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Macintosh 発表 ── GUI の大衆化

1984年1月、Macintosh とともに写る Steve Jobs(Bernard Gotfryd 撮影)
出典Bernard Gotfryd (Library of Congress, Prints & Photographs Division; edit by Commons user W.carter) · Public domain · Commons で見る ↗

メタデータ

日付
年代
1980s
Tier
T1
出典数
06
関連項目
02
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初代 Macintosh(のちに Macintosh 128K と呼ばれる機種)は、1984年1月24日、Apple の年次株主総会の壇上で Steve Jobs が発表し、同じ日に米国で発売された。価格は2495ドル。マウスで画面上のアイコンやメニューを操作するパソコンは Macintosh が最初ではないが、その操作体系を個人が買える価格まで下ろし、「普通の人のためのコンピュータ」として売り出したのはこの機械である。

発表の場は株主総会だった

Macintosh の発表は、展示会でも記者会見でもなく、Apple の年次株主総会の議事の一部として行われた。Internet Archive に残る当日の録画は、社長兼 CEO の John Sculley の挨拶と、会社の現況報告から始まる。

Sculley は報告の中で、前の日曜日に4300万人のアメリカ人が Apple の新しいテレビ CM を見たと述べた。「1984年は Orwell の『1984年』のようにはならない」と結ぶ、あの CM である。IBM が業界全体を支配するのかと会場に問いかける語りに続いて CM が再生され、壇上に立った Jobs は業界の画期的製品として1977年の Apple II と1981年の IBM PC を挙げ、Macintosh を3つ目だと位置づけた。そのうえで価格を2495ドルと発表し、米国の1,500を超える販売店で今日から見られると告げた。

Jobs が壇上で挙げた仕様

項目内容
CPUMotorola 68000(Lisa と同じプロセッサ。クロックは約8 MHz)
メモリROM 64KB + RAM 128KB(計192KB と説明)
ROM の中身OS、グラフィックス基盤、ユーザインタフェース全体
記憶装置3.5インチフロッピー(片面に400KB 超)
画面9インチ、白黒のビットマップ表示(512×342ドット)
入出力シリアルポート2基、4声のサウンドと音声合成を内蔵
大きさIBM PC の3分の1の大きさと重さ(Jobs の説明)

Jobs はこの画面を、現行世代のどのパソコンと比べても2倍以上のドット数だと説明した。同時に、ImageWriter プリンタ、外付けディスクドライブ、モデム、テンキー、キャリングケースといった周辺機器のファミリーも発表している。

そして、バッグから取り出された Macintosh が会場の大画面に映像を映し出し、合成音声で自己紹介をしてみせた。自分は IBM のメインフレームと違って持ち上げられる、という冗談を交えたこの場面は、今も Macintosh 発表の象徴として繰り返し引用される。

狙った市場

Jobs は Macintosh の主な対象を2つに絞って説明した。1つは机に向かって働く2500万人の「ナレッジワーカー」、特に中小企業の人々。もう1つは米国だけで1100万人を超える大学生で、彼らを明日のナレッジワーカーと呼んだ。電話に次ぐ2つ目の「卓上の家電」になれる、というのが彼の言い方である。録画の冒頭と途中に繰り返し流れる広告のコピーは "The computer for the rest of us"(残りの私たちのためのコンピュータ)だった。

2日前の「1984」

発表の2日前、1984年1月22日の Super Bowl XVIII の中継で、Apple は CM「1984」を流した。制作は広告代理店 Chiat/Day、監督は前々年に『ブレードランナー』を撮った Ridley Scott。灰色の群衆が巨大スクリーンの「ビッグ・ブラザー」の演説を聴くなかへ、色のある服の女性が走り込み、ハンマーを投げてスクリーンを砕く。最後に「1月24日、Apple Computer は Macintosh を発表する」という告知が流れる。

株主総会で Sculley が CM を Orwell と結びつけ、IBM の支配を問う語りとともに CM を流したのは、Macintosh を「IBM への対抗軸」として打ち出す演出だった。

Lisa と同じ日に

あまり語られないが、この株主総会では Lisa の新ラインアップも同時に発表されている。Lisa は1年前の1983年1月19日に9995ドルで発表された、Apple 初の GUI 機だった。

機種構成価格
Macintosh3.5インチフロッピー2,495ドル
Lisa 2RAM 512KB、3.5インチフロッピー3,495ドル
Lisa 2/55MB の外付けハードディスク4,495ドル
Lisa 2/1010MB の内蔵ハードディスク5,495ドル

Jobs は新しい Lisa がすべて Macintosh のソフトウェアと互換だと説明し、4機種を「32ビット」の製品ファミリーとして並べた。しかし Computer History Museum は、Macintosh を「Lisa の失敗に続く、Apple の2度目の GUI パソコンへの挑戦」と位置づけている。最終的に生き残ったのは Macintosh の方だった。Lisa に至るまでの源流、つまり Xerox PARC の Alto と Apple の関係については Xerox Alto の記事 が詳しい。

128KB という制約

発表は成功したが、初代機の 128KB の RAM はすぐに足かせになった。メモリの小ささに加え、GUI 向けにアプリケーションを作り直すのは手間のかかる作業で、多くのソフトウェア会社が対応を見送ったとされる。Apple は1984年9月に RAM を 512KB に増やした Macintosh 512K を出している。

一方で、Computer History Museum によれば、グラフィックデザイナー、アーティスト、教育者はいち早く Macintosh を受け入れた。ビットマップ画面とマウスが最初に効いたのは、文字ではなく絵を扱う人々の仕事だった。

Windows への影響

この日の発表で Jobs は、Lisa が業界の技術的な方向を決め、すでに模倣が出ていると述べ、VisiCorp の VisiOn、MS Windows、噂される IBM のウィンドウシステムを名指しした。そのうちの MS Windows が実際に出荷されたのは1985年11月で、重ね合わせのできないタイル型のウィンドウだった(Windows 1.0)。Macintosh の発売からおよそ1年10か月後のことである。

よくある質問

初代 Macintosh はいつ発売されたのか
1984年1月24日です。Apple の年次株主総会で Steve Jobs が発表し、同じ日から米国の1,500を超える販売店で見られると述べました。これは米国での発売で、後年「Macintosh 128K」と呼ばれる機種です。
初代 Macintosh の価格と性能は
価格は2495ドル。Motorola 68000(約8 MHz)、RAM 128KB、ROM 64KB、9インチのモノクロ画面(512×342ドット)、1枚400KB の3.5インチフロッピードライブを備えていました。
Macintosh は最初の GUI パソコンなのか
いいえ。GUI は1970年代の Xerox PARC の Alto で研究され、商用機としても Xerox Star(1981年)や Apple 自身の Lisa(1983年)が先行しています。Macintosh はそれを2495ドルの価格帯に下ろした機種です。
「1984」の CM はいつ放映されたのか
1984年1月22日の Super Bowl XVIII の中継中で、発表の2日前です。監督は Ridley Scott、制作は広告代理店 Chiat/Day でした。

出典

  1. 二次資料Apple Macintosh — CHM Revolution, Computer History Museum

    取得日: 2026-10-05

  2. 三次資料Apple Lisa — Wikipedia

    取得日: 2026-10-05

  3. 三次資料1984 (advertisement) — Wikipedia

    取得日: 2026-10-05

  4. 三次資料Macintosh 128K — Wikipedia

    取得日: 2026-10-05

最終更新:

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