモンドで提供開始を発表し、Windows 98 は40か国以上で、北米では1万2,000を超える小売店で即日手に入るようになった。PC メーカー200社以上が、当日から30日以内に Windows 98 搭載の家庭向け PC を出荷する予定だとされた。日本は第一陣ではなく、日本語版は英語版の1か月後に発売された。
Microsoft のリリースで、Bill Gates は Windows 98 を「家庭のユーザーのために特に設計した最初の Windows」と位置づけている。米国のアップグレード版(Windows 95・3.1 から)の推定小売価格は109ドルだった。
発売までの日付
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 1998年4月20日 | シカゴの COMDEX/Spring 1998 で Gates の実演中に Windows 98 が停止 |
| 1998年5月15日 | RTM(製造工程向けの完成) |
| 1998年5月18日 | 米司法省と20州などが Microsoft を提訴 |
| 1998年6月17日 | 日本法人が日本語版の発売日と価格を発表 |
| 1998年6月25日 | 40か国以上で提供開始。夜にサンフランシスコで発売イベント |
| 1998年7月25日 | 日本語版発売。秋葉原で午前0時から深夜販売 |
| 1999年6月10日 | Windows 98 Second Edition の提供開始 |
| 2006年7月11日 | 有償サポートと緊急セキュリティ更新が終了 |
開発中のコード名は「Memphis」だった。RTM の日付とコード名は Wikipedia による。
何が新しかったか
Windows 98 は Windows 95 の土台の上に作られた、同じ系統の後継である。発売日のリリースが挙げた柱は三つあった。
- インターネットとの統合 ── Internet Explorer の技術を使って、手元の PC の中の情報とインターネット上の情報を同じ操作でたどれるようにデスクトップを一体化した。トラブルシューティングのウィザードと Web ベースのヘルプも加えた
- 速さと安定性 ── アプリケーションの起動、インターネットへの接続、シャットダウンを速くし、自己保守と更新の機能を持たせたと Microsoft は説明した
- ハードウェアと娯楽 ── USB を OS が標準で扱い、DVD に対応し、テレビチューナーカードを積んだ PC で放送を受信して表示できるようにした
中でも USB の扱いはリリースの中で大きな比重を占めている。リリースは、USB によって周辺機器の取り付けが大きく簡単になり、利用者に本当の「プラグアンドプレイ」を届けると書き、フォースフィードバック付きのジョイスティックからデジタルカメラまでを例に挙げた。USB Implementers Forum の議長を務めていた Intel の David Fair は、今後1年で150を超える USB 製品が市場に出ると見込んでいた。いずれも発売時点の見通しであって、実績の数字ではない。
同じ日に、ユーティリティやデスクトップテーマ、ゲームを加える「Microsoft Plus! 98」も世界で発売された。
発売前の青い画面
発売の2か月前には、開発中の Windows 98 が公衆の前で止まっている。CNN によれば、1998年4月20日(月)、シカゴの COMDEX/Spring 1998 で基調講演に立った Gates が Windows 98 の使いやすさを実演していたところ、Microsoft の社員がスキャナを PC につないだ瞬間にシステムが停止した。Gates は笑いながら「I guess we still have some bugs to work out」と言い、続けて「That must be why we're not shipping Windows 98 yet」と述べた。Gates は別の PC に移って実演を続けた。
CNN の同じ記事は、翌日に控えていた司法省との訴訟の控訴審について、Gates がこの場で何も語らなかったことにも触れている。
発売と同じ年の提訴
Windows 98 は、独占禁止法の訴訟のただ中で出荷された。米司法省と20州などは1998年5月18日に Microsoft を提訴しており、その訴えには、開発中の Windows 98 に Internet Explorer を抱き合わせようとしていることが含まれていた。発売日のリリースが「Internet Explorer の技術でデスクトップを一体にした」と書いた機能は、まさに争点の側にあった。訴訟の中身と、2000年の分割命令から2011年の最終判決の失効までの経緯は 米国対 Microsoft 訴訟の記事にまとめている。ブラウザで競っていた相手については Netscape を参照。
日本語版 ── 1か月遅れの深夜販売
日本法人は1998年6月17日に日本語版の発売日を7月25日と発表した。PC Watch によれば、Microsoft は「英語版発売から30日以内の日本語版発売」を約束しており、6月25日の英語版から数えてその公約を守る形になった。発表会には Gates のほか、NEC、ソニー、富士通、松下電器産業の社長が出席した。
価格はオープンプライスで、推定小売価格は次のとおり。1つのパッケージに、PC/AT 互換機用と PC-9800 シリーズ用の両方が入っていた。
| 版 | 推定小売価格 |
|---|---|
| 通常版 | 24,800円 |
| アップグレード版(Windows 3.1/95 から) | 13,800円 |
| Microsoft Plus! 98 | 5,800円 |
日本法人は、発売後3か月でプリインストール分を含めて50万本の出荷を見込むとしていた。
発売当日は午前0時に秋葉原で販売が始まった。PC Watch の現地報告によれば、前夜11時すぎから急に人が増え、3年前の Windows 95 発売時に勝るとも劣らないほどの人出になった。違いは、95 のときに比べて PC メーカーの姿が目立たず、店頭の主役が各店の店員だった点だという。
Second Edition(1999年)
発売から1年後の1999年6月10日、Microsoft は Windows 98 Second Edition(SE)の提供開始を発表した。主な追加は次のとおり。
| 追加・強化 | 内容 |
|---|---|
| Internet Explorer 5 | ブラウザを新しい版に |
| Internet Connection Sharing | 複数の PC で1本のインターネット接続を共有する |
| NetMeeting 3 | ビデオ会議とオンラインの共同作業 |
| Windows Media Player 6.1 | ストリーミングを含む音声・動画の再生 |
| 機器対応 | USB、IEEE 1394、Device Bay、ブロードバンド接続への対応を拡大 |
| Windows 98 Service Pack 1 | 2000年問題への対応を含む更新 |
Windows 95・3.1 からの推定小売価格は Windows 98 と同じ109ドルで、すでに Windows 98 を使っている人には更新用の CD-ROM が19.95ドル(送料・手数料別)で用意された。Microsoft は Internet Connection Sharing を、家庭のネットワーク化への第一歩と説明している。
終わり
Windows 95 から始まった家庭向けの系統は、Windows 98 の後継である2000年の Windows Me で終わり、家庭向け Windows は Windows XP で NT の系譜へ移った。
サポートは一度延長されている。INTERNET Watch によれば、Windows 98/98 SE のサポートは当初2004年1月16日に終わる予定だったが、2004年1月に Windows Me とともに2006年6月30日まで延長された。最終的に、Windows 98・98 SE・Me の有償サポートと緊急セキュリティ更新は2006年7月11日に終了した(GIGAZINE が引いた Microsoft の告知による)。
Windows の系譜全体は Microsoft の年表と OS の年表、企業については Microsoft を参照。
よくある質問
- Windows 98 はいつ発売されましたか。
- Microsoft は1998年6月25日に提供開始を発表し、40か国以上で即日発売しました。日本語版は1998年7月25日(土)の発売で、英語版から1か月後でした。
- Windows 98 の発売時の価格はいくらでしたか。
- 米国では Windows 95・3.1 からのアップグレード版の推定小売価格が109ドルでした。日本ではオープンプライスで、推定小売価格は通常版24,800円、アップグレード版13,800円でした。
- Windows 98 Second Edition は何が違いましたか。
- 1999年6月10日に出た Second Edition は、Internet Explorer 5、複数の PC で1本のインターネット接続を共有する Internet Connection Sharing、NetMeeting 3 などを加え、USB や IEEE 1394 への対応を広げました。Windows 98 の利用者には更新 CD-ROM が19.95ドル(送料別)で用意されました。
- Windows 98 のサポートはいつ終わりましたか。
- Windows 98・98 SE・Me の有償サポートと緊急セキュリティ更新は2006年7月11日で終わりました。当初は2004年1月16日に終える予定でしたが、2004年1月に2006年6月30日までの延長が発表されていました。
出典
40か国以上での即日発売、北米1万2,000店、Gates の発言、USB・DVD・放送受信、IE の技術による統合、アップグレード版109ドル
IE 5、Internet Connection Sharing、NetMeeting 3、更新 CD-ROM の19.95ドル
二次資料Windows 98 crashes during Gates' Comdex demo — CNN, April 20, 1998 (Internet Archive capture)
COMDEX/Spring 1998 の基調講演での停止と Gates の言葉
二次資料Windows 98日本語版正式発表、7月25日発売 — PC Watch、1998年6月17日
日本語版の発売日、推定小売価格、PC/AT 互換機用と PC-9800 シリーズ用の同梱、30日以内の公約
二次資料Windows 98発売レポート第1報 ── 意外なほどの盛り上がりを見せた秋葉原 — PC Watch、1998年7月25日
秋葉原の深夜販売と Windows 95 発売時との比較
二次資料マイクロソフト、Windows 98/Meのサポートを2006年6月30日まで延長 — INTERNET Watch、2004年1月14日
当初の終了予定日(98/98SE は2004年1月16日)と2006年6月30日までの延長
二次資料Windows98、Windows98SE、WindowsMeのサポートは2006年7月11日に終了 — GIGAZINE、2006年6月10日
有償サポートと緊急セキュリティ更新の終了日(Microsoft の告知を引用)
RTM(1998年5月15日)、開発コード名 Memphis、後継の Windows Me
最終更新: