T1#consumer
iPhone 7 ── 3.5mm ヘッドフォンジャック廃止

メタデータ
- 日付
- 年代
- 2010s
- Tier
- T1
- 参照年表
- iPhone の歴史 · 携帯電話・スマートフォンの歴史
- 出典数
- 11
- 関連項目
- 02
- Tags
- #consumer
iPhone 7 と iPhone 7 Plus の発表は2016年9月7日、予約受付は9月9日(金)、発売は2機種とも9月16日(金)である。Apple のプレスリリースは初日の発売地域として25以上の国と地域を挙げ、そこには日本も中国も含まれていた。中国での発売が4週間遅れた iPhone 6 とは対照的である。9月23日に第二陣が、10月7日にインドが続いた。
米国価格は iPhone 7 が649ドルから、7 Plus が769ドルからで、容量はどちらも 32GB・128GB・256GB の3種類だった。
| iPhone 7 | iPhone 7 Plus | |
|---|---|---|
| 米国価格 | 649 / 749 / 849ドル | 769 / 869 / 969ドル |
| 容量 | 32 / 128 / 256GB | 32 / 128 / 256GB |
| 背面カメラ | 1眼 | 広角+望遠。光学2倍、デジタル最大10倍 |
| ヘッドフォンジャック | なし | なし |
| 防水・防塵 | IP67 | IP67 |
新色のジェットブラックは 128GB と 256GB にだけ用意された。
取り除いたものと、箱に入れたもの
iPhone 7 には 3.5mm のヘッドフォンジャックが無い。Apple のプレスリリースは、これを「廃止」としては書いていない。書いてあるのは箱の中身で、Lightning コネクタの EarPods と、古いヘッドフォンやアクセサリを使えるようにする Lightning - 3.5mm ヘッドフォンジャックアダプタ が同梱される、という説明である。アダプタは単体でも米国9ドルで売られた。
この機種から、Lightning 端子は電源と有線オーディオの両方を担うことになった。
「Courage(勇気)」
発表会で Phil Schiller はこの決断を説明し、The Ringer の書き起こしによれば、要は一つの言葉 ── 勇気(courage)── に尽きる、前に進み、新しいことをして皆をより良くする勇気だ、と語った。
この一言はすぐに揶揄の的になった。The Ringer は同じ日の記事で、実務的な設計判断を美徳の言葉で包んだものだと読んでいる。
トランジスタラジオ時代の端子
Apple が取り除いた端子は、携帯電話よりずっと古い。3.5mm の「ミニ」プラグは、1950年代にトランジスタラジオのイヤホン用の2極コネクタとして設計された。3極のステレオ版が一気に広まったのは1979年の Walkman からで、それまでのトランジスタラジオと違い、Walkman は自分のスピーカーを持たなかった。3.5mm が縮小のもとにした 6.35mm プラグは、1877〜78年の電話交換台にまで遡る。
ジャックを捨てた最初の電話ではない
3.5mm ジャックを廃した携帯電話は iPhone 7 が最初ではない。2016年6月9日に発表された Motorola の Moto Z がすでにジャックを持たず、ヘッドフォンを USB-C 端子でつなぎ、変換アダプタを同梱していた。Android Police は当時、Moto Z をジャックを省いた電話として群を抜いて主流の機種だと評している。iPhone 7 が加えたのは、同じ決断に Apple の重みを載せたことだった。
AirPods ── 9月に披露、12月に発売
ワイヤレスの答えも同じ発表会で示された。AirPods は10月下旬の発売とされていたが、Apple は10月26日に延期を発表し、9to5Mac によれば、顧客に届けられる状態になるまでもう少し時間が必要だと説明した。Apple が AirPods の注文受付開始を発表したのは2016年12月13日で、価格は米国159ドル、配送と店頭入荷は翌週からとされた。
つまりジャックを取り去った電話は、発売から約3か月のあいだ、Apple 純正のワイヤレスイヤホンを伴わずに売られていた。
日本では FeliCa と Suica
日本では iPhone 7 は別の理由で節目になった。Apple は同じ日、日本で販売される iPhone 7・iPhone 7 Plus・Apple Watch Series 2 が FeliCa に対応すると発表した。Apple はこの方式を、日本全国で毎日1億6000万件以上の取引に使われていると説明している。これにより iPhone で初めて、JR 東日本の Suica を入れ、iD と QUICPay で支払えるようになった。
日本で Apple Pay が始まったのは2016年10月25日である。NFC World によれば初日は混乱し、JR 東日本は定期券の登録やチャージの不具合を、アクセスの集中によるものと説明した。米国で Apple Pay を始めた iPhone 6 を含む、それ以前の iPhone では、これらのサービスは使えなかった。
その他の変化
- ソリッドステート式のホームボタン: 物理的に沈み込む部品ではなくなり、Taptic Engine が押した感触を返す。Apple はこの感触を設定で調整できるとした
- ステレオスピーカー: Apple によれば iPhone 6s の2倍の音量
- A10 Fusion: Apple はスマートフォン史上最もパワフルなチップと呼び、CPU コアは iPhone 6 の最大2倍の速さとした。いずれも Apple の主張である
- IP67 の防水・防塵性能(IEC 規格60529)
iPhone 7 の位置
iPhone 7 がオーディオまで担わせた Lightning 端子は、iPhone 15 が USB-C に移るまで使われ続けた。ホームボタンそのものは、翌年の iPhone X で姿を消す。
シリーズ全体は iPhone の年表、企業については Apple を参照。
よくある質問
- iPhone 7 はいつ発売されましたか。
- 発表は2016年9月7日、予約受付は9月9日、発売は9月16日です。iPhone 7 と iPhone 7 Plus は同じ日に発売され、日本と中国を含む25以上の国と地域が初日の対象でした。9月23日に第二陣の国と地域、10月7日にインドが続いています。
- iPhone 7 の発売時の価格はいくらでしたか。
- 米国では iPhone 7 が 32GB 649ドル・128GB 749ドル・256GB 849ドル、iPhone 7 Plus が 769ドル・869ドル・969ドルでした。ジェットブラックは 128GB と 256GB だけの設定です。
- iPhone 7 にイヤホンジャックはありますか。
- ありません。iPhone 7 と 7 Plus で 3.5mm ヘッドフォンジャックが廃止されました。箱には Lightning 端子の EarPods と、従来のイヤホンをつなぐための Lightning - 3.5mm ヘッドフォンジャックアダプタが同梱され、アダプタは単体でも米国9ドルで売られました。
- iPhone 7 で Suica は使えますか。
- 日本で販売された iPhone 7 と 7 Plus なら使えます。日本向けモデルは FeliCa に対応し、2016年10月25日に日本で始まった Apple Pay で Suica・iD・QUICPay が使えるようになりました。FeliCa を載せた iPhone はこれが最初です。
出典
二次資料Why Did Apple Remove the Headphone Jack? Courage. — The Ringer, Sep 7, 2016
Schiller の発言の書き起こし
最終更新: