T1
iPhone 13 ── ノッチ縮小と ProMotion

メタデータ
- 日付
- 年代
- 2020s
- Tier
- T1
- 参照年表
- iPhone の歴史 · 携帯電話・スマートフォンの歴史
- 出典数
- 07
- 関連項目
- 02
iPhone 13 シリーズは2021年9月14日に発表され、9月17日(金)午後9時(日本時間)に予約が始まり、9月24日(金)に発売された。iPhone 13・13 mini・13 Pro・13 Pro Max の4機種は同じ日に出ている。前年の iPhone 12 が機種によって10月と11月に分かれたのとは違い、この年は9月の一斉発売に戻った。日本はオーストラリア・カナダ・中国・ドイツ・インド・英国・米国と並んで、プレスリリースに名前のある第一陣である。
日本での出発価格(税込)は、13 mini が86,800円、13 が98,800円、13 Pro が122,800円、13 Pro Max が134,800円。
外見の変化は小さい。カメラが斜めに並び、ノッチが少し細くなった程度である。この世代の中身は、画面・カメラ・電池・容量という、毎日触る部分の底上げにあった。以下、その4つを順に見る。
画面 ── 120Hz は Pro だけ
最大の変化は Pro の2機種に入った ProMotion である。Apple の英語版プレスリリースは、13 Pro と 13 Pro Max が iPhone 史上最も先進的なディスプレイを導入し、10Hz から 120Hz までのアダプティブリフレッシュレートに対応すると書いている。
リフレッシュレートは、画面を1秒に何回描き直すかを表す。120Hz ではスクロールやアニメーションが滑らかになり、動きの少ない表示では書き換えの回数を下げて電力を抑える。可変であることが要点で、速い画面と電池の持ちの両立を狙った仕組みだった。
iPhone では初めての ProMotion だったが、この世代では標準の iPhone 13 と 13 mini には入らなかった。画面の書き換え速度という、触ればすぐ分かる差が、Pro と標準機の境界線として引かれたことになる。
標準機の画面にも改善はあった。Apple は iPhone 13 の Super Retina XDR について、屋外での最大輝度が800ニトになり、前の世代より28パーセント明るくなったと説明している。
ノッチはどれだけ小さくなったか
iPhone X 以来、ほぼ同じ形だった画面上端の切り欠き ── ノッチ ── が、初めて小さくなった。
ただし、その大きさの数字には注意が要る。プレスリリースが書いているのは、再設計した TrueDepth カメラシステムが同じ技術を詰め込んだまま小さくなった、ということまでで、比率は書いていない。「20%」という数字は発表イベントでの説明で、9to5Mac の Benjamin Mayo は、TrueDepth の部品が20%小さい領域に収まったという Apple の説明を伝えたうえで、実機写真を並べると幅は狭くなったが高さはおよそ1mm 増しているように見える、と指摘した。
ノッチそのものが無くなるのは翌年の iPhone 14 Pro からである。
カメラ ── 動画のピントを機械に任せる
背面カメラは標準機でも斜め配置になり、見た目で前年と区別できるようになった。
中身の変化として、Apple は次のものを挙げている。
| 機能 | 対象 | Apple の説明の要点 |
|---|---|---|
| シネマティックモード | 4機種すべて | 動画で被写界深度の効果を付け、ピントを自動で移す。撮影後にもピント位置を編集できる |
| センサーシフト光学式手ぶれ補正 | 4機種すべて | 前年は 12 Pro Max だけのものだった。標準機の広角カメラにも入った |
| 広角の受光量 | 13 / 13 mini | 1.7µm の大きな画素で、光を47パーセント多く取り込む |
| フォトグラフスタイル | 4機種すべて | 好みの調整を、肌の色を保ちながら写真の部分ごとに適用する |
| マクロ撮影 | Pro のみ | 超広角カメラで最短2センチまで寄れる |
| 3倍望遠(77mm) | Pro のみ | 光学3倍ズーム |
| ProRes 動画 | Pro のみ | 発表時点では今後の iOS 15 のアップデートで提供予定とされた |
シネマティックモードは、映画で撮影助手が行う「フォーカス送り」── 画面の中で誰を見せるかに合わせてピントを移す操作 ── を端末が自動で行う機能である。人物が振り向く、画面に人が入ってくる、といった動きに合わせてピントが移る。動画を、撮った後に「どこにピントがあったか」まで編集できる素材として扱う発想だった。
センサーシフト式の手ぶれ補正が標準機まで降りてきたことも、地味だが大きい。前年は最上位の 12 Pro Max だけの機能だったものが、1年で最下位の 13 mini にまで入った。
電池 ── 数字はすべて Apple のもの
Apple は電池持ちの改善を、前年の同格の機種との比較で示した。
| 機種 | 比較対象 | 1日あたりの延長(Apple の公称) |
|---|---|---|
| iPhone 13 mini | iPhone 12 mini | 最大1.5時間 |
| iPhone 13 | iPhone 12 | 最大2.5時間 |
| iPhone 13 Pro | iPhone 12 Pro | 最大1.5時間 |
| iPhone 13 Pro Max | iPhone 12 Pro Max | 最大2.5時間 |
これはいずれも Apple 自身の測定にもとづく公称値で、使い方によって変わる。ProMotion を積んだ Pro でも電池持ちが延びたと Apple が主張している点は、リフレッシュレートを可変にした理由の一つが省電力だったと読める。
容量 ── 64GB が消えた
4機種とも、最小容量が128GBになった。標準機は前年の64GB から倍になったことになる。Pro には新たに 1TB が加わった。
逆に言えば、この世代で iPhone の新機種から64GB モデルが消えた。Apple は理由を説明していないが、シネマティックモードの動画や Pro の ProRes のように、大きなファイルを生む機能を増やした世代と重なっている。
mini の最後の世代
iPhone 13 mini は、5.4インチの mini として2年目のモデルだった。翌年の iPhone 14 シリーズの4機種に mini は無く、代わりに6.7インチの iPhone 14 Plus が入った。小さな iPhone を望む声は残ったが、ラインナップの上では、この世代で mini は終わった。
5G と A15
通信面では、iPhone 13 シリーズはより多くの 5G バンドに対応し、より多くの場所で 5G を使えるようになったと Apple は説明した。チップは A15 Bionic で、Apple は6コア CPU が他社より最大50パーセント速く、スマートフォンで最速だと主張している。比較対象は他社のスマートフォンであって、前年の iPhone ではない点に注意が要る。
よくある質問
- iPhone 13 はいつ発売されましたか。
- 発表は2021年9月14日、予約受付は9月17日、発売は9月24日です。iPhone 13・13 mini・13 Pro・13 Pro Max の4機種とも同じ9月24日に発売され、日本はオーストラリア・カナダ・中国・ドイツ・インド・英国・米国などと並んで最初の発売国に含まれていました。
- iPhone 13 は 120Hz に対応していますか。
- 120Hz に対応するのは iPhone 13 Pro と 13 Pro Max だけです。この2機種は 10Hz から 120Hz まで可変する ProMotion を iPhone で初めて搭載しました。標準の iPhone 13 と 13 mini には ProMotion はありません。
- iPhone 13 のノッチはどれくらい小さくなりましたか。
- Apple は発表イベントで、TrueDepth カメラの部品が20%小さい領域に収まったと説明しました。プレスリリースは数字を挙げず「小型化した」とだけ書いています。実機の比較では幅は狭くなった一方、高さはわずかに増しています。
- 日本での iPhone 13 シリーズの発売時の価格はいくらでしたか。
- 税込で、iPhone 13 mini が86,800円から、iPhone 13 が98,800円から、iPhone 13 Pro が122,800円から、iPhone 13 Pro Max が134,800円からでした。最小容量はいずれも128GB です。
出典
一次資料Apple、iPhone 13とiPhone 13 miniを発表 — Apple Newsroom(日本), 2021年9月
日本での価格(税込)と予約・発売日
発表イベントでの「20%」の説明と、幅が狭く高さがわずかに増した点
一次資料Apple introduces iPhone 14 and iPhone 14 Plus — Apple Newsroom, Sep 7, 2022
翌年のラインナップに mini が無いことの確認
最終更新: