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Wi-Fi の始まり ── IEEE 802.11 の承認

メタデータ
- 日付
- 年代
- 1990s
- Tier
- T1
- 出典数
- 14
- 関連項目
- 01
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Wi-Fi はいつ生まれたのか。 1人の発明者と1つの日付で答えられる技術ではないが、出発点を1つ選ぶなら、無線 LAN の国際標準 IEEE 802.11 が IEEE の標準化委員会で承認された 1997年6月26日 である。この最初の規格は2.4GHz 帯の電波または赤外線を使い、Wikipedia によれば速度は毎秒1メガビットか2メガビットだった。普及のきっかけは1999年9月16日に承認された高速版の 802.11b で、同じ1999年に互換性を保証する業界団体が生まれ、「Wi-Fi」という名前はその団体が付けたブランドである。
規格の歩み
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 1997年6月26日 | IEEE 802.11-1997 が IEEE 標準化委員会で承認(発行は11月18日) |
| 1999年9月16日 | 802.11b(2.4GHz 帯の高速化)と 802.11a(5GHz 帯の高速物理層)が同じ日に承認 |
| 1999年 | 互換性を保証する業界団体が発足(のちの Wi-Fi Alliance) |
| 1999年7月21日 | Apple が iBook とワイヤレス LAN の AirPort を発表 |
| 2018年10月3日 | Wi-Fi Alliance が 802.11ax を「Wi-Fi 6」とする世代名を導入 |
| 2024年1月8日 | Wi-Fi Alliance が Wi-Fi CERTIFIED 7 の認証を開始 |
1997年の 802.11
IEEE の記載によれば、802.11-1997 は無線 LAN の媒体アクセス制御(MAC)層と物理層を定めた規格で、物理層を3種類持っていた。2.4〜2.5GHz 帯を使う無線が2つ ── 周波数ホッピング方式と直接拡散方式 ── と、ベースバンドの赤外線が1つである。
選択肢が多かったことは裏目にも出た。Wikipedia は、この最初の規格は選択肢が多すぎて製品同士の相互接続が難しいことがあり、それに基づいて作られたネットワークは比較的少なかったと書いている。
Wikipedia は、NCR と AT&T が1991年にオランダのニーウェハインで開発した WaveLAN を 802.11 の前身としている。もともとはレジのシステム向けだった。NCR の Vic Hayes は10年にわたり IEEE 802.11 の議長を務めた。
1999年の 802.11b と「Wi-Fi」という名前
普及の転機は、1999年9月16日に IEEE が承認した 802.11b だった。最初の規格の直接拡散方式をそのまま延長して速度を毎秒11メガビットまで引き上げたもので、Wikipedia によれば製品はその年のうちに出回り始めた。
同じ1999年、802.11b を推す企業が集まって業界団体を作った。Wikipedia によれば、名前は Wireless Ethernet Compatibility Alliance(WECA)で、3Com、Aironet、Harris Semiconductor、Lucent Technologies、Nokia、Symbol Technologies が加わっていた。Wi-Fi Alliance 自身の説明では、この団体は1999年に結成され、2000年に「Wi-Fi」を技術的な取り組みの正式な名称として採用し、組織名を Wi-Fi Alliance と発表した。一方 Wikipedia は2002年10月の報道を引いて、WECA が Wi-Fi Alliance になったのを2002年としており、改称の時期は資料によって異なる。
名前を考えたのはブランド・コンサルティング会社の Interbrand である。Wikipedia によれば、団体は「IEEE 802.11b Direct Sequence」よりも覚えやすい名前を求めて Interbrand に依頼した。Wi-Fi が「Wireless Fidelity」の略かどうかについては争いがある、と Wikipedia は書いている。
AirPort ── 1999年の値段
一般の利用者に無線 LAN を近づけた製品の一つが、Apple が1999年7月21日の Macworld Expo で iBook とともに発表した AirPort である。当時の TidBITS の記事によれば、AirPort は Lucent の技術と 802.11 の直接拡散方式に基づき、理論上の速度は毎秒11メガビット。iBook 用のカードは99ドル、AirPort ベースステーションは299ドルだった。同じ記事は、それまでは PC カードに少なくとも300ドル、ベースステーションに700〜1,100ドルかかったと比べている。
CSIRO の特許
Wi-Fi の歴史でしばしば名前が挙がるのが、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)である。CSIRO は1992年11月27日を優先日とする米国特許 5,487,069「Wireless LAN」を持ち、この特許は1996年1月23日に成立した。
CSIRO の2013年の資料によれば、同機構の研究者たちは、室内で電波が反射してこだまのように重なり受信を妨げる問題を解き、高速の室内無線通信を可能にする無線 LAN を発明した。発明者として John O'Sullivan、Terry Percival、Diet Ostry、Graham Daniels、John Deane の名を挙げ、20社を超える企業とライセンス契約を結び、約4億3,000万ドル(資料の表記は $430 million)のライセンス収入を得たとしている。O'Sullivan は2009年にオーストラリア首相科学賞を受けた。
「無線 LAN の発明」は CSIRO 自身の位置づけである。確かなのは、CSIRO が無線 LAN の技術の米国特許を持ち、多くの企業とライセンス契約を結んだことであり、規格そのものは IEEE 802.11 の作業部会で策定された。
世代の名前
Wi-Fi Alliance は2018年10月3日、規格の番号の代わりに世代の番号で呼ぶ方式を導入した。802.11n を Wi-Fi 4、802.11ac を Wi-Fi 5、802.11ax を Wi-Fi 6 とするもので、利用者が自分の機器や接続の世代を分かりやすくするためだとした。2024年1月8日には Wi-Fi CERTIFIED 7 の認証を始め、6GHz 帯を使える国での320MHz 幅のチャンネルや、複数の接続を同時に使う Multi-Link Operation(MLO)を新しい機能に挙げている。
無線の歴史の続きは モバイルの年表 と インターネットとウェブの年表 に、同じ2.4GHz 帯を使うもう一つの近距離無線については Bluetooth にある。有線の LAN の起点は Ethernet である。
よくある質問
- Wi-Fi はいつ発明されたのですか。
- 1人の発明者と1つの日付では答えられませんが、出発点は無線 LAN の国際標準 IEEE 802.11 が承認された1997年6月26日です。普及のきっかけは1999年9月16日に承認された 802.11b で、同じ1999年に結成された業界団体が「Wi-Fi」というブランド名を付けました。
- Wi-Fi は「Wireless Fidelity」の略ですか。
- はっきりしません。名前はブランド・コンサルティング会社の Interbrand が考案したもので、Wikipedia は「Wireless Fidelity」の略かどうかには争いがあるとしています。
- 最初の Wi-Fi の速度はどれくらいでしたか。
- 1997年の 802.11 は毎秒1メガビットか2メガビット、1999年の 802.11b は毎秒11メガビットでした。1999年に Apple が発表した AirPort も、理論上の速度は毎秒11メガビットでした。
- CSIRO が Wi-Fi を発明したのですか。
- オーストラリアの CSIRO は1996年に成立した米国特許「Wireless LAN」を持ち、自らの成果を無線 LAN の発明と位置づけ、20社超とのライセンスで約4億3,000万ドルの収入を得たとしています。一方、規格そのものは IEEE 802.11 の作業部会で策定されました。
出典
一次資料IEEE 802.11-1997 — IEEE Standards Association
1997年6月26日の承認、11月18日の発行、3つの物理層
一次資料Wireless technology having profound global impact — CSIRO impact case study, July 2013
CSIRO 側の説明。室内の反射の問題、発明者5人、20社超とのライセンス、約4億3,000万ドルの収入、2009年の首相科学賞
二次資料iBook: An iMac to Go — TidBITS, July 26, 1999
AirPort の価格(カード99ドル、ベースステーション299ドル)、Lucent の技術、理論上11Mbps
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