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Windows 1.0 発売

Windows 1.0 の製品箱の表面(ボロ博物館所蔵の実物)
出典Rama & Musée Bolo · CC BY-SA 2.0 FR · Commons で見る ↗

メタデータ

日付
年代
1980s
Tier
T1
出典数
08
関連項目
02
Tags
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Windows 1.0 は、Microsoft が1985年11月20日に米国で出荷した最初の Windows である。ただし今日の意味での OS ではなく、MS-DOS の上で動くグラフィカルな操作環境だった。コマンドを打ち込む代わりにマウスで指し示してクリックし、複数のプログラムを切り替えて使う。その発想を IBM PC 互換機に持ち込もうとした最初の製品であり、商業的にはふるわなかったが、後の Windows 3.0 と Windows 95 へ続く系譜はここから始まる。

2年遅れた出荷

Windows は1983年に、既存の PC メーカーの多くの支持を取り付けて華々しく発表された。しかし約束した時期に出荷できず、Microsoft 自身が後年の社史で認めているとおり、懐疑派からは「ベーパーウェア」と呼ばれた。開発中のコード名は Interface Manager で、これが製品名になりかけたが、画面上の箱を表す「Windows」が残った。

出荷を担当したプロダクトマネージャ Tandy Trower の回想によれば、彼が Steve Ballmer に誘われて Windows チームに移ったのは1985年1月。それまでに4人のプロダクトマネージャが出荷に挑んで果たせず、この役職は「キャリアの死」と噂されていたという。

時期出来事
1983年Windows を発表
1985年1月Trower が Windows チームへ。前任の Scott McGregor が去る
1985年11月テストを終え、COMDEX で発表。出荷は11月20日
1987年12月9日Windows 2.0。重なり合うウィンドウを導入

Microsoft は COMDEX での発表の場で、コラムニスト John C. Dvorak を司会に自社を笑いものにする「ロースト」を催した。どれほどの労力が要るかを完全に見誤っていた、という自嘲を込めた演出だったと Trower は書いている。この 1.01 の後、各国語への対応とバグ修正を加えた 1.03 が出た。

MS-DOS の上で動く環境

Windows 1.0 を使うには、先に MS-DOS が入っている必要があった。Microsoft が示した動作要件は次のとおりである。

項目要件
メモリ最低256KB(複数のプログラムを動かす場合や DOS 3.0 以降では 512KB を推奨)
ドライブ両面フロッピードライブ2台(ハードディスクを推奨)
画面グラフィックスアダプタ(CGA、Hercules、EGA に対応)

Trower によれば、最低要件を標準的な IBM PC(RAM 256KB、5.25インチフロッピー2台)の水準に置いたのは Ballmer の判断だった。

Bill Gates は Windows 1.0 を "It is unique software designed for the serious PC user…" と紹介した。画面にはドロップダウンメニュー、スクロールバー、アイコン、ダイアログボックスがあり、プログラムを終了せずに別のプログラムへ切り替えられた。

Mac にならった付属アプリ

Windows 1.0 には、ファイル管理を担う MS-DOS Executive に加えて、ペイント、Write、メモ帳、電卓、カレンダー、カードファイル、時計、端末ソフト、そしてゲームのリバーシが付いていた。Trower は、Macintosh が小さなアプリケーション群を同梱していたことを踏まえ、Windows にも同様の小物を付けるよう提案したと回想している。ペイントはモノクロでしか描けなかった。

重ならないウィンドウ

Windows 1.0 のウィンドウは、画面をタイル状に分割して並べる方式で、互いに重ねることができなかった。これは技術的な限界ではなく設計判断である。Trower によれば、もともと Windows は重なり合うウィンドウで設計されていたが、前任の McGregor がタイル型に変更した。当時存在した、あるいは開発中だったウィンドウシステムはどれも重ね合わせを採用していたが、出荷前に元へ戻す時間はなかった。Trower は Windows 2.0 で重なり合うウィンドウに戻している。

なぜ McGregor がタイル型を選んだのかについては、Apple の Macintosh と似すぎないためだったという見方もあるが、Trower 自身は前任者の好みだった可能性を挙げており、はっきりしない。

評価と販売

評価は厳しかった。TIME の回顧記事によれば、初期のレビューは動作の遅さを批判し、複数のアプリケーションを同時に動かすとさらに遅くなると指摘した。New York Times は、メモリ 512KB の PC で Windows を動かすことを、北極で糖蜜を注ぐようなものにたとえたという。マウスという見慣れない装置への抵抗も大きかった。

期間販売数出典(TIME の集計による)
1985年11月〜1987年4月(Windows 1.0)50万本Computerworld
1988年(Windows 2.0 出荷後)100万本InfoWorld
1985年〜1990年1月(全バージョン合計)200万本未満InfoWorld

5年間の全バージョンを合わせても200万本に届かなかった。状況が変わるのは、Windows 3.0 が1年目に400万本を売った1990年である。

長い寿命

商業的には失敗に近かった Windows 1.0 だが、Microsoft がサポートを正式に終えたのは2001年12月で、出荷から16年以上が経っていた。Macintosh の発売から1年10か月遅れ、重ならないウィンドウで出発した製品が、十年後には PC の標準的な画面の形を決めることになる。その間に何が変わったのかは、3.0 と 95 の記事で扱っている。

よくある質問

Windows 1.0 はいつ発売されたのか
米国で1985年11月20日に出荷されました。発表は1983年11月で、約束した時期から2年近く遅れたことになります。店頭に並んだ製品の版は 1.01、価格は99ドルでした。
Windows 1.0 は OS だったのか
単独の OS ではありません。MS-DOS の上で動くグラフィカルな操作環境で、利用するには先に MS-DOS が入っている必要がありました。Windows 用のアプリケーションに加えて、既存の MS-DOS のプログラムも起動できました。
Windows 1.0 のウィンドウはなぜ重ならないのか
1.0 のウィンドウはタイル状に並べる方式でした。出荷を担当した Tandy Trower によれば、前任のプロダクトマネージャ Scott McGregor が当初の重ね合わせの設計をタイル型に変えており、出荷までに戻す時間がなかったといいます。重なるウィンドウは1987年12月の Windows 2.0 で導入されました。
Windows 1.0 は売れたのか
大きくは売れていません。Computerworld によれば、1985年11月の発売から1987年4月までの販売は50万本でした。動作が遅いという評価が多く、Windows が商業的に成功するのは1990年の Windows 3.0 からです。

出典

  1. 一次資料Trower, T. The Secret Origin of Windows — Technologizer, March 8, 2010 (by the product manager who shipped Windows 1.0)

    1985年1月の着任、前任者によるタイル型への変更、Ballmer が定めた最低動作要件、Mac にならった付属アプリ、COMDEX での発表

    取得日: 2026-10-05

  2. 三次資料Windows 1.0 — Wikipedia

    取得日: 2026-10-05

  3. 三次資料Macintosh 128K — Wikipedia

    取得日: 2026-10-05

最終更新:

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