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Pepper ── ソフトバンクが売り出した、感情を読むとうたう人型ロボット

メタデータ
- 日付
- 年代
- 2010s
- Tier
- T1
- 出典数
- 10
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- 01
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Pepper は、ソフトバンクモバイルが2014年6月5日に発表した人型ロボットである。フランスの Aldebaran Robotics との共同開発で、発表資料の題は「世界初の感情認識パーソナルロボット」だった。「世界初」はソフトバンクの主張である。発表の翌日からソフトバンクの表参道店と銀座店で接客に立ち、開発者向けの300台が2015年2月27日に、一般向けの販売が2015年6月20日に始まった。
本体価格は198,000円(税抜)。ただしウェブで買うには、月額の基本プランと保険パックにそれぞれ36か月加入する必要があった。6月分として用意された1,000台は、受付開始から1分で売り切れた。
発表から販売までの日付
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2014年6月5日 | ソフトバンクモバイルと Aldebaran が Pepper を発表。2015年2月に198,000円で発売予定と告知 |
| 2014年6月6日 | ソフトバンク表参道・銀座で店頭での実演を開始 |
| 2014年9月 | 開発者向けのイベントを開き、SDK を提供する計画 |
| 2015年2月27日 | 開発者向けに初回生産分300台を販売 |
| 2015年6月18日 | 一般販売の日時と料金を発表。同日、Alibaba と Foxconn のロボット事業への出資も発表 |
| 2015年6月20日 | 一般販売開始。6月分1,000台が1分で完売 |
| 2015年7月31日 | 7月分1,000台の受付開始 |
当初の予定だった2015年2月の発売は、開発者向けの先行販売という形になり、一般向けは夏にずれた。ケータイ Watch は2月の時点で、その後の販売を2015年夏頃の予定と伝えている。
どんな機械だったか
発表資料の仕様(予定)は次のとおり。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 寸法 | 高さ1,210mm × 奥行425mm × 幅485mm |
| 重量 | 28kg |
| 移動 | 車輪。最高時速3km、段差は1.5cmまで |
| 電池 | リチウムイオン、30.0Ah/795Wh。連続稼働12時間以上(店頭での利用時) |
| 頭のセンサー | マイク4、RGB カメラ2、3D センサー1、タッチセンサー3 |
| 脚部のセンサー | ソナー2、レーザー6、バンパー3、ジャイロ1 |
| ディスプレイ | 胸に10.1インチのタッチディスプレイ |
| モーター | 20 |
ASIMO や Atlas と違って、Pepper は二足で歩かない。人の上半身の形をした体を車輪の台座に載せ、歩く技術ではなく、人と向き合って話すことに重心を置いた。
PC Watch によれば、製造は Foxconn が担い、発表会には同社の Terry Gou が出席した。開発には、ソフトバンクグループが出資する Aldebaran の創業者 Bruno Maisonnier が関わった。
「感情を読む」という売り方
Pepper の売り物は、仕様表の数字ではなく感情だった。ソフトバンクの説明では、Pepper は表情や声の調子から人の感情を推し量る。発表会では孫正義社長の笑顔を点数にする実演が行われた。各台が学んだ感情のデータはクラウド上の感情データベースに集められ、他の Pepper にも反映される仕組みとされ、そのデータを運用する会社として Cocoro SB の設立も発表された。孫社長は発表資料の中で、感情エンジンと、集合知で進化するクラウド AI を使うと述べている。
1年後、一般販売を告げる2015年6月18日の発表資料の題は「世界初となる自分の感情を持ったパーソナルロボット」になっていた。人の感情を読むロボットから、自分の感情を持つロボットへ。いずれも会社の主張であって、外部の検証を経た性能ではない。
売り方 ── 本体は安く、月額で回収する
一般販売の料金は次のとおり(すべて税抜)。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 本体 | 198,000円 |
| Pepper 基本プラン | 14,800円 × 36か月 |
| Pepper 保険パック | 9,800円 × 36か月 |
| ロボット手続き手数料 | 9,800円 |
ウェブ購入では基本プランと保険パックへの加入が条件で、3年間の総額は本体価格を大きく上回る。それでも6月20日午前10時に始まった受付では、6月分の1,000台が1分で埋まり、7月分の1,000台も7月31日から受け付けた。発表資料は、法人向けの「Pepper for Biz」を同年秋に出す予定も示していた。
同じ6月18日には、Alibaba と Foxconn がソフトバンクのロボット事業の中間持株会社に各145億円を出資することで合意したと発表された。出資後の持ち分はソフトバンク60%、両社が各20%で、3社は Pepper を世界の市場へ広げるとした。
生産の停止
2021年6月28日、Reuters は関係者と内部文書をもとに、Pepper の生産が前年に止まっていたと報じた。製造台数は、関係者の1人によれば約2万7,000台。機能が限られ、信頼性が低かったことが販売の伸び悩みにつながったとも伝えている。フランスのロボット部門では、330人の約半数を削減する計画が報じられた。
翌日の Bloomberg の報道(Fortune 掲載)は、在庫が積み上がって8月に組み立てが止まったと伝え、ソフトバンクの広報担当者は将来生産を再開する可能性はあるとした。Reuters は7月21日の続報で、中国の Foxconn の工場での生産が前年に止まり、ソフトバンクに残る Pepper は2,000台未満だと文書をもとに伝えている。
同じ頃、ソフトバンクは別の人型ロボットの会社も手にしていた。Boston Dynamics は2017年にソフトバンクの傘下に入り、2021年に現代自動車グループへ移っている(Atlas の記事を参照)。
人型ロボット全体の流れは ヒューマノイドとAIロボットの年表 を参照。
よくある質問
- Pepper はいつ発表・発売されたのですか。
- 発表は2014年6月5日です。開発者向けの300台が2015年2月27日に、一般向けの販売が2015年6月20日午前10時にウェブで始まりました。
- Pepper の価格はいくらでしたか。
- 本体は198,000円(税抜)でした。ウェブ購入では、月14,800円×36か月の基本プランと月9,800円×36か月の保険パックへの加入が必要で、別にロボット手続き手数料9,800円がかかりました(いずれも税抜)。
- Pepper は本当に感情を理解したのですか。
- ソフトバンクは「世界初の感情認識パーソナルロボット」と発表し、表情や声から感情を推し量ると説明しました。これは会社の主張です。2021年の Reuters の報道は、機能が限られ信頼性が低かったことが販売の伸び悩みにつながったと関係者の話として伝えています。
- Pepper の生産は終わったのですか。
- Reuters は2021年6月、生産が前年に止まったと関係者と内部文書をもとに報じ、製造台数を約2万7,000台としました。Bloomberg は在庫が積み上がって組み立てが止まったと伝え、ソフトバンクの広報担当者は将来再開する可能性はあるとしています。
出典
発表日、共同開発、「世界初」の主張、198,000円・2015年2月の発売予定、店頭での実演、仕様、SDK
一次資料世界初となる自分の感情を持ったパーソナルロボット「Pepper」を6月20日より販売開始 — ソフトバンク、2015年6月18日
一般販売の日時、6月分1,000台、価格と月額プラン、Pepper for Biz の予定
一次資料Pepperの7月販売分1,000台、7月31日より申し込み受け付け開始 — ソフトバンク、2015年7月3日
6月分1,000台が1分で完売
Alibaba と Foxconn が各145億円を出資、出資比率60:20:20
二次資料ソフトバンク、感情を理解して自律動作するロボット「Pepper」を発表 — PC Watch、2014年6月5日
Foxconn による製造、感情データのクラウド集約、Cocoro SB の設立、車輪での移動
前年の生産停止、製造約2万7,000台、フランスの人員削減、販売不振の理由
在庫の積み上がりによる組み立て停止と、再開の可能性についての広報担当者の説明
中国の Foxconn 工場での生産停止、残り2,000台未満
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