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ASIMO ── ホンダが2000年に発表した二足歩行ロボット

メタデータ
- 日付
- 年代
- 2000s
- Tier
- T1
- 出典数
- 07
- 関連項目
- 01
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ASIMO(アシモ)は、本田技研工業が2000年11月20日に発表した人間型ロボットである。同社は同じ日に東京の本社で実演を行った。身長120cm・重量43kgと、前身の試作機 P3 から大幅に小さく軽くなり、次の動きを予測して重心を先に移す新しい歩行制御によって、人に近い滑らかな歩き方を実現した。名前は Advanced Step in Innovative Mobility の略である。日本のヒューマノイドロボット研究を、企業の手で一般の目に届く形にした機械だった。
1986年から14年
ホンダが二足歩行ロボットの研究を始めたのは1986年である。同社の開発史によると、最初の E0 は脚を交互に動かして歩いたが、1歩に約15秒かかり、直線しか歩けなかった。E1〜E3(1987〜1991年)では人や動物の歩き方を調べて速い歩行のプログラムを作り、E4〜E6(1991〜1993年)で安定して歩くための姿勢制御の技術を3つ開発した。
| 年 | 機種 | 主な内容(ホンダの開発史による) |
|---|---|---|
| 1986年 | E0 | 二足歩行の研究機。1歩に約15秒、直線のみ |
| 1993年 | P1 | 胴体と腕を持つ最初の人型。全高1,915mm・175kg、電源と計算機は外部 |
| 1996年12月 | P2 | 計算機と電池を胴体に収め、無線で動く。全高1,820mm・210kg。歩行、階段の昇降、台車押し |
| 1997年9月 | P3 | 全高1,600mm・130kg に小型化 |
| 2000年 | ASIMO | 全高1,200mm・43kg。家庭の階段や坂も移動 |
ホンダは P2 を、世界初の二足歩行の人間型ロボットとして1996年12月に発表したと開発史に書いている。ケーブルにつながずに自分の体の中の電池と計算機で歩いた点が、この主張の要である。
ASIMO の諸元
2000年の発表資料が示した ASIMO の主な数字は次のとおり。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 全高 | 1,200mm(P3 は1,600mm) |
| 重量 | 43kg(P3 は130kg) |
| 自由度 | 合計26(頭2・腕10・手2・脚12) |
| 歩行速度 | 時速0〜1.6km |
| 電源 | 38.4V・10Ah のニッケル水素電池 |
小さくしたのは、人の生活空間で人と一緒に動くためだった。ホンダは発表資料で、人のパートナーとなり、社会で役に立つ新しいロボットを目指すとしている。
できることを増やした10年
ホンダの開発史は、ASIMO がその後に加えた能力を年ごとに記録している。
- 2001年 ── レンタル事業に投入。柔軟な歩行と人とのやりとりを改良
- 2002年 ── 人の姿勢や身ぶりを読み取り、顔を見分けて名前で呼びかける。ネットワークとの連携
- 2004年 ── 速い動き、自律的な連続移動、人に近い走り方、台車の操作、トレーの運搬
- 2005年 ── 人と手をつないで歩き、円を描いて時速6kmで走る。受付・案内・配達の仕事をこなす統合制御
- 2007年 ── 複数台がネットワークで距離と電池残量を考えて作業を分担し、自分で充電する
- 2011年 ── 自律的な行動制御。時速9kmで走り、片足で跳び、でこぼこの地面を歩き、水を注ぎ、手話をする
これらはいずれも、決められた環境の中で、あらかじめ作り込まれた動作を確実にこなす技術の積み上げだった。周囲を自分で理解して、教わっていない仕事をこなす汎用の機械とは、まだ距離があった。
未来館での20年
ASIMO を最も多くの人が見た場所は、東京の日本科学未来館である。未来館によると、ASIMO は2002年1月に「解説員」(現在の科学コミュニケーター)として採用され、2021年末までに1万5,466回の実演を行い、来場者は推計約200万人にのぼった。実演は2022年3月31日に終わり、同じ時期にホンダウエルカムプラザ青山での実演も終了した。
ASIMO が残したもの
2022年9月、Tesla が人型ロボット Optimus の試作機を舞台で歩かせたとき、CNN は比較の基準として ASIMO を挙げた。20年近くかけて開発された子どもほどの大きさの ASIMO は、ケーブルなしで歩き、走り、階段を上ることができた、と。新しい挑戦者の歩みを測る物差しとして、ASIMO は引退後も参照され続けている。
国際ロボット連盟(IFR)は2025年の報告で、日本をヒューマノイドの先駆者とし、2000年の ASIMO を挙げたうえで、日本ではロボットが仲間として見られていると書いている。ASIMO の路線 ── 人の形で、人の空間で、人と一緒に動く ── は、早稲田大学の WABOT-1 から続く日本の研究の延長にあった。
一方、2010年代以降の流れは別の方向から来た。米国では災害対応の競技のために油圧式の Atlas が作られ、2020年代には大量のデータから動作を学習させる方法が主流になって、電動の Atlas や Figure が工場に入り始めた。全体の流れはヒューマノイドと AI ロボットの年表にある。
よくある質問
- ASIMO はいつ発表されたのですか。
- 2000年11月20日です。本田技研工業が発表し、同じ日に東京の本社で実演しました。身長120cm・重量43kgで、前身の P3 より大幅に小さく軽くなっていました。
- ASIMO という名前の意味は何ですか。
- ホンダの発表資料によると、Advanced Step in Innovative Mobility の略です。
- ASIMO は引退したのですか。
- 日本科学未来館での実演は2022年3月31日に終わりました。未来館では2002年1月から実演を続け、2021年末までに1万5,466回、来場者約200万人に披露したとしています。同じ時期にホンダウエルカムプラザ青山の実演も終了しました。
- ホンダの二足歩行ロボットの研究はいつ始まったのですか。
- 1986年です。最初の E0 は1歩に約15秒かかり、直線しか歩けませんでした。1993年の P1 で腕と胴体が付き、1996年12月に公開した P2 は計算機と電池を胴体に収めて、ケーブルなしで歩きました。
出典
一次資料Honda Debuts New Humanoid Robot "ASIMO" — Honda Motor Co., Ltd., November 20, 2000
発表日と本社での実演、予測運動制御、120cm・43kg と P3 の160cm・130kg、26自由度、時速0〜1.6km、38.4V/10Ah ニッケル水素電池、1986年の研究開始、名前の由来
一次資料新型人間型ロボット「ASIMO」を発表 — 本田技研工業、2000年11月20日
全高1,200mm、自由度の内訳(頭2・腕10・手2・脚12)
一次資料History of Robotics Development — Honda Global
E0(1986年)から P1・P2・P3 の諸元、2001年のレンタル事業、2002年・2004年・2005年・2007年・2011年の機能追加
2002年1月の採用、2022年3月31日の実演終了、2021年末までに1万5,466回、来場者約200万人
二次資料ASIMOが卒業。90種類のロボが展示される「きみとロボット」展などが未来館で開催 — PC Watch、2022年3月18日
卒業イベント、ホンダウエルカムプラザ青山の実演終了
二次資料Tesla robot slowly walks on stage at AI Day — Matt McFarland, CNN Business, September 30, 2022
Optimus と比べた ASIMO の評価(ケーブルなしの歩行・走行・階段)
日本を先駆者と位置づけ、ロボットを仲間とみる日本の見方
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