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最初の Chromebook ── ブラウザを OS にしたノート PC

メタデータ
- 日付
- 年代
- 2010s
- Tier
- T1
- 参照年表
- 半導体・ハードウェアの歴史
- 出典数
- 09
- 関連項目
- 02
- Tags
- #google#consumer#launch#education
Chromebook(クロームブック)は、Google の Chrome OS を載せたノート PC である。最初の製品は Samsung と Acer が作り、2011年5月11日の Google I/O で発表され、6月15日に米国・英国・フランス・ドイツ・オランダ・イタリア・スペインでオンライン販売が始まった。米国の販売店は Amazon と Best Buy だった。日本は最初の発売国に入っていない。
その半年前の2010年12月7日、Google はロゴのない試験機を配るパイロット計画を始めており、これが後に Cr-48 と呼ばれる機械である。
発売までの日付
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2010年12月7日 | Chrome OS のパイロット計画を開始。試験用ノート PC を希望者・開発者・学校・企業に配る。米国から |
| 2010年12月〜2011年3月 | Wikipedia によれば、試験機(Cr-48)は約6万台が無償で配られた |
| 2011年5月11日 | Google I/O で Samsung と Acer の Chromebook を発表。学校・企業向けの月額提供も発表 |
| 2011年6月15日 | 米国と欧州6か国でオンライン販売開始 |
Wikipedia によれば、発売時の価格は機種と3G の有無で349〜499ドルで、Acer の AC700 が実際に出荷されたのは7月初めだった。
試験機 Cr-48
Google は2010年12月の発表で、Chrome OS はまだ完成していないが実際の利用者の声が必要な段階に来たと書いた。一部の機能には新しいハードウェアが要るが、ベータ以前のコンピュータを売りたくはない。そこで、条件を満たす利用者・開発者・学校・企業に試験機を配る、という説明だった。
| 項目 | 試験機(Google の発表) |
|---|---|
| 外観 | 黒一色。ブランド名もロゴもシールもない |
| 画面 | 12.1インチ |
| 入力 | フルサイズのキーボードとタッチパッド |
| 通信 | Verizon の3G を内蔵 |
| 電池 | 使用8時間、待機8日 |
新しい機械の設定は1分足らずで終わり、ログインするだけでアプリやブックマーク、ブラウザの設定がそろう、と Google は書いた。製品版は翌年前半に Acer と Samsung から出るとも予告していた。
ブラウザを OS にする
Google の考えは、多くの人はすでに一日の大半をウェブブラウザの中で過ごしているので、本質的にブラウザである OS を作れば、コンピュータはもっと速く、単純で、根本的に安全になる、というものだった。2011年5月の発表では、Chromebook の特徴として次を挙げている。
- 起動とブラウザの立ち上げを何分も待たず、数秒でメールを読める
- 自動更新で、ソフトウェアが時間とともに速くなる
- アプリや写真、文書はどこからでも使え、PC をなくしてもバックアップを気にしなくてよい
- 1回の充電で一日使える。3G はオプション
- 何層ものセキュリティを組み込み、ウイルス対策ソフトを買う必要がない
中心にあるのは Chrome ブラウザで、Google は当時の Chrome の利用者を1億6,000万人以上としていた。発表文は Chromebook を、20〜30年前に設計された OS の面倒なしに Chrome の速さと単純さと安全性を届けるもの、と位置づけている。いずれも Google 自身の主張である。
学校に向けた設計
最初の発表から、Google は個人向けとは別に学校と企業を狙っていた。「Chromebooks for Business and Education」は、端末に加えて、利用者・端末・アプリ・ポリシーを遠隔で管理するクラウドのコンソール、企業向けのサポート、保証と交換、定期的なハードウェアの更新をまとめた月額のサービスで、学校は1人月20ドル、企業は28ドルからだった。
その後の広がりは、数字の出どころごとに分けて示す。
| 時点 | 数字 | 出どころ |
|---|---|---|
| 2017年第3四半期 | 米国 K-12 のモバイル端末市場で Google の OS が59.8% | Futuresource の推計(EdWeek Market Brief の報道) |
| 2020年1月 | 4,000万人の生徒と教員が Chromebook を使用 | Google の発表 |
| 2021年7月末 | 日本の公立小中学校等に納入済みの端末の40.0%が ChromeOS(Windows 30.9%、iOS 29.1%) | 文部科学省の調査(確定値、台数) |
| 2022年2月 | 5,000万人の生徒と教員が使用 | Google の発表 |
日本の数字は、GIGA スクール構想のもとで納入された端末を数えたものである。米国の数字は市場シェア、Google の数字は利用者数で、指標が違うので互いに比べることはできない。
その後の ChromeOS
2024年6月12日、Google は ChromeOS を今後 Android の技術基盤の大部分の上で開発すると発表した。Android の Linux カーネルやフレームワークを ChromeOS の土台に取り込み、AI 機能をより速く届けるためだと説明し、利用者に届くのはかなり先になるとしている。ブラウザだけの OS として出発した Chromebook は、13年後に Android と土台を共有する方向へ動いた。
位置づけ
最初の Chromebook は、ノート PC の価値を本体ではなくウェブの側に置き、管理と更新をクラウドに任せる形を製品にした。Google がその形を最初から売り込んだ相手の一つが、多数の端末をまとめて管理する学校だった。機器の流れは 半導体・ハードウェアの年表、企業については Google を参照。
よくある質問
- 最初の Chromebook はいつ発売されましたか。
- 2011年5月11日に発表され、6月15日に米国・英国・フランス・ドイツ・オランダ・イタリア・スペインでオンライン販売が始まりました。メーカーは Samsung と Acer で、米国では Amazon と Best Buy が扱いました。
- Cr-48 とは何ですか。
- 2010年12月に Google が Chrome OS のパイロット計画で配った試験用ノート PC です。黒くロゴのない本体に12.1インチの画面、Verizon の3G を内蔵していました。販売はされず、翌年の製品版 Chromebook に先立ってソフトウェアを試すためのものでした。
- Chromebook は学校でどれくらい使われていますか。
- Google は2022年2月、5,000万人の生徒と教員が Chromebook を使っていると述べました。日本では文部科学省の調査で、2021年7月末時点の公立小中学校等に納入済みの端末のうち ChromeOS が40.0%、Windows が30.9%、iOS が29.1%でした。
出典
パイロット計画、試験機の仕様(12.1インチ、Verizon の3G、8時間)、翌年前半に Acer と Samsung から発売予定
一次資料A new kind of computer: Chromebook — Official Google Blog, May 11, 2011 (Internet Archive)
Samsung と Acer の最初の Chromebook、6月15日に7か国でオンライン販売、Amazon と Best Buy、学校・企業向け月額(20ドル・28ドル)
一次資料Improving 40 million Chromebooks for education — Google, Jan 21, 2020
4,000万人の生徒・教員(Google の発表)
一次資料Supporting education with a new line of Chromebooks — Google, Feb 3, 2022
5,000万人の生徒・教員(Google の発表)
Futuresource の推計: 米国 K-12 のモバイル端末市場で Google の OS が2017年第3四半期に59.8%
一次資料端末利活用状況等の実態調査(令和3年7月末時点)(確定値) — 文部科学省
納入済み端末の OS 別割合(台数): ChromeOS 40.0%、Windows 30.9%、iOS 29.1%
ChromeOS を Android の技術基盤(Android の Linux カーネルとフレームワーク)の上で開発していく方針
Cr-48 の名称と約6万台の配布、Acer AC700 の出荷は7月初め、発売時の価格帯349〜499ドル
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