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AIと医療の歴史

医療は AI が最も早く試され、 最も慎重に評価されてきた分野である。 1970年代の診断支援システムから、 2018年に米国 FDA が医師の読影なしで判定する AI 診断機器を認め、 同じ年に日本でも AI を使った内視鏡診断支援ソフトが承認される。 タンパク質の構造予測はノーベル賞に届いた。 一方で、 広く使われた予測モデルが外部検証で期待を下回り、 大型の医療 AI 事業は売却された。 成功と失敗を、 試験の規模と設計とともに辿る。

1980年代

  1. EVT.001T1エキスパートシステムの隆盛AIの歴史詳細を読む →

2010年代

2010年代の終わり、 医療 AI は研究の成果から、 規制当局が審査して市場に出す機器へと移った。 2018年4月、 米 FDA は眼底写真から糖尿病網膜症を判定し、 医師が画像を読まずに紹介か再検査かを返すソフトを認め、 同年12月には日本で、 大腸ポリープが腫瘍性かどうかを数値で示して内視鏡医を助けるソフトが承認された。 片や読影の代わり、 片や医師の補助と役割は逆だが、 どちらも市販後に学習しない固定版として審査されている。 根拠は精度の試験で、 患者が本当に得をするかは次の十年に持ち越された。

  1. EVT.002T1IDx-DR ── 医師の読影なしで判定を出す AI を FDA が認めるAIの歴史AIと社会の歴史詳細を読む →
  2. EVT.003T1EndoBRAIN ── 国内初とされる AI 医療機器の承認AIの歴史AIと社会の歴史詳細を読む →

2020年代

2020年代の医療 AI は、 性能の主張を誰がどう確かめるかで評価が分かれた。 数百の病院に入っていた電子カルテ組み込みの敗血症予測は、 外部の検証で開発元の示した数字を大きく割り込み、 Watson で医療に乗り込んだ IBM はデータと分析の資産を手放す。 言語モデルは医師国家試験形式の問題で合格線を越えたが、 著者自身が臨床医に及ばないと書いた。 スウェーデンの検診では、 ランダム化試験が AI 支援を実際の読影に組み込んで中間期がんの率で比べ、 タンパク質の構造予測には2024年、 ノーベル化学賞が贈られた。

  1. EVT.004T1AlphaFold 2 ── アミノ酸配列からタンパク質の形を当てるAIの歴史詳細を読む →
  2. EVT.005T1Epic 敗血症予測モデルの外部検証 ── 数百の病院で動いていた予測の実力AIの歴史AIと社会の歴史詳細を読む →
  3. EVT.006T1IBM Watson Health の売却 ── 医療 AI の旗艦が投資会社に渡るまでAIの歴史AIと社会の歴史詳細を読む →
  4. EVT.007T1Med-PaLM ── 医師国家試験形式の問題で合格ラインを越えた言語モデルAIの歴史AIと社会の歴史詳細を読む →
  5. EVT.008T1MASAI 試験 ── AI を使った乳がん検診を初めてランダム化比較試験で確かめるAIの歴史AIと社会の歴史詳細を読む →
  6. EVT.009T1AI 研究にノーベル賞 ── 物理学・化学を同時受賞AIの歴史IT全史 ── 計算機が世界を編み変える詳細を読む →