詳述 · 12件の出来事
オープンソースの歴史
1960年代
01 件
Unknown (via Jargon File, Wikimedia Commons) · Public Domain · Commons ↗ Multics 計画から離脱した Ken Thompson が、AT&T Bell 研究所で空いていた PDP-7 上に簡略なタイムシェアリング OS を作り始めた。当初は1人のための実験だったが、Dennis Ritchie が加わり、1970年に「UNICS(後の UNIX)」と命名。C 言語(1972年)への書き換えで移植性を獲得し、その後の50年を支配する OS 系譜の起源となった。Linux、macOS、Android、iOS の祖である。
- 関連人物
- ケン・トンプソン · デニス・リッチー
- 関連企業・組織
- ベル研究所
- 登場する年表
- IT全史 ── 計算機が世界を編み変える · OSの歴史
1970年代
01 件Poul-Henning Kamp (Wikimedia Commons) · Beerware License · Commons ↗ カリフォルニア大学バークレー校の Computer Systems Research Group(CSRG)が、 AT&T Bell 研究所の UNIX V6 を拡張した最初の配布物「First Berkeley Software Distribution(1BSD)」を公開した。 Bill Joy が中心となって編集したテープには ex エディタや Pascal コンパイラが含まれ、 配布数は約30本。 ここから 4BSD 系列、 SunOS、 FreeBSD / NetBSD / OpenBSD、 macOS の Darwin カーネルに至る半世紀の系譜が始まる。 1991-1994 年の USL v. BSDi 訴訟は和解で決着し、 「コードを再配布する権利」がライセンスで担保されるという現代 OSS の前提を形作った。
- 関連企業・組織
- ベル研究所
1980年代
01 件
Ruben Rodriguez (Wikimedia Commons) · CC BY 4.0 · Commons ↗ MIT 人工知能研究所の Richard Stallman が、 Usenet ニュースグループ net.unix-wizards と net.usoft に「Free Unix!」と題する投稿を行い、 「GNU(GNU's Not Unix)」と呼ぶ UNIX 互換システムをゼロから書き、 自由に再配布できる形で公開すると宣言した。 1985年に Free Software Foundation(FSF) 設立、 1989年 GPLv1、 1991年 GPLv2 ── Linux カーネルがこの GPLv2 を採用したことで、 GNU と Linux が結合し、 現代の OSS 経済圏が成立する。 「フリーソフトウェア」という思想と法的フレームワークの起点。
1990年代
05 件
Lukas Schulze / SPORTSFILE (Wikimedia Commons) · CC BY 2.0 · Commons ↗ Helsinki 大学の学生 Linus Torvalds が comp.os.minix に「I'm doing a (free) operating system (just a hobby, won't be big and professional like gnu)」と投稿。最初のソースは 10,000 行ほどで、Minix の影響を受けつつ、独自のカーネルとして書かれていた。1992年には GPL の下で公開され、世界中の開発者からの貢献を受けて成長 ── 2026年現在、世界のサーバ・スマートフォン・スーパーコンピュータの大部分を駆動する OS の核となっている。
- 関連人物
- リーナス・トーバルズ
- 登場する年表
- IT全史 ── 計算機が世界を編み変える · OSの歴史
イリノイ大学 NCSA の Marc Andreessen と Eric Bina が開発した、文字と画像をひとつの頁に統合して表示する初の主要 Web ブラウザ。Windows、Mac、UNIX 向けに無償配布され、それまで研究者だけのものだった Web を、一気に一般ユーザの視界に持ち込んだ。Andreessen は翌年 Netscape を共同創業し、商業 Web の時代が始まる。
- 登場する年表
- IT全史 ── 計算機が世界を編み変える · インターネットとWebの歴史
Mosaic を作った Marc Andreessen と Jim Clark が共同創業した Netscape Communications が、商用 Web ブラウザ Navigator 1.0 を公開。1995年8月の IPO は初日に株価が3倍となり、ドットコムバブルの本格的な開始点として記録される。Microsoft の Internet Explorer との「ブラウザ戦争」を経て1998年に AOL に買収されるが、オープンソース化された Netscape のコードが後の Mozilla / Firefox の起源となる。
- 登場する年表
- インターネットとWebの歴史
Apache Software Foundation (Wikimedia Commons) · Apache License 2.0 · Commons ↗ NCSA HTTPd の開発が停滞したことを受けて、 Brian Behlendorf ら8人の Web 管理者が独立して維持・拡張を続け、 1995年4月に Apache HTTP Server 0.6.2 を公開した。 名前の由来は NCSA HTTPd へのパッチ集 ── 「a patchy server」。 1996年には世界最大シェアの Web サーバとなり、 以後20年以上にわたり過半数シェアを維持。 1999年に Apache Software Foundation 設立、 Apache License 2.0(2004年)は現代 OSS の最も広く採用される寛容ライセンスの一つに。
Mozilla Foundation (Wikimedia Commons) · CC BY 3.0 / MPL 2.0 · Commons ↗ Internet Explorer に追い込まれた Netscape Communications が、 主力製品 Netscape Communicator のソースコード公開を発表。 3月31日に実際にコードが公開され、 同時に mozilla.org が新規プロジェクトの調整役として設立された。 商用主力製品をオープンソース化する初の本格的事例で、 Eric Raymond の論文「伽藍とバザール」が経営判断に影響を与えたとされる。 ここから Mozilla Suite、 2002年 Mozilla 1.0、 2004年 Firefox 1.0、 そして現在の Mozilla Foundation / Corporation 構造に至る系譜が始まる。
2000年代
02 件Jason Long (Wikimedia Commons) · CC BY 3.0 · Commons ↗ Linux カーネル開発で使われていた BitKeeper の無償ライセンス停止を受けて、 Linus Torvalds が独自の分散バージョン管理システムを設計・実装。 2005年4月3日に開発開始、 7日に最初の self-hosting コミット、 4月20日には Linux カーネル本体が Git で管理開始 ── わずか10日強の劇的な立ち上げ。 SHA-1 ハッシュによる内容アドレッシング、 軽量ブランチ、 分散リポジトリという設計が標準となり、 GitHub・GitLab・Bitbucket の基盤、 そして現代ソフトウェア開発の不可欠インフラとなった。
- 関連人物
- リーナス・トーバルズ
GitHub (Wikimedia Commons) · CC BY 4.0 · Commons ↗ Tom Preston-Werner、 Chris Wanstrath、 PJ Hyett、 Scott Chacon の4人が、 2008年4月10日に GitHub を一般公開(ベータは2008年2月から)。 Git のコマンドラインの難しさを Web UI で隠蔽し、 Pull Request・Fork・Issue・Star というソーシャル機能を被せたことで、 OSS の開発・発見・採用が爆発的に加速。 2018年に Microsoft が75億ドルで買収(既存イベント github-acquisition-2018)、 2024年現在1億5000万ユーザ・4億2000万リポジトリを抱え、 現代ソフトウェア開発の事実上の公共インフラとなった。
2010年代
01 件Microsoft が、開発者向けコード共有・コラボレーションサービス GitHub を株式交換で買収完了。長年「オープンソースは知的所有権の盗難」と論じていた1990年代の Microsoft からの完全な路線転換を象徴する取引。GitHub は買収後も独立運営を継続し、2021年の Copilot 公開、2023年の Copilot Chat 等で AI 統合プラットフォームへと進化した。
- 関連企業・組織
- Microsoft
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- Microsoftの歴史
2020年代
01 件
Dbeef / 0xDeadbeef (Wikimedia Commons) · CC0 1.0 (Public domain dedication) · Commons ↗ Linus Torvalds が Linux 6.1 のリリース時、 Rust 言語による初期サポートを正式マージ。 1973年以来、 Linux カーネルは事実上 C のみで書かれていたが、 メモリ安全性を保証する Rust が本格的にカーネル開発に持ち込まれた歴史的瞬間。 当初はデバイスドライバから段階的に拡張され、 2024年以降は Apple Silicon GPU ドライバ、 NVMe、 ファイルシステムなどで Rust 実装が本格普及。 一部 C 派の保守的メンテナと Rust 派の対立も発生(2024年の「Rust for Linux 内紛」)し、 言語選択をめぐるソフトウェア文化の世代交代を象徴する出来事になった。
- 関連人物
- リーナス・トーバルズ
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- プログラミング言語の歴史 · OSの歴史