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Amazon
1994年7月に Jeff Bezos がワシントン州で法人設立し、1995年7月に書籍のオンライン販売を始めた米国企業。1997年5月に上場。Amazon Web Services という名前は2002年7月、Amazon の商品データベースを外部開発者に無償開放する XML/SOAP の API として先に生まれ、計算資源の貸し出しは2006年3月14日の S3 と同年8月の EC2 から始まった。2021年7月5日に Bezos から Andy Jassy へ CEO が交代。2025年通年の売上7169億ドルに対し、AWS は1287億ドル(18%)にすぎないが、営業利益800億ドルのうち456億ドル(57%)を稼ぐ。

組織情報
- 設立
- 1994
- 状態
- 稼働中
- 活動期間
- 1994–
- 関連事象
- 08
- 名称
- ENAmazonJAAmazon
Amazon は、 1994年7月に Jeff Bezos がワシントン州で法人設立し(財務諸表上の設立日は7月5日)、 1995年7月に書籍のオンライン販売を始めた米国企業である。 1996年6月にデラウェア州へ再設立、 1997年5月に上場。 本社はシアトル。 現在は小売・広告・デバイス・映像配信とクラウドを抱える複合企業で、 2025年12月31日時点の従業員は約157万6000人にのぼる。
沿革 / History
出発点は本だけだった。 売上は1995年に51万1000ドル、 1996年に1574万6000ドル、 1997年に1億4780万ドル。 1997年末の顧客数は150万人を超えた。 上場初年の株主宛書簡で Bezos が書いた原則 ── "We believe that a fundamental measure of our success will be the shareholder value we create over the long term" と "But this is Day 1 for the Internet and, if we execute well, for Amazon.com" ── は、 会計上の利益より長期のキャッシュフローを優先するという後年の方針をそのまま先取りしていた。 2005年2月2日には年79ドルの定額で2日配送を使い放題にする Amazon Prime を導入する(前年の売上は69億2000万ドル)。 2007年11月19日の Kindle(399ドル、 9万点)は、 小売業者が自らハードウェアを作り始めた瞬間だった。
Amazon Web Services という名前は、 クラウドより先にある。 2002年7月16日に発表された初代 Amazon.com Web Services は、 Amazon の商品情報を XML と SOAP で外部サイトに開放する無償の API で、 目的は Associates プログラムを通じた送客だった。 計算資源やストレージを時間・容量で貸す事業が始まるのは、 2006年3月14日の S3 と同年8月の EC2 限定ベータからである。 以後 Redshift(2012年)、 Lambda(2014年)、 Bedrock(2023年) と積み上がり、 2024年には Anthropic・Palantir との機密環境の提携にまで届いた。
経営の交代も AWS を軸に起きた。 2021年2月2日、 Amazon は第4四半期決算と同時に Bezos が第3四半期に Executive Chair へ退き、 Andy Jassy が CEO を継ぐと発表する。 発効日は7月5日。 Jassy は2006年4月から AWS を率い、 2016年4月に AWS の CEO となった人物であり、 小売の会社の頂点にクラウドの人間が座ったことになる。
事業構成 / Segments
| セグメント | 内容 | 2025年通年の売上 / 営業利益 |
|---|---|---|
| North America | 北米の小売・広告・サブスクリプション | 4263億ドル / 296億ドル |
| International | 北米以外の小売 | 1619億ドル / 47億ドル |
| AWS | クラウド インフラと基盤モデル サービス | 1287億ドル / 456億ドル |
売上構成と利益構成が食い違うのが Amazon の要点である。 AWS は売上の18%だが、 営業利益800億ドルのうち456億ドル、 つまり57%を出す。 商品・サービス別に見た2025年の内訳は、 自社販売(online stores)2693億ドル、 出品者向けサービス1722億ドル、 AWS 1287億ドル、 広告686億ドル、 サブスクリプション496億ドル、 実店舗226億ドル。 出品者から取る手数料は、 すでに AWS より大きい。
重要事件 / Key Events
- 1994年7月: ワシントン州で法人設立(設立日7月5日)。
- 1995年7月: 書籍のオンライン販売を開始。
- 1997年5月: 上場。 同年の売上は1億4780万ドル。
- 2002年7月16日: Amazon.com Web Services を無償公開。 商品データの XML/SOAP API。
- 2005年2月2日: Amazon Prime 開始(年79ドル)。
- 2006年3月14日: Amazon S3。 同年8月に EC2 限定ベータ。
- 2007年11月19日: Kindle 発売(399ドル)。
- 2012年11月: Amazon Redshift プレビュー。
- 2014年11月: AWS Lambda。
- 2021年2月2日 / 7月5日: Bezos から Andy Jassy への CEO 交代を発表、 発効。
- 2023年4月: Amazon Bedrock。
- 2024年11月: Claude が Palantir と AWS の機密環境へ。
- 2024〜2025年: Anthropic の転換社債へ投資(2025年だけで27億ドル)。 一部は無議決権優先株へ転換。
- 2025年: FTC との訴訟和解に25億ドル、 人員削減にともなう退職費用27億ドルを計上。
業績指標 / Key Metrics
- 売上(2025年通年): 7169億ドル(前年比 +12%)/ 営業利益 800億ドル/ 純利益 777億ドル
- AWS: 売上1287億ドル(+20%)、 営業利益456億ドル
- 設備投資(売却収入等を差し引いた純額): 1283億ドル。 前年から507億ドル増加し、 フリーキャッシュフローは382億ドルから112億ドルへ低下
- 従業員: 約157万6000人(2025年12月31日時点)
- Anthropic への転換社債投資は2025年だけで27億ドル
影響と批判 / Influence and Criticism
Amazon について最も誤解されやすいのは、 AWS がクラウドを始めたという言い方である。 従量課金で計算資源を貸す事業も、 AWS という名前も、 別々の時期に別々の目的で生まれた。 名前は2002年の開発者向け API に付き、 事業は2006年の S3 と EC2 から始まる。 起源を1本の線に均すと、 商品カタログの API から出発して4年で別物になった過程が消えてしまう。
現在の批判は主に3点に集まる。 第一に労働。 従業員157万人規模の物流網を回す会社であり、 同社自身も労働組合による組織化の動きが折々あることを 10-K のリスク要因に書いている。 2025年には人員削減にともなう退職費用として27億ドルを計上した。 第二に規制。 同年、 米連邦取引委員会との訴訟和解で25億ドル、 イタリアでの税務紛争などでさらに11億ドルを負担している。 第三に AI 投資の重さ。 2025年の設備投資は純額1283億ドルで前年から507億ドル増え、 会社はその主因を AI への投資だと説明する。 結果としてフリーキャッシュフローは382億ドルから112億ドルへ落ちた。 1997年に掲げた長期のキャッシュフロー重視という原則からすれば整合的な行動だが、 賭け金の桁は当時と比較にならない。
Anthropic への投資はその象徴である。 2025年だけで27億ドルの転換社債を追加し、 保有の一部は無議決権優先株に転換された。 2025年の非営業損益に計上された152億ドルの純利益について、 Amazon はその主因を Anthropic 持分の評価替えだと説明している。 つまり同年、 Amazon が AI 企業の持分再評価で得た利益は、 International セグメントの営業利益47億ドルを大きく上回った。 小売の会社が、 クラウドで稼ぎ、 AI の持分で評価益を得る ── 収益の重心はもう本から遠い。
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