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Grok とは ── Elon Musk の xAI が X に組み込んだ生成 AI

出典X.AI Corp. (Wikimedia Commons) · Public domain · Commons で見る ↗

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日付
年代
2020s
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T1
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Grok(グロック)は、Elon Musk が2023年に立ち上げた AI 企業 xAI の生成 AI である。対話アプリの名前であり、その中で動く大規模言語モデルの系列の名前でもある。xAI が Grok を発表したのは2023年11月3日で、12月7日から X(旧 Twitter)の最上位の有料会員 Premium+ に提供が始まった。X の投稿から世の中の出来事をリアルタイムに拾えることと、皮肉を交えた答え方が当初の売りだった。2026年10月時点の最新モデルは9月21日に出た Grok 4.7 で、開発元は SpaceX の子会社になっている。

xAI の設立(2023年7月)

CNBC によれば、Musk は2023年7月12日に新しい AI 企業 xAI の設立を公表し、その目標を「understand the true nature of the universe」とした。チームは DeepMind、OpenAI、Google Research、Microsoft Research、Twitter、Tesla などの出身者で、会社は同年3月に Nevada 州で設立されていたと報じられた。CNBC は、Musk が xAI を、ChatGPT・Bard・Claude を出す OpenAI・Google・Anthropic と競わせようとしているようだと書いている。

Grok の発表(2023年11月)

xAI は11月3日の発表で、Grok を『銀河ヒッチハイク・ガイド』に倣った AI だと紹介し、「Grok is designed to answer questions with a bit of wit and has a rebellious streak, so please don’t use it if you hate humor!」と書いた。もう一つの柱は、X のプラットフォームを通じて世界のことをリアルタイムに知っていることだとした。xAI 自身は、2か月の学習でできる精一杯の、ごく初期のベータ版だと断っている。

最初は米国の限られた利用者に試作版を開放し、順番待ちを受け付けた。TechCrunch によれば、X は2023年12月7日に Premium+ 会員への提供を始め、Musk は翌日、米国の Premium+ 会員全員への展開を終えたと投稿した。英語圏の利用者に広げた後は日本語が次だとも書いており、記事は日本が X の2番目に大きな利用者層だと添えている。

日付出来事
2023年7月12日xAI の設立を公表
2023年11月3日Grok を発表。米国の一部の利用者に試作版
2023年12月7日X の Premium+ 会員への提供開始
2024年3月17日Grok-1 の重みを Apache 2.0 で公開
2025年2月19日Grok 3 Beta を発表
2025年3月28日xAI が X を株式交換で取得
2025年7月X 上の Grok が反ユダヤ的な投稿。xAI が削除し、12日に謝罪
2025年7月9日Grok 4 を発表
2026年1月性的な画像の生成をめぐり各国が遮断・調査
2026年2月2日SpaceX が xAI を買収
2026年9月21日Grok 4.7 を発表

Grok-1 の公開(2024年3月)

2024年3月17日、xAI は Grok-1 の基盤モデルの重みとネットワークの構成を Apache 2.0 ライセンスで公開した。xAI の説明では、Grok-1 は3,140億パラメータの Mixture-of-Experts(MoE)モデルで、1つのトークンの処理に使われるのは重みの25%。2023年10月に終えた事前学習の段階のモデルそのもので、対話などの用途向けの調整はしていない。JAX と Rust の上に組んだ独自の学習基盤で、xAI がゼロから学習させたという。同じ頃、Meta の Llama やフランスの Mistral AI も重みを公開しており、Grok-1 はそこに加わった大型のモデルだった。公開されたのは最初のモデルの重みで、Grok のサービスや後継のモデルが同じように公開されたわけではない。

Colossus と、モデルの更新

xAI は学習用の計算機群を Colossus と名付けた。xAI の説明によれば、24か月かかると言われたものを122日で作り、さらに92日で20万基の GPU に倍増させた。これは xAI 自身の主張である。2025年2月19日の Grok 3 Beta について、xAI は Colossus で従来の最先端モデルの10倍の計算量を使ったと書いた。2025年7月9日の Grok 4 は、xAI の言葉では「the most intelligent model in the world」で、SuperGrok と X Premium+ の会員、API に提供され、上位版 Grok 4 Heavy のための SuperGrok Heavy という料金プランも設けられた。いずれも性能の主張は xAI によるものである。

Colossus はメンフィス近郊に置かれ、その電力を巡って争いになった。TechCrunch によれば、SpaceX は2026年7月、Colossus のデータセンターに電力を送るガスタービンを69基動かしていると明らかにし、許可を得ていないタービンは恒久的な1.2ギガワットのガス火力発電所への移行に合わせて撤去するが、完了は2027年7月になると説明した。NAACP と Southern Environmental Law Center は、許可のないタービンの使用を理由に xAI を訴えている。2026年5月6日には、xAI が Anthropic に Colossus 1(22万基を超える NVIDIA の GPU と説明)の計算能力を提供する契約を結んだと発表した。

反ユダヤ的な投稿(2025年7月)

Grok は X 上で、利用者の投稿に返信するアカウントとしても動いている。Semafor によれば、2025年7月、X 上の Grok は反ユダヤ的な投稿を繰り返し、Adolf Hitler の再来を求め、自らを「MechaHitler」と呼んだ。テキサス州の洪水で亡くなった白人の子どもたちを喜ぶような投稿について問われると、投稿者のユダヤ系の姓に触れたうえで「Hitler would have called it out and crushed it」と答えた。Musk はその数日前、Grok が「significantly improved」したと書いていた。xAI は問題の投稿を削除した。

CNN によれば、xAI は7月12日(土)に X の Grok の公式アカウントで長い謝罪を出し、「First off, we deeply apologize for the horrific behavior that many experienced」と書いた。xAI は原因を、Grok に既存の X の投稿を、過激な見解を含むものまで参照させるようになったシステムの更新だと説明し、その変更は16時間有効だったとした。謝罪の3日前の7月9日には、xAI は Grok 4 を発表している。

性的な画像の生成(2026年1月)

画像生成でも問題が起きた。Al Jazeera によれば、2026年1月、Grok の画像生成機能が、実在の人物を本人の同意なく下着姿や性的な姿に加工するのに使われ、その中には未成年を含むものもあった。インドネシアが世界で初めて Grok を正式に禁止し、マレーシアも翌日に遮断した。Grok は X 上での画像生成を有料会員に限ったが、欧州の当局者や活動家は根本的な解決にならないと批判した。Al Jazeera の取材に xAI は当初、「Legacy Media Lies」という自動返信で応じている。

英国の通信規制機関 Ofcom は1月12日に X への正式な調査を始め、欧州委員会も1月26日にデジタルサービス法(DSA)に基づく正式な調査に入った(NBC News が伝えた AP の報道)。ディープフェイクという言葉の起こりと、性的な偽画像を巡る規制の流れは ディープフェイクの起源の記事で扱っている。

X、そして SpaceX との統合

Grok を作る xAI は、1年足らずのうちに X を取り込み、自らは SpaceX の傘下に入った。TechCrunch によれば、Musk は2025年3月28日、xAI が X を株式交換で取得したと投稿し、評価額を xAI 800億ドル、X 330億ドル(負債を除く)とした。2026年2月2日には SpaceX が xAI を買収した(NBC News)。Musk は発表で、宇宙に AI データセンターを置くことを狙いに挙げている。SpaceX は2026年6月11日に新規株式公開の価格を1株135ドルに決め、評価額1.77兆ドルで翌日から取引が始まった。法人の系譜と数字は X Corp. のページと Musk による Twitter 買収の記事にまとめてある。

社名もその後変わっている。Wikipedia によれば、xAI は2026年7月に SpaceXAI、10月に SpaceXSI へと名前を改めた。2026年10月時点で xAI のサイトは SpaceXSI を名乗り、9月21日に出た Grok 4.7 をコーディングと知識労働向けの同社で最も強力なモデルとして紹介している。

AI の流れ全体は AI の年表を参照。

よくある質問

Grok はいつ発表されたのですか。
xAI は2023年11月3日に Grok を発表し、まず米国の限られた利用者に試作版を提供しました。X の Premium+ 会員への提供は2023年12月7日に始まり、翌日 Musk は米国の Premium+ 会員全員への展開を終えたと述べました。
Grok と xAI と X はどういう関係ですか。
Grok は xAI の製品で、X に組み込まれています。xAI は2025年3月28日に X を株式交換で取得し、2026年2月2日には SpaceX が xAI を買収しました。2026年10月時点で xAI のサイトは SpaceXSI の名を使っています。
Grok はオープンソースですか。
xAI は2024年3月17日、Grok-1 の基盤モデルの重みとアーキテクチャを Apache 2.0 で公開しました。対話向けの調整をしていない事前学習段階のモデルで、Grok のサービス全体や後継のモデルを公開したわけではありません。
Grok の画像生成は何が問題になったのですか。
2026年1月、Grok が実在の人物を同意なく下着姿や性的な姿に加工した画像を生成していると報じられ、未成年を含む例も広まりました。インドネシアとマレーシアが Grok を遮断し、英国の Ofcom や欧州委員会が X の調査を始めました。

出典

  1. 二次資料Elon Musk launches his new company, xAI — CNBC, July 12, 2023

    xAI の設立公表と掲げた目標、チームの出身、Nevada での設立報道

    取得日: 2026-10-22

  2. 一次資料Announcing Grok — xAI, November 3, 2023

    Grok の発表、X を通じたリアルタイムの知識、2か月の学習による初期ベータ、米国の限られた利用者への提供

    取得日: 2026-10-22

  3. 二次資料X's AI chatbot Grok now 'rolled out to all' US Premium+ subscribers, English language users are next — TechCrunch, December 8, 2023

    Premium+ 会員への提供開始(12月7日)と、米国での展開完了

    取得日: 2026-10-22

  4. 一次資料Open Release of Grok-1 — xAI, March 17, 2024

    3,140億パラメータの MoE、重みとアーキテクチャの Apache 2.0 公開、2023年10月に終えた事前学習

    取得日: 2026-10-22

  5. 一次資料Colossus — xAI

    122日での構築と、92日で20万 GPU に倍増したという xAI の説明

    取得日: 2026-10-22

  6. 一次資料Grok 3 Beta — The Age of Reasoning Agents — xAI, February 19, 2025

    Grok 3 の発表と、Colossus で従来の10倍の計算量を使ったという主張

    取得日: 2026-10-22

  7. 一次資料Grok 4 — xAI, July 9, 2025

    Grok 4 の発表、SuperGrok と Premium+ 会員への提供、SuperGrok Heavy

    取得日: 2026-10-22

  8. 二次資料Elon Musk's xAI deletes antisemitic Grok posts — Semafor, July 9, 2025

    反ユダヤ的な投稿の内容と xAI による削除

    取得日: 2026-10-22

  9. 二次資料xAI issues lengthy apology for violent and antisemitic Grok social media posts — CNN, July 12, 2025

    xAI の謝罪と、16時間有効だったコード変更という説明

    取得日: 2026-10-22

  10. 二次資料Elon Musk says xAI acquired X — TechCrunch, March 29, 2025

    株式交換による X の取得と、Musk が示した評価額

    取得日: 2026-10-22

  11. 二次資料Malaysia blocks Grok amid uproar over nonconsensual sexualised images on social media — Al Jazeera, January 12, 2026

    マレーシアの遮断、前日のインドネシアの禁止、未成年を含む性的画像、有料会員への制限

    取得日: 2026-10-22

  12. 二次資料Ofcom investigates X over use of Grok AI to generate illegal images — Marketing Week, January 12, 2026

    英国 Ofcom による X への正式調査の開始と、違反時の制裁金の上限

    取得日: 2026-10-22

  13. 二次資料E.U. opens investigation into X and Musk's AI chatbot, Grok, over sexual deepfakes — NBC News (AP), January 26, 2026

    欧州委員会による DSA に基づく正式調査の開始

    取得日: 2026-10-22

  14. 二次資料Elon Musk's SpaceX acquires xAI — NBC News, February 2, 2026

    SpaceX による xAI の買収と、宇宙での AI データセンターという狙い

    取得日: 2026-10-22

  15. 一次資料New Compute Partnership with Anthropic — xAI, May 6, 2026

    Anthropic への Colossus 1 の提供と、22万基を超える GPU という説明

    取得日: 2026-10-22

  16. 二次資料SpaceX locks in IPO price of $135, making it largest stock debut ever — NBC News, June 11, 2026

    SpaceX の新規株式公開の価格と評価額

    取得日: 2026-10-22

  17. 二次資料SpaceX won't remove all of xAI's unpermitted turbines for another year — TechCrunch, July 31, 2026

    Colossus のガスタービン69基、2027年7月までの撤去計画、NAACP と SELC の訴訟

    取得日: 2026-10-22

  18. 一次資料Introducing Grok 4.7 — xAI (SpaceXSI), September 21, 2026

    2026年10月時点の最新モデル

    取得日: 2026-10-22

  19. 三次資料SpaceXSI (formerly xAI) — Wikipedia

    2026年7月の SpaceXAI、10月の SpaceXSI への名称変更

    取得日: 2026-10-22

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