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検索エンジンの歴史

Web の急成長を支えた索引装置、 検索エンジン。 ディレクトリ式の Yahoo、 全文検索の AltaVista、 PageRank の Google、 そして 2020 年代の生成 AI が再定義した「答えを返す検索」── 二度の世代交代を経て、 検索は読む技術から書く技術へ移った。

1990年代

1990年代、 Web の探し方は5年足らずで三つの方式を通過した。 Yahoo! は院生二人のブックマークを分野別に並べた、 人の手で編む目録として始まる。 AltaVista は DEC の Alpha サーバの見本を兼ね、 ページ本文の語をすべて索引に入れた。 1998年、 Google の創業者は論文で、 語の一致に頼る検索の結果の粗さを指摘し、 ページに向かうリンクを主な手がかりに、 アンカーテキストなども併せて順位を導く方式を示す。 2000年に Google が Yahoo! の検索結果を供給し始めると、 目録と順位付けの主従が逆転し始める。

  1. Verizon Media / Pentagram (Wikimedia Commons) · Public domain (below threshold of originality; trademark applies) · Commons ↗

    スタンフォード大学院の電気工学博士課程に在籍していた Jerry Yang と David Filo が、 1994年初頭から自分用に集めていたお気に入りリンク集を「Jerry and David's Guide to the World Wide Web」として公開し、 3月に「Yahoo!」に改名した。 階層分類された人手キュレーションのディレクトリ式索引で、 全文検索が未成熟だった Web の最初の地図となる。 1995年3月会社設立、 1996年4月の IPO で公開時価総額約8.5億ドル、 1998年には1日9500万ページビューを記録。 2000年代には Google のアルゴリズム検索に主役を奪われ、 2017年 Verizon が中核事業を約44.8億ドルで買収する形で独立企業としての歴史を終えた。

    関連企業・組織
    Google

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  2. AltaVista のロゴ ── 山と空のイラスト入りワードマーク
    AltaVista (Wikimedia Commons) · Public domain (below threshold of originality; trademark applies) · Commons ↗

    Digital Equipment Corporation (DEC) の Western Research Lab とパロアルト研究所が共同開発した検索エンジン AltaVista を公開。 多スレッドクローラ Scooter と高速バックエンド TurboVista の組合せで、 公開時点で約1600万ページを索引化、 開設初日30万ヒット、 1997年には1日8000万ヒットのピークに達した。 同時期の Yahoo! ディレクトリと違い、 ページ本文全体を対象とする本格的フルテキスト検索を実現した最初のサービス。 DEC 製64ビット Alpha サーバの性能アピール装置でもあった。 1998年 Compaq が DEC を買収、 2003年 Overture が1.4億ドルで買収、 同年 Yahoo が Overture を吸収、 2013年7月8日にサービス終了。

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2000年代

2000年代の終わり、 検索は一つの主役と一つの稼ぎ方に落ち着いていた。 2008年の米国シェアは Google が約65%、 Yahoo が約20%、 Microsoft が約8%で、 3社とも利用者の検索履歴を蓄えて広告の狙いに使っていた。 同じ年の9月、 Weinberg はパオリの自宅から、 IP も検索語も記録せず、 誰にでも同じ結果を返す DuckDuckGo を一人で公開する。 規模は小さいが、 2013年の監視の暴露で利用は1ヶ月で3倍になり、 追跡しない検索という選択肢は次の十年へ残った。

  1. DuckDuckGo (Wikimedia Commons) · Public domain (below threshold of originality; trademark applies) · Commons ↗

    Gabriel Weinberg がペンシルベニア州パオリで、 ユーザの IP・検索履歴・パーソナル情報を保存しないプライバシー重視の検索エンジン DuckDuckGo を公開。 同年初頭から自宅で個人開発、 9月25日に commercial launch を実施。 2010年代を通して「Google を追跡から守る代替」のポジションを確立し、 2020年代には1日約1億クエリ、 米国市場シェア約1.8%、 全世界月間約30億クエリにまで成長。 2014年から Apple Safari、 Mozilla Firefox の標準検索エンジン選択肢に採用、 2018年にプライバシー重視ブラウザ DuckDuckGo Browser を公開。

    関連企業・組織
    Apple · Microsoft

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2010年代

この年表の2010年代が示すのは、 検索エンジンが問い合わせを読む方法の変化である。 2018年10月、 Google の研究者は、 語の左右両側の文脈を同時に使うよう事前学習した言語モデル BERT を発表し、 翌月には学習済みの重みも公開した。 2019年10月、 Google はそれを米国の英語検索の10件に1件に使い始め、 12月には70を超える言語へ広げる。 論文から実運用まで、 およそ1年だった。 検索の内側に入った言語モデルは、 次の十年、 答えそのものを書き始める。

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2020年代

2020年代、 検索はリンクの一覧から、 文章で答えて出典を添える形へ移り始めた。 先行したのは新興の Perplexity で、 ChatGPT 公開の7日後、 Web 検索で LLM の回答を裏付け、 脚注に出典を示す設計を出す。 既存勢が続き、 Microsoft は Bing に対話機能を入れ、 Google は2024年、 米国の検索結果の冒頭に AI Overviews を置いた。 直後、 ピザに接着剤を勧める類の誤答が広まる。 OpenAI も検索の試作を ChatGPT に組み込んだ。 答えが画面で完結することが出版社と広告に何をもたらすかは、 未決である。

  1. Perplexity AI / Alisperic (Wikimedia Commons) · Public domain (below threshold of originality; trademark applies) · Commons ↗

    Aravind Srinivas、 Denis Yarats、 Johnny Ho、 Andy Konwinski の4名がサンフランシスコで設立した Perplexity AI が、 LLM と Web リアルタイム検索を組み合わせた「回答する検索エンジン」を公開。 ChatGPT 公開(11月30日) からわずか7日後のローンチで、 「LLM 単体ではなく検索と接続された LLM」という現代 AI 検索の原型を業界外で先に提示した。 各回答に Web 出典の脚注がつき、 「LLM の作り話を、 検索で接地する」設計思想を最初に大規模実装。 2026年初頭の Series E-6 で評価額約212億ドル、 月間アクティブユーザは約4500万、 2025年5月単月で7.8億クエリを処理。

    関連企業・組織
    Microsoft
    関連用語
    ハルシネーション · 大規模言語モデル · RAG(検索拡張生成)

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  2. EVT.007T1New Bing と Microsoft Copilot ── 検索への LLM 統合AIの歴史Microsoftの歴史詳細を読む →
  3. EVT.008T1AI 検索の浸食 ── Google AI Overviews と Perplexity の台頭インターネットとWebの歴史詳細を読む →
  4. OpenAI (Wikimedia Commons) · Public domain (below threshold of originality; trademark applies) · Commons ↗

    OpenAI が AI 検索の「一時的なプロトタイプ」SearchGPT を、 待機リスト付きの小規模テストとして公開。 OpenAI 自身が発表時点で「最良の部分を ChatGPT に統合する」と明言しており、 単独製品として売るつもりは初めからなかった。 LLM の自然言語回答とリアルタイム Web 検索結果、 インライン出典リンクを組合せた UI を提示。 2024年10月31日、 「ChatGPT search」として ChatGPT Plus / Team と SearchGPT 待機リスト登録者に提供開始。 同年12月16日にログイン済み無料ユーザ、 2025年2月5日には chatgpt.com でログイン不要に。 Google の検索独占、 Perplexity の先行優位、 Microsoft Copilot との競合という三正面の構図に、 OpenAI が直接ユーザ接点で参入した転換点。

    関連企業・組織
    OpenAI
    関連用語
    大規模言語モデル

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