詳述 · 12件の出来事
オープンソースの歴史
1960年代
1970年代
Poul-Henning Kamp (Wikimedia Commons) · Beerware License · Commons ↗ カリフォルニア大学バークレー校の大学院生 Bill Joy が 1977 年から編集していた「First Berkeley Software Distribution(1BSD)」が配布された。 AT&T Bell 研究所の UNIX 第6版に載せる追加物であって、 単独の OS ではない。 中身は Pascal 処理系と、 その中に紛れ込ませた ex エディタで、 出た本数は 1 年かけて約30本。 ここから 2BSD の vi と C シェル、 4.2BSD の TCP/IP とソケット、 SunOS、 FreeBSD / NetBSD / OpenBSD、 macOS の基盤に至る半世紀の系譜が始まる。 1992-1994 年の USL v. BSDi 訴訟は和解で決着し、 「コードを再配布する権利」がライセンスで担保されるという現代 OSS の前提を形作った。
1980年代

Ruben Rodriguez (Wikimedia Commons) · CC BY 4.0 · Commons ↗ MIT 人工知能研究所の Richard Stallman が、 Usenet ニュースグループ net.unix-wizards と net.usoft に「new UNIX implementation」という件名で投稿し、 「Free Unix!」の一行から始まる本文で、 「GNU(GNU's Not Unix)」と呼ぶ UNIX 互換システムをゼロから書き、 自由に再配布できる形で公開すると宣言した。 実際の着手は 1984年1月、 GNU マニフェストは 1985年、 Free Software Foundation(FSF) 設立も 1985年、 1989年 GPLv1、 1991年 GPLv2 ── Linux カーネルが 1992年にこの GPL を採用したことで、 GNU と Linux が結合し、 現代の OSS 経済圏が成立する。 「フリーソフトウェア」という思想と法的フレームワークの起点。
1990年代
- EVT.004T1Linux ── 21歳の Linus Torvalds による発表OSの歴史IT全史 ── 計算機が世界を編み変える詳細を読む →
- EVT.005T2NCSA Mosaic ── 画像が表示できる Web ブラウザインターネットとWebの歴史IT全史 ── 計算機が世界を編み変える
- EVT.006T2Netscape Navigator 1.0 リリースインターネットとWebの歴史
Apache Software Foundation (Wikimedia Commons) · Apache License 2.0 · Commons ↗ NCSA HTTPd の開発が停滞したことを受けて、 Brian Behlendorf ら8人の Web 管理者が独立して維持・拡張を続け、 1995年4月に Apache HTTP Server 0.6.2 を公開した。 名前の由来は NCSA HTTPd へのパッチ集 ── 「a patchy server」。 1996年には世界最大シェアの Web サーバとなり、 2019年に Nginx に抜かれるまで20年以上首位を守り続けた。 1999年に Apache Software Foundation 設立、 Apache License 2.0(2004年)は現代 OSS の最も広く採用される寛容ライセンスの一つに。
Mozilla Foundation (Wikimedia Commons) · CC BY 3.0 / MPL 2.0 · Commons ↗ Internet Explorer に追い込まれた Netscape Communications が、 次世代 Communicator のソースコード公開と現行クライアントの即日無償化を発表。 2月23日に mozilla.org がプロジェクトとして立ち上がり、 3月31日に Netscape Public License 1.0(新規ファイルは MPL 1.0) でコードが公開された。 商用主力製品をオープンソース化する初の本格的事例で、 Eric Raymond の論文「伽藍とバザール」が経営判断に影響を与えたと Netscape の CTO 自身が認めている。 ここから Mozilla Suite、 2002年 Mozilla 1.0、 2004年 Firefox 1.0、 そして現在の Mozilla Foundation / Corporation 構造に至る系譜が始まる。
2000年代
Jason Long (Wikimedia Commons) · CC BY 3.0 · Commons ↗ Linux カーネル開発で使われていた BitKeeper の無償版提供停止を受けて、 Linus Torvalds が独自の分散バージョン管理システムを設計・実装。 2005年4月3日に開発開始、 7日に最初の self-hosting コミット、 4月16日には Linux カーネル本体(2.6.12-rc2) が Git リポジトリに取り込まれた ── 13日、 Torvalds 自身の言葉では「about 10 days」。 SHA-1 ハッシュによる内容アドレッシング、 軽量ブランチ、 分散リポジトリという設計が標準となり、 GitHub・GitLab・Bitbucket の基盤、 そして現代ソフトウェア開発の不可欠インフラとなった。
GitHub (Wikimedia Commons) · CC BY 4.0 · Commons ↗ Tom Preston-Werner、 Chris Wanstrath、 PJ Hyett、 Scott Chacon の4人が、 2008年4月10日に GitHub を一般公開(ベータは2008年2月から)。 Git のコマンドラインの難しさを Web UI で隠蔽し、 Pull Request・Fork・Issue・Star というソーシャル機能を被せたことで、 OSS の開発・発見・採用が爆発的に加速。 2018年に Microsoft が75億ドルで買収(既存イベント github-acquisition-2018)、 2024年末には1億5000万人の開発者・5億1800万プロジェクトを抱え、 現代ソフトウェア開発の事実上の公共インフラとなった。
2010年代
- EVT.011T3Microsoft が GitHub を75億ドルで買収Microsoftの歴史