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Pokémon GO とは ── スマホの位置情報が人を街へ連れ出した

ドイツ・ハノーファーの街角で、スマートフォンを手に同じ方向へ歩く Pokémon GO のプレイヤーたち(2025年8月)
出典Bernd Schwabe in Hannover · CC BY-SA 4.0 · Commons で見る ↗

メタデータ

日付
年代
2010s
Tier
T1
出典数
15
関連項目
01
Tags
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Pokémon GO(ポケモンGO)は、スマートフォンの GPS と地図を使い、現実の場所に現れるポケモンを探して歩く位置情報ゲームである。いつから遊べるのかという問いへの答えは、日本では2016年7月22日。最初の配信は2016年7月6日で、米国などが日本より2週間あまり早かった。開発したのは、Google 社内のスタートアップから生まれた Niantic と株式会社ポケモンである。

地域配信開始出典
米国など2016年7月6日The Pokémon Company International の報道資料
日本2016年7月22日(iOS・Android)ライフハッカー・ジャパン、GameBusiness.jp

このページは、ゲームの遊び方ではなく、スマートフォンの位置情報が人の動きを変えた出来事として Pokémon GO を扱う。

Google の中で生まれた位置情報の会社

TechCrunch の2015年8月12日の記事によれば、Niantic Labs は2010年に John Hanke が Google 社内に作ったスタートアップで、位置情報ゲームの Ingress を作り、この日 Niantic, Inc. として独立すると発表した。英語版 Wikipedia によれば、Ingress は2012年11月15日に Android 向けのクローズドベータとして始まっている。

英語版 Wikipedia によれば、Ingress は彫像や記念碑、壁画、歴史的建造物といった現実の場所を「ポータル」とし、遊ぶ人がそれを自分の陣営のものにしていくゲームで、ポータルの候補は遊ぶ人自身が申請できた。そして Ingress のデータは、Pokémon GO の PokéStop とジムの配置に使われた。Pokémon GO の地図は、前作の利用者が集めた場所の一覧を引き継いで始まったことになる。

株式会社ポケモンは2015年10月15日、Pokémon GO を共同で手がける Niantic に出資すると発表した。

2016年夏、5億ダウンロード

2016年9月7日の The Pokémon Company International の発表によれば、Pokémon GO は7月の公開以来、世界で5億を超えてダウンロードされ、公開第1週のダウンロード数で App Store の記録を持ち、100を超える国で遊ばれていた。同じ発表は、Niantic の前作 Ingress のダウンロードを1,500万超としている。前作の30倍を超えるダウンロードが、公開から2か月で積み上がった計算になる。

指標数値時点・出典
ダウンロード5億超2016年9月7日、The Pokémon Company International
遊んだ人(年間)1億人超2024年、Scopely
Niantic のゲーム事業の月間アクティブ3,000万超2025年3月、Scopely
遊んだ人(累計)8億人超2026年7月10日、Scopely
課金額の累計(推計)60億ドル超2022年6月、Sensor Tower

最後の行は調査会社 Sensor Tower による App Store と Google Play の推計で、Niantic の公式の数字ではない。Sensor Tower によれば、累計の36.6%が米国、32.6%が日本からだった。指標がそれぞれ違うので、表の数字を互いに比べることはできない。

街の安全という問題

画面を見ながら外を歩くゲームが短期間に大勢へ広がったことで、ゲーム会社の外側にいる行政や研究者が反応した。

日本では配信の直前に政府が動いた。ScanNetSecurity によれば、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)は2016年7月21日、ポケモンGO を遊ぶ人に向けて9つの注意点を公開し、前日の20日には Facebook と Twitter でも同様の注意を呼びかけていた。項目には、個人情報を守ること、偽アプリやチートツールへの注意、熱中症への警戒、予備の電池と連絡手段、危険な場所に入らないこと、会おうという人への警戒、歩きスマホをしないことなどが並んでいた。

米国では、交通事故との関係を調べた研究が出た。インディアナ州の公共放送 Indiana Public Media によれば、パデュー大学の Mara Faccio と John McConnell はティピカヌー郡の警察の事故データを分析し、Pokémon GO の公開の前後で、PokéStop の近くに集中して事故が急増したことを見いだした。公開後5か月間で PokéStop 付近の人身事故は25%増え、2人の死亡が関係している可能性があるという。ただし研究はゲームと事故の時期と場所の重なりを示したもので、ゲームが事故を起こしたと断定してはいない。

位置情報から「大規模地理空間モデル」へ

Pokémon GO が10年かけて集めたのは、遊ぶ人の数だけではなかった。

Niantic は2024年11月12日、「大規模地理空間モデル(Large Geospatial Model)」を作る計画を発表した。土台は、スマートフォンの写真1枚からその位置と向きを割り出す同社の視覚測位システム(VPS)で、その3D 地図は、同社のゲームと Scaniverse というアプリの利用者が興味深い場所をスキャンして作ったものだった。発表によれば、スキャン済みの場所は世界で1,000万か所、毎週およそ100万件の新しいスキャンが届き、場所ごとに学習したニューラルネットワークは5,000万を超えていた。Niantic は、スキャンは完全に任意で、ゲームをしながら歩き回るだけでは AI の学習に使われないと説明している。

この発表は、遊びのために集めた現実世界のデータが何に使われうるかという議論を呼んだ。404 Media によれば、Niantic の技術担当上級副社長 Brian McClendon は2024年11月14日の講演の質疑で、各国政府や軍がこのモデルを買う可能性は十分にありうると述べつつ、戦争の規模を広げる用途なら問題だと答えた。会社としては、まだ初期段階だとした。

ゲームと地図の分離

2025年3月12日、モバイルゲーム会社の Scopely は、Pokémon GO を含む Niantic のゲーム事業を35億ドルで買収すると発表し、取引は2025年5月29日に完了した。Niantic の技術基盤は別会社の Niantic Spatial として切り出され、Hanke が率いることになった。同社は Ingress Prime と Peridot の2本のゲームを引き続き運営する。

Niantic Spatial は発足の日、2億5,000万ドルの資金で始めると発表し、自らのモデルを世界の数百万か所で撮影された300億枚超の位置付き画像の上に築くと書いた。ゲームは Scopely へ、ゲームの利用者が歩いて集めた地図の技術は Niantic Spatial へと、二つが別の会社に分かれたことになる。

Scopely は2026年7月10日、10周年を迎えた Pokémon GO について、遊んだ人は8億人超、2025年の売上は10億ドル超、遊ぶ人が探索した距離は1,000億キロ超だと発表している。

系譜

Pokémon GO が前提にしたのは、GPS とカメラと常時接続の回線を誰もが持ち歩く環境である。その出発点は 初代 iPhone と Android、アプリを配る仕組みは App Store にある。ポケモンという題材そのものは、通信ケーブルで交換する遊びとして ゲームボーイ の上で育った。全体の流れは 携帯電話・スマートフォンの年表 を参照。

よくある質問

ポケモンGO はいつから配信されたのですか。
日本では2016年7月22日に配信が始まりました。最初の配信は2016年7月6日で、米国などが先でした。
ポケモンGO を作ったのはどこですか。
Niantic と株式会社ポケモンの共同開発です。Niantic は2010年に Google 社内のスタートアップとして生まれ、位置情報ゲーム Ingress を作ったあと、2015年に独立しました。株式会社ポケモンは2015年10月に Niantic への出資を発表しています。
ポケモンGO は何人が遊んだのですか。
2016年9月7日の発表では、7月の公開以来の世界のダウンロードが5億を超えました。Scopely によれば、2024年に遊んだ人は1億人超、2026年7月の10周年までに遊んだ人は8億人超です。
Niantic はポケモンGO のデータを AI に使っているのですか。
Niantic は2024年11月、ゲームや Scaniverse の利用者が撮影した場所のスキャンをもとに「大規模地理空間モデル」を作ると発表しました。スキャンは任意で、ゲームをしながら歩くだけでは AI の学習に使われないと説明しています。この技術部門は2025年5月に Niantic Spatial として独立し、ゲームは Scopely に移りました。

出典

  1. 一次資料Day One for Niantic Spatial — Niantic Spatial, May 29, 2025

    取得日: 2026-10-24

  2. 三次資料Ingress (video game) — Wikipedia

    2012年11月15日の Android 向けクローズドベータ、Ingress のデータが PokéStop とジムの配置に使われたこと

    取得日: 2026-10-24

最終更新:

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