T1#app-store#distribution#platform#regulation

App Store 開設

出典Apple Inc. (Wikimedia Commons) · Public Domain (PD-textlogo; trademark of Apple Inc.) · Commons で見る

メタデータ

日付
年代
2000s
Tier
T1
出典数
13
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03
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#app-store#distribution#platform#regulation

2008年7月10日、Apple は App Store を開けた。同日の Apple のプレスリリースは、開店時の品揃えをこう書いている ── 「more than 500 native applications will be available on the iPhone's App Store when Apple's iPhone 3G goes on sale tomorrow」。うち125本以上が無償だった。

日付の関係を整理しておく。7月10日に App Store が開き(iTunes 7.7 経由)、7月11日に iPhone OS 2.0(iPhone 2.0 ソフトウェア)が配信され、同じ11日に iPhone 3G が発売された。App Store は 3G の発売と同時ではなく、その前日に開いている。

これは、二つの意味で歴史的な日だった。

翻意

一つは、Apple 自身の方針が撤回された日だったということだ。ただし撤回された方針が示されたのは初代 iPhone の発表(2007年1月9日)ではなく、その半年後、2007年6月11日の WWDC である。Jobs はこう述べた ── 「We have been trying to come up with a solution to expand the capabilities of iPhone by letting developers write great apps for it, and yet, keep the iPhone reliable and secure. And we've come up with a very sweet solution」。その「sweet solution」の中身が、Safari 上で動く Web アプリだった。同日のプレスリリースでも Jobs は「Our innovative approach, using Web 2.0-based standards, lets developers create amazing new applications while keeping the iPhone secure and reliable」と述べている。ネイティブ SDK は出さない、というのが当初の建前だった。

しかしそこからの9か月で、現実は別の方向に動く。Web アプリでは扱えない機能(カメラ、GPS、加速度センサ)への要望、脱獄コミュニティの拡大、開発者からの明確な反発。2008年3月6日、Apple は iPhone SDK と App Store を発表し、方針を反転させた。

撤回の仕方は徹底していた。Apple は単に「サードパーティのネイティブアプリを許可する」のではなく、自社が運営する単一の流通網に開発者を集約するという決断をした。購入・更新・課金・収益分配が一つのインフラに統合され、PC のソフトウェア流通が抱えていた断片化と海賊版の問題が、構造的に回避された。同時に、何が配信されてよいかを決める権限も一箇所に集まった。

7:3

もう一つは、収益分配比率の意味である。3月6日の発表で Apple はこう書いている ── 「Developers set the price for their applications—including free—and retain 70 percent of all sales revenues」。開発者が70%、Apple が30%。参加費は年99ドル(法人向けの Enterprise Program は年299ドル)。

この比率は当時、決して「ぼったくり」ではなかった。物理パッケージ販売や、キャリアの公式メニュー経由の配信と比べれば、開発者に戻る割合はむしろ大きい。Apple は流通・課金・配信・更新を一手に引き受けた。

その30%が「Apple 税」と呼ばれるようになるのは、モバイルが経済の中心になった後のことである。

  • 2020年8月、Epic Games が提訴。2021年の地裁判決は独占禁止法上の違法性をほぼ認めなかったが、アプリ外の決済手段へ誘導することを禁じる規約(anti-steering)については差止を命じた。2024年1月、連邦最高裁が双方の上告を退けて確定。2025年4月30日、同地裁は Apple がその差止命令に故意に違反したと認定し、外部決済への誘導に一切の手数料を課すことを禁じた
  • 2020年11月、Apple は年間収益100万ドル以下の開発者の手数料を15%に下げる App Store Small Business Program を発表(2021年1月1日開始)
  • 欧州のデジタル市場法(DMA) は2022年11月1日発効、2023年5月2日適用開始、指定事業者の義務履行期限は2024年3月。Apple は iOS 17.4(2024年3月6日)で、EU 域内に限りサードパーティのアプリマーケットプレイスを認めた

開設時点で、この比率に異議を唱える声はほとんど聞かれなかった。

モバイル経済の発明

App Store は「携帯電話向けのソフトウェア流通網」として最初のものではない。日本では NTT ドコモの i モード(1999年)が公式サイトの課金・分配の仕組みを作り、数千万人規模で回っていた。Symbian や Palm、Windows Mobile 向けには Handango などの独立系配信サイトがあった。App Store が新しかったのは存在ではなく、摩擦の無さと、母集団の広さである。

端末上の1つのアイコンから、無線経由で、数タップで、数秒後に機能が増える。ダウンロードという行為が初めて大衆的な操作になった瞬間だった。

Apple 自身の発表を並べると、その速度が分かる。

時点Apple の発表
2008年7月14日開設後の最初の週末(3日間)で 1000万ダウンロード、アプリ800本超
2009年4月24日9か月で 10億ダウンロード、77か国・3万5000本超
2009年11月4日アプリ 10万本
2011年1月22日2年半で 100億ダウンロード、90か国・35万本超

Philip Schiller は最初の週末についてこう述べている ── 「The App Store is a grand slam, with a staggering 10 million applications downloaded in just three days」。いずれも Apple の自己申告値だが、桁の推移そのものが当時の異常な加速を示している。

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よくある質問

App Store はいつ開いたのか
2008年7月10日です。翌11日に iPhone OS 2.0 の配信と iPhone 3G の発売が続きました。
開店時に何本のアプリがあったのか
Apple 自身の発表で500本超、うち125本以上が無償でした。
収益の分配はどうなっていたのか
開発者70%、Apple 30% です。この配分は2008年3月6日の iPhone SDK 発表で示されました。

出典

  1. 一次資料About the Digital Markets Act — European Commission

    取得日: 2026-08-03

  2. 三次資料Epic Games v. Apple — Wikipedia

    取得日: 2026-08-03

  3. 三次資料App Store (Apple) — Wikipedia

    取得日: 2026-08-03

最終更新:

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