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Waymo の完全無人タクシー ── 運転席に誰もいない配車の始まり

アリゾナ州チャンドラーで展示された Waymo の自動運転ミニバン(Chrysler Pacifica)。屋根の上にライダーを収めたドーム、車体の各所にセンサーが付いている
出典Ee2mba (Wikimedia Commons) · CC BY-SA 4.0 · Commons で見る ↗

メタデータ

日付
年代
2020s
Tier
T1
出典数
10
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03
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Waymo(ウェイモ)は、Google の自動運転車プロジェクトから生まれた Alphabet 傘下の自動運転企業である。2020年10月8日、同社はアリゾナ州フェニックス都市圏の配車サービス Waymo One で、運転席に人が乗らない完全無人の乗車を一般の利用者に開放した。それまで完全無人の乗車は、秘密保持契約(NDA)を結んだ限られた初期利用者だけのもので、2020年の乗車の5〜10%にすぎなかった。この日から、一般の人がアプリで呼んだ車に、運転する人間が誰も乗っていないという状態が日常のサービスになった。

その後 Waymo はサンフランシスコ、ロサンゼルスなどへ広がり、2026年3月には米国10都市で週50万回の有料乗車に達した。日本では東京で試験走行を続け、2026年9月には GO・日本交通と組んで2027年中の完全無人タクシー運行を目指すと発表している。

源流 ── 2009年の Google と DARPA のレース

Waymo の沿革によると、Google の自動運転車プロジェクトは2009年に始まり、Toyota Prius で100マイルの経路10本を途切れずに自動走行するという目標を掲げた。2010年10月9日、プロジェクトを率いた Sebastian Thrun は Google の公式ブログで、Larry Page と Sergey Brin が大きな問題を技術で解くために Google を創業したという話から始め、車がすでに14万マイル超を走ったと公表した。

このとき Thrun は、技術者を米政府主催の自動運転レース「DARPA チャレンジ」から集めたと書いている。2007年の Urban Challenge で優勝した Carnegie Mellon 大学チームの技術リーダー Chris Urmson と、2005年の Grand Challenge で優勝した Stanford 大学チームのソフトウェア責任者 Mike Montemerlo である。レースの経緯は DARPA グランド・チャレンジ のページにある。当時の試験車には、必ず訓練を受けた安全運転者と、ソフトウェアを監視する担当者が乗っていた。

年出来事(Waymo の沿革による)
2009年Google の自動運転車プロジェクトが始まる
2015年ハンドルもペダルもない試作車 Firefly で、視覚に障害のある Steve Mahan がテキサス州オースティンの公道を完全自動で走る
2016年Alphabet の下で独立した会社 Waymo になる
2017年フェニックス都市圏で初期利用者プログラムを開始(Chrysler Pacifica Hybrid)
2018年配車サービス Waymo One をフェニックス都市圏で開始
2020年10月8日完全無人の乗車を一般の利用者に開放
2022年サンフランシスコで無人の乗車を始める(従業員と、順番待ちの一般利用者)
2023年ロサンゼルスで従業員向けの無人乗車を開始。車両を電気自動車の Jaguar I-PACE に統一
2024年サンフランシスコとロサンゼルスで順番待ちを廃止し、誰でも乗れるように
2025年オースティンとアトランタに拡大

Waymo は2015年の乗車を「世界初」の公道での完全自動運転の乗車と呼び、2018年の Waymo One を世界初の商用自動運転配車サービスと位置づけているが、これらは同社自身の表現である。

2020年10月8日 ── 何が変わったのか

Waymo のブログによると、フェニックスでは2017年から初期利用者プログラムを続け、それまでの1年は、サンフランシスコ市より広い範囲で、高速の道路も含む完全無人の有料乗車を試してきた。並行して、運転席に係員が乗って監視する形の Waymo One を、より多くの人に提供していた。

10月8日の変更で、まず既存の Waymo One 会員が、そして数週間のうちにアプリから新しく加わる人が、完全無人の乗車を利用できるようになった。当面は乗車の100%を完全無人にするとし、友人や家族を同乗させて体験を共有することも認めた。新型コロナウイルスの流行下だったため、前席と後部座席のあいだに仕切りを付け終えたら、係員が乗る乗車も再開して運行範囲を広げると書いている。

この日の意味は、運転の責任をとる人間が車内からいなくなったことにある。Tesla のオートパイロットのような運転支援は、運転者が常に監視することを前提にしている。Waymo の無人乗車では、運転を担うのは車に載ったシステムそのものになる。

規制と事故 ── 広がりと揺り戻し

カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)は2023年8月10日、Waymo と GM 傘下の Cruise に、サンフランシスコで時間を問わず有料の無人旅客サービスを行う許可を与えた。採決にあたって委員の John Reynolds は、自動運転車を人間の運転者の基準で評価するデータはまだない、と述べている。その2か月半後の2023年10月24日、カリフォルニア州 DMV は Cruise の無人運行と無人試験の許可を即時停止した。

Waymo も問題と無縁ではない。NPR によると、テキサス州オースティンの学区は、Waymo の車が停車中のスクールバスを違法に追い越した事例を19件記録した。NHTSA が調査を始め、Waymo は2025年12月、ソフトウェアのリコールを自主的に届け出ると表明した。同社の最高安全責任者は、自社の安全記録を誇りに思うとしながらも、最高の安全基準を保つには自社の振る舞いを改めるべきときを認めることが必要だと述べている。

2026年 ── 週50万回と東京

TechCrunch によると、Waymo の有料乗車は2024年5月の週5万回から、2026年3月には週50万回に増えた。サービス地域はフェニックス、サンフランシスコ、ロサンゼルスの3都市から、オースティン、アトランタ、マイアミ、ダラス、ヒューストン、サンアントニオ、オーランドを加えた10都市に広がり、車両は3,000台余りだった。それでも、同じ記事は Uber の人間による配車と比べればまだごく一部だと指摘している。

都市・地域時期形態
フェニックス都市圏2020年10月一般向けの完全無人乗車
サンフランシスコ2022年に開始、2024年に誰でも利用可同上
ロサンゼルス2023年に従業員向け、2024年に誰でも利用可同上
米国10都市2026年3月時点週50万回の有料乗車(TechCrunch)
東京2025年から試験走行、2027年中の運行開始が目標当面は日本交通の乗務員が同乗

日本では、タクシーアプリの GO、日本交通、Waymo の3社が2026年9月15日、東京での自動運転タクシーの商用化に向けた戦略的提携を発表した。Car Watch によると、3社は2025年から東京都内7区で日本交通の乗務員が同乗する試験走行を続けており、2027年中に国内初となる自動運転レベル4の完全無人走行による商用タクシー運行を目指し、段階的に100台規模まで広げる計画である。

発表の場で、全国ハイヤー・タクシー連合会会長で GO 会長の川鍋一朗氏は、2023年8月にフェニックスで Waymo に乗って未来だと確信したと語り、事故の減少、労働者不足の解消、移動手段のない地域への答えになると期待を示した。日本交通の若林泰治社長は、有人のタクシーと共存しながら将来の乗務員不足を補う挑戦だと位置づけている。Waymo の共同 CEO テキドラ・マワカナ氏は、人間の運転と比べて人身事故を94%減らしたと説明したが、これは同社の主張である。

AI と社会の関わりは AI と社会の年表 に、Google の歩みは Google のページにある。

よくある質問

Waymo の無人タクシーはいつから一般の人が乗れるようになったのですか。
2020年10月8日です。Waymo はこの日、アリゾナ州フェニックス都市圏の配車サービス Waymo One で、運転席に人のいない完全無人の乗車を一般の利用者に開放しました。まず既存の Waymo One 会員から始め、その後数週間でアプリから新しい利用者を受け入れるとしていました。
Waymo はどこで運行していますか。
TechCrunch によれば、2026年3月時点でフェニックス、サンフランシスコ、ロサンゼルス、オースティン、アトランタ、マイアミ、ダラス、ヒューストン、サンアントニオ、オーランドの米国10都市で、週50万回の有料乗車を提供していました。2026年9月には、東京で GO・日本交通と組み、2027年中に完全無人のタクシー運行を目指すと発表しています。
Waymo は Google とどういう関係ですか。
Waymo は2009年に始まった Google の自動運転車プロジェクトが起源で、2016年に親会社 Alphabet の下の独立した会社になりました。プロジェクトには、DARPA の自動運転レースで優勝した Stanford 大学と Carnegie Mellon 大学のチームの技術者が加わっていました。
Waymo の無人運転は安全なのですか。
Waymo の共同 CEO は2026年9月、人身事故を人間の運転と比べて94%減らしたと説明していますが、これは同社自身の主張です。一方で2025年12月には、テキサス州オースティンでスクールバスの停止表示を守らなかった事例を受けてソフトウェアのリコールを届け出ており、NHTSA も調査を行いました。

出典

  1. 一次資料Waymo is opening its fully driverless service to the general public in Phoenix — Waymo Blog, Oct 8, 2020

    10月8日の一般開放、2020年の乗車の5〜10%が NDA 下の完全無人、2017年の初期利用者プログラム、2015年の Firefly での乗車

    取得日: 2026-10-18

  2. 一次資料About Waymo — Waymo history

    2009年のプロジェクト開始、2016年の独立、2018年の Waymo One、2022年サンフランシスコ、2023年ロサンゼルス、2024年の一般開放、2025年オースティンとアトランタ

    取得日: 2026-10-18

  3. 一次資料What we're driving at — Sebastian Thrun, Official Google Blog, Oct 9, 2010

    14万マイル超の走行、DARPA チャレンジの技術者(Urmson と Montemerlo)、常に安全運転者が乗っていたこと

    取得日: 2026-10-18

  4. 二次資料Waymo's skyrocketing ridership in one chart — TechCrunch, Mar 27, 2026

    週50万回・米国10都市、2024年5月の週5万回からの伸び、3,000台超の車両

    取得日: 2026-10-18

  5. 二次資料GO、Waymo、日本交通、2027年中に国内初の完全無人タクシー運行を目指す — Car Watch, Sep 15, 2026

    3社の戦略的提携、2025年から都内7区で試験走行、2027年中に段階的に100台規模、各社トップのコメント

    取得日: 2026-10-18

  6. 二次資料東京で自動運転タクシー、27年にスタート GOとウェイモ — Impress Watch, Sep 15, 2026

    川鍋一朗氏の発言、Waymo 共同 CEO による安全性の主張、車両は Jaguar I-PACE

    取得日: 2026-10-18

  7. 三次資料Waymo — Wikipedia

    取得日: 2026-10-18

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