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iPhone 16 と Apple Intelligence

Apple Store 名古屋栄の展示台に並ぶ iPhone 16 シリーズ4機種(左から 16、16 Plus、16 Pro、16 Pro Max)
出典Kyu3a (Wikimedia Commons) · CC BY-SA 4.0 · Commons で見る ↗

メタデータ

日付
年代
2020s
Tier
T1
出典数
15
関連項目
03

iPhone 16 シリーズの発表は2024年9月9日(米国時間)。予約は9月13日(金)午後9時(日本時間)に始まり、iPhone 16・16 Plus・16 Pro・16 Pro Max の4機種がそろって9月20日(金)に発売された。英語版プレスリリースは対象を58を超える国と地域とし、その中に日本を挙げている。日本での出発価格(税込)は、16 が124,800円、16 Plus が139,800円、16 Pro が159,800円、16 Pro Max が189,800円だった。

さらに半年後の2025年2月19日、廉価版の iPhone 16e が iPhone 16 ファミリーの新しいメンバーとして発表され、2月28日に日本を含む59の国と地域で発売されている。

「Apple Intelligence のために設計」された電話の、発売日の中身

Apple は発表のあらゆる場面でこの世代を built for Apple Intelligence、つまり Apple Intelligence のために設計された iPhone と呼んだ。標準機のプレスリリースは冒頭の一文からそう書いている。

ところが9月20日に店頭で受け取った iPhone 16 に、Apple Intelligence は入っていなかった。発表時のプレスリリース自体が、最初の機能群は「来月」iOS 18.1 の一部としてベータで提供し、ほかの機能はその後の数か月で順次出す、と予告していた。購入者の側から見ると、機能はおおむね次の順で届いた。

日付iPhone 16 の持ち主に届いたもの
2024年9月20日本体の発売。カメラコントロールとアクションボタンは初日から使えた
2024年10月28日iOS 18.1:作文ツール、通知の要約、写真のクリーンアップなど。端末と Siri の言語が米国英語の場合のみ
2024年12月11日iOS 18.2:Image Playground、ジェン文字、ChatGPT 連携、カメラコントロールからのビジュアルインテリジェンス。英国などの英語にも拡大
2025年3月31日iOS 18.4:日本語を含む8言語に対応。EU の iPhone でも初めて使えるようになった

日本の購入者にとって、Apple Intelligence を日本語で使えるようになったのは発売から約半年後である。日本語版プレスリリースは発表時点で、日本語への対応を「来年」と予告していた。

WWDC で示された、個人的な文脈を理解する新しい Siri はさらに遅れた。Apple は2025年3月7日に延期を認め、その機能が iPhone 16 で使えるようになったのは、9to5Mac によれば2026年9月14日公開の iOS 27 である。ソフトウェア側の経緯 ── 延期、Gemini の採用、購入者による集団訴訟 ── は macOS Sequoia と Apple Intelligence の記事にまとめてあり、ここでは繰り返さない。

16 専用ではなかった

もう一つ、名前から受ける印象と違う点がある。Apple Intelligence は iPhone 16 専用ではなかった。

2024年6月10日の発表の時点で、iPhone の対象は前年の iPhone 15 Pro と 15 Pro Max だった。10月の提供開始時の対象は、この2機種に iPhone 16 の4機種を加えたものである。逆に、前年の標準機 iPhone 15 と 15 Plus は対象外だった。

つまり「Apple Intelligence のために設計」とは、16 でしか動かないという意味ではなく、標準機まで含めて、対象となる性能を初めてそろえたという意味だった。iPhone 16 の新しい A18 チップについて、Apple は第2世代の3ナノメートル技術で作られ、6コア CPU が A16 Bionic より30パーセント速いと説明している。前年の標準機が積んでいた A16 では Apple Intelligence は動かず、A18 では動く ── 世代の差はそこに引かれた。

カメラコントロール ── ボタンでありタッチパッドである

発売初日から使えた新機能の筆頭が、本体右側面の カメラコントロール である。4機種すべてに付いた。

Apple の説明によれば、中身は3つのセンサーの組み合わせである。クリック感を生むタクタイルスイッチ、軽く押す操作を読む高精度の感圧センサー、指の動きを読む静電容量センサー。これによって、1つの部品で次の操作を受け付ける。

操作結果
クリックカメラを起動する。もう一度で撮影
クリックして長押しビデオ撮影を始める
指でなぞるズーム・露出・被写界深度などを調整する

Apple 純正のケースは、カメラコントロールの部分にサファイアクリスタルと導電層を組み合わせ、ケース越しでも指の動きを伝えるようにした。

カメラコントロールには、もう一つ予告された役割があった。カメラを向けた対象について調べる ビジュアルインテリジェンス である。Apple は発表時に年内の提供を予告し、12月の iOS 18.2 で、カメラコントロールの長押しから呼び出せるようになった。AI の入口を物理的なボタンに割り当てたことが、この部品の本当の意味だったといえる。

アクションボタンが標準機へ

もう一つの物理的な変更は アクションボタン である。2023年の iPhone 15 Pro で初めて採用された、着信/消音スイッチに代わるボタンが、iPhone 16 では標準機にも付いた。

既定の動作は着信と消音の切り替えだが、カメラ、フラッシュライト、Shazam での音楽認識、ボイスメモ、集中モード、翻訳、アクセシビリティ機能などを割り当てられる。iPhone の側面にあった物理スイッチが、この世代で全機種から姿を消した。

Pro の変化

Pro の2機種は、画面を大きくした。16 Pro は6.3インチ、16 Pro Max は6.9インチで、Apple は後者を iPhone 史上最大の画面とし、ベゼルは Apple 製品で最も細いと説明した。チップは A18 Pro。

カメラでは、48MP の Fusion カメラで Dolby Vision の 4K・120fps 撮影ができるようになり、超広角も48MP になった。5倍望遠は、前年は 15 Pro Max だけのものだったが、今年は 16 Pro にも入った。音声のために、スタジオ品質とうたう4つのマイクを積んでいる。

6か月後の16e ── Apple 初の自社モデム

2025年2月の iPhone 16e は、この世代のもう一つの「初めて」を持っていた。Apple は 16e の C1 を、Apple が設計した最初のモデムで、iPhone で最も電力効率の高いモデムだと説明している。セルラー通信は長く外部のチップに頼ってきた部分で、Apple はそれを自社設計に置き換え始めた。

16e は A18 チップを積み、Apple Intelligence に対応する。一方で Apple の仕様ページにカメラコントロールの記載は無く、プレスリリースはビジュアルインテリジェンスをアクションボタンから使えると説明している。

同じ年の Android

「AI のための電話」という売り方は Apple だけのものではなかった。Google は iPhone 16 の発表の約1か月前、2024年8月13日に Pixel 9 シリーズを発表し、端末上で動く Gemini Nano を前面に出していた。AI を看板にした新機種は、iPhone 16 の時点ですでに珍しいものではなかった。違いは、Apple の看板機能が発売日に間に合っていなかったことである。


Apple Intelligence の前史にあたる音声アシスタントの始まりは iPhone 4S と Siri、前年の世代は iPhone 15、シリーズ全体は iPhone、企業は Apple と OpenAI を参照。生成 AI ブームの起点は ChatGPT の公開 にある。

よくある質問

iPhone 16 はいつ発売されましたか。
発表は2024年9月9日、予約受付は9月13日(日本時間午後9時)、発売は9月20日です。iPhone 16・16 Plus・16 Pro・16 Pro Max の4機種とも同じ9月20日に発売され、日本は最初の発売国に含まれていました。廉価版の iPhone 16e はこれとは別に、2025年2月19日に発表、2月28日に日本を含む59の国と地域で発売されています。
iPhone 16 は発売時から Apple Intelligence を使えましたか。
使えませんでした。最初の機能群は2024年10月28日の iOS 18.1 でベータとして提供され、端末と Siri の言語を米国英語にした場合に限られていました。ChatGPT 連携や Image Playground は12月11日の iOS 18.2、日本語対応は2025年3月31日の iOS 18.4 からです。
日本での iPhone 16 シリーズの発売時の価格はいくらでしたか。
税込で、iPhone 16 が124,800円から、iPhone 16 Plus が139,800円から、iPhone 16 Pro が159,800円から、iPhone 16 Pro Max が189,800円からでした。米国では順に799ドル、899ドル、999ドル、1,199ドルからです。
カメラコントロールとは何ですか。
iPhone 16 の4機種の側面に新設された操作部です。クリック用のタクタイルスイッチ、軽く押す操作を読む感圧センサー、指でなぞる操作を読む静電容量センサーを組み合わせ、カメラの起動・撮影・録画と、ズームや露出の調整を1か所で行えます。iOS 18.2 からは長押しでビジュアルインテリジェンスも呼び出せるようになりました。iPhone 16e には搭載されていません。

出典

  1. 一次資料Apple、iPhone 16とiPhone 16 Plusを発表 — Apple Newsroom(日本), 2024年9月

    日本での価格(税込)と予約開始時刻、日本語対応の予告

    取得日: 2026-10-05

  2. 一次資料iPhone 16e - Tech Specs — Apple Support

    アクションボタンはあるがカメラコントロールの記載が無いことの確認

    取得日: 2026-10-05

  3. 一次資料Apple unveils iPhone 15 Pro and iPhone 15 Pro Max — Apple Newsroom, Sep 12, 2023

    アクションボタンの初出

    取得日: 2026-10-05

  4. 三次資料iPhone 16 — Wikipedia

    取得日: 2026-10-05

最終更新:

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