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Kinect とは ── 体がコントローラーになった Xbox のセンサー

メタデータ
- 日付
- 年代
- 2010s
- Tier
- T1
- 参照年表
- ゲーム機・ゲーム技術の歴史 · Microsoftの歴史
- 出典数
- 15
- 関連項目
- 01
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Kinect(キネクト) は、Microsoft が Xbox 360 向けに出した、体の動きと声でゲームを操作するためのセンサーである。北米での発売日は2010年11月4日で、価格は『Kinect アドベンチャー!』付きで149.99ドル。日本では2010年11月20日に14,800円で発売された。北米が先で、日本は米国や欧州よりやや遅かった。
| 地域 | 発売日 | 単体 | Xbox 360 4GB とのセット | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 北米 | 2010年11月4日 | 149.99ドル | 299.99ドル | Microsoft |
| 日本 | 2010年11月20日 | 14,800円 | 29,800円 | マイクロソフト(マイナビニュース経由) |
日本ではこのほか、250GB の Xbox 360 と組み合わせた限定版が39,800円で出た。いずれのパッケージにも『Kinect アドベンチャー!』が付いた。
コントローラーのない操作
Microsoft は2010年6月14日、2日間にわたる披露の締めくくりとして、この新しい遊び方に「Kinect for Xbox 360」という名を付け、北米で11月4日から始めて、その後ほかの地域へ広げると発表した。11月4日の発売時の発表は Kinect を、体と声を使ってゲームや娯楽を操作させ、利用者自身をコントローラーにする製品と説明し、「No buttons. No barriers. Just you.」と書いている。同じ発表によれば、発売時に3万以上の小売店に並び、年末までに Kinect 対応のゲームが17本そろうとされた。センサーはすでに家庭にある Xbox 360 で使え、Microsoft は7月の時点でその台数を4,000万台、11月の発表では4,500万台としている。
体を動かして遊ぶ流れは、4年前の Wii が先に作っていた。Microsoft は7月の発表で、Kinect にはコントローラーも棒状の機器もバランスボードもいらないと書いている。
価格は安くなかった。PC Watch の後藤弘茂は、日本で発表された14,800円と米国の149ドルについて、ゲーム機の周辺機器としては「極めて高い」と書き、開発段階の「Project Natal」の構成から、処理の一部を受け持つチップを足したことがコストを押し上げたと推定している。これは筆者の分析である。
「最速で売れた」記録
ギネス世界記録は Kinect for Xbox 360 を「最速で売れたゲーム周辺機器(fastest-selling gaming peripheral)」と認定している。記録のページによれば、発売の2010年11月4日から2011年1月3日までの最初の60日間に、1日平均13万3,333台を売り上げた。60日で約800万台にあたる。
2011年3月9日に記録が伝えられた時点では、記録名は「最速で売れた家電製品」だった。同じ日の PCWorld によれば、Microsoft は Kinect の販売が発売以来1,000万台に達したと述べ、PCWorld はこれが店頭への出荷ベースで、消費者への販売台数ではないと注意している。ギネスのページは「sold through」と書いており、2つの数字は数え方が違う可能性がある。
| 時点 | 数字 | 出所・指標 |
|---|---|---|
| 2010年11月4日〜2011年1月3日 | 1日平均13万3,333台(約800万台) | ギネス世界記録(sold through) |
| 2011年3月 | 1,000万台 | Microsoft(PCWorld は出荷ベースと指摘) |
| 2017年10月(生産終了時) | およそ3,500万台 | TechCrunch の報道 |
研究室へ広がる
Kinect の価値はゲームの外でも見いだされた。Microsoft Research は、Kinect の体の部位認識の手法を論文「Real-Time Human Pose Recognition in Parts from a Single Depth Image」として CVPR 2011 で発表し、この論文は CVPR の Best Paper Award を受けた。1枚の距離画像から体の関節の3次元位置を推定し、一般向けのハードウェアで毎秒200フレームで動くとしている。
2012年2月1日、Microsoft は PC 用の Kinect for Windows のハードウェアと SDK 1.0 を出した。12か国で出荷が始まり、価格は249ドル、教育機関向けには後に149ドルを用意するとした。1台の PC に最大4台のセンサーをつなげるようになった。
Xbox One での同梱と、外された Kinect
2013年の Xbox One では、新しい Kinect がすべての本体に同梱された。しかし Gematsu によれば、2014年5月13日、Xbox 部門を率いる Phil Spencer は Kinect を外した Xbox One を6月9日に399ドルで出すと発表した。Kinect 付きは499ドルのままだった。
2014年10月22日には、Xbox One 用 Kinect を Windows の PC につなぐ49.99ドルのアダプターと、Kinect SDK 2.0 が出ている。
2017年10月、Microsoft は Xbox One 用 Kinect の生産を終えたと認めた。TechCrunch によれば、Kinect を生んだ Alex Kipman と Xbox の Matthew Lapsen が Fast Co. に明かし、Microsoft の広報は「Manufacturing for Kinect for Xbox One has ended but it is not the end of the journey for the technology」と述べた。累計はおよそ3,500万台だったという。
Azure Kinect へ
2019年2月24日、Microsoft はバルセロナの MWC で、開発者向けのカメラ Azure Kinect DK を399ドルで発表した。CNBC によれば、1メガピクセルの深度カメラ、12メガピクセルのカメラ、7つのマイクを備える。TechCrunch によれば、米国と中国で2019年7月に出荷が始まった。
その Azure Kinect DK も、The Robot Report によれば2023年に生産を終えた。Microsoft からの追加購入は2023年10月末か在庫がなくなるまでとされ、SDK は引き続き配布される。以後は、Microsoft と組んだ Orbbec などの提携先が深度カメラを出していく。
Xbox の歴史は Microsoft の年表、ゲーム機全体の流れは ゲーム機の年表 にある。
よくある質問
- Kinect の発売日はいつですか。
- 北米で2010年11月4日、日本で2010年11月20日です。北米の価格は単体149.99ドル、Xbox 360 4GB とのセット299.99ドル、日本は単体14,800円、セット29,800円でした。いずれも『Kinect アドベンチャー!』が付いていました。
- Kinect はどれくらい売れましたか。
- ギネス世界記録は、2010年11月4日から2011年1月3日までの60日間に1日平均13万3,333台を売り上げた(約800万台)として、最速で売れたゲーム周辺機器と認定しています。Microsoft は2011年3月に1,000万台と発表し、2017年の生産終了時には累計およそ3,500万台と報じられました。
- Kinect はいつ生産終了しましたか。
- 2017年10月、Microsoft は Xbox One 用 Kinect の生産を終えたと認めました。後継の開発者向け機器 Azure Kinect DK も、2023年に生産を終えています。
出典
E3 2010 での名称の公開、北米で11月4日から、その後ほかの地域へ
Kinect 単体149.99ドル、Xbox 360 4GB とのセット299.99ドル
二次資料マイクロソフト、「Xbox 360 Media Briefing 2010」開催 - 「Kinect」の発売日・価格を発表 — マイナビニュース、2010年9月8日
日本の発売日(11月20日)と3つのパッケージの価格
二次資料【後藤弘茂のWeekly海外ニュース】Xbox 360用「Kinect」の高価格は、Microsoftの苦渋の決断の結果 — PC Watch、2010年9月
日本の発売が米国・欧州より遅いこと、149ドルという価格の背景についての筆者の推定
2011年3月の1,000万台(出荷ベースとの指摘)と、当時の記録名「最速で売れた家電製品」
一次資料Real-Time Human Pose Recognition in Parts from a Single Depth Image — Microsoft Research (CVPR 2011)
Kinect の体の部位認識アルゴリズム、毎秒200フレーム、CVPR Best Paper Award
Fast Co. への Kipman と Lapsen の説明、Microsoft の声明、累計およそ3,500万台
最終更新: