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Salesforce 設立 ── 「No Software」を掲げた SaaS の先駆け

メタデータ
- 日付
- 年代
- 1990s
- Tier
- T1
- 参照年表
- クラウドコンピューティングの歴史
- 出典数
- 04
- 関連項目
- 01
- Tags
- #enterprise
Salesforce は 1999年3月8日、サンフランシスコで Marc Benioff、Parker Harris、Frank Dominguez、Dave Moellenhoff の4人によって法人登記された。4人は Telegraph Hill のモンゴメリー通り1449番地にある、借りた1ベッドルームのアパートで、顧客関係管理(CRM)ソフトウェアの最初の版に取りかかった。製品はインストールするソフトウェアとしてではなく、Web ブラウザから使うサービスとして売られ、会社はその違いをそのままブランドにした。「No Software」のロゴと、2000年2月7日 の正式ローンチを飾った「The End of Software」というテーマである。ニューヨーク証券取引所への上場は2004年6月23日。
業務ソフトウェアを Web 経由のサービスとして売ることを、今日では SaaS と呼ぶ。ホスト型のソフトウェアを発明したのは Salesforce ではない。だが企業向けソフトウェアといえばライセンスとサーバを意味した時代に、この考え方を軸に大きな会社と派手なキャンペーンを作り上げた。
創業者たち
Benioff は Oracle の出身である。Salesforce が公開している彼の経歴によれば、Oracle に13年在籍し、同社史上最年少の副社長になった。Oracle が売っていたのは、顧客が自分の機械にインストールして動かすデータベースソフトウェアだった。
Salesforce の公式の沿革は、始まりを1999年2月に置いている。このとき創業のビジョンが「A World-Class Internet Company for Sales Force Automation.」と書き留められた。Telegraph Hill のアパートで働く4人には、いくつかの決まりがあった。重要で必要なことだけをやる、それを「fast, simple, and right the first time」でやる、そして「No fluff」。同社は最初の V2MOM(Vision、Values、Methods、Obstacles、Measures)も書いている。いまも会社のあらゆる判断の指針になっていると同社が説明する計画の形式である。
創業1年目の終わりには、社員40人、Rincon Center にある8,000平方フィートのオフィスを持つまでになっていた。
「No Software」
企業向けソフトウェアとしては異例なほど攻撃的な宣伝だった。Salesforce のブログは、NO SOFTWARE の考え方とロゴを、ソフトウェアをもっと買いやすく、もっと簡単に使えるものにしたいという1999年の Benioff の構想にさかのぼらせている。続いて最初のマスコット SaaSy が登場した。描いたのは Bruce Campbell で、「The End of Software」を体現する役回りだった。
正式ローンチは2000年2月7日、サンフランシスコの Regency Theater で開かれた。テーマは「The End of Software」、来場者は1,500人、The B-52s のコンサート付きである。2000年3月には、CRM の競合 Siebel Systems のカンファレンス会場の外で、俳優を雇って反ソフトウェアのプラカードを掲げた模擬デモを演出し、The Wall Street Journal に初めて大きく取り上げられた。
これはすべて、ドットコムバブルの崩壊と同時に進んでいた。Salesforce の沿革は、2000年に従業員の20%を解雇したことも記録している。
Salesforce 自身の数字で見る成長
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1999年3月 | 法人登記。1ベッドルームのアパートに4人の創業者 |
| 2000年2月 | 正式ローンチ、「The End of Software」 |
| 2001年 | 4月にダブリンと東京を拠点とする世界展開を発表。顧客3,000社超 |
| 2003年 | 第1回 Dreamforce。sForce 2.0 |
| 2004年6月23日 | NYSE に上場。1株11ドルで1億1,000万ドルを調達 |
| 2005年9月 | サードパーティ製アプリのマーケットプレイス AppExchange |
| 2008年 | Force.com を公開。2009年1月までの会計年度で売上が10億ドルをわずかに超える |
| 2010年 | PaaS 企業 Heroku の買収に合意 |
売上は2001年1月までの会計年度の540万ドルから、4年後には1億7,600万ドルになった。Salesforce は自社を、年間売上10億ドルを超えた最初のクラウドコンピューティング企業だと説明している。これは同社の主張である。
日本の読者にとっては2001年の項が重要だろう。Salesforce 自身の沿革は、最初の国際展開の拠点として、ダブリンと並んで東京の名を挙げている。
アプリケーションから基盤へ
初期の製品は、営業チーム向けの CRM という1つのアプリケーションだった。その後の出来事は、会社がそれを基盤に変えていく過程を示している。2003年の Dreamforce では sForce 2.0 が発表され、Salesforce はこれを業界初のオンデマンドのアプリケーションサービスと呼んだ。2005年9月の AppExchange は、他の開発者がアプリケーションを作って Salesforce の顧客に提供できる場である。2007年に計画が発表され2008年に公開された Force.com は、顧客が Salesforce の基盤の上に自分のアプリケーションを作れるようにした。
この変化で、Salesforce は後から現れたインフラ事業者と同じ領域に入った。2006年の Amazon S3 は生のストレージを貸し、2008年の Google App Engine はアプリケーション丸ごとを動かした。後に定着した用語 ── 用語集の IaaS / PaaS / SaaS ── でいえば、Salesforce はいちばん上の層から始めて下へ降りていき、2010年の Heroku 買収の合意で汎用の PaaS も手に入れた。
なぜこの日付が重要か
Salesforce が闘った相手は、ライセンスで買い、顧客自身のサーバにインストールするソフトウェアという形だった。Salesforce はその代わりに、ソフトウェアをサービスとして、ブラウザから使うよう顧客に求めた。借りられるストレージや計算資源という クラウド のインフラが現れるのは何年も後である。Salesforce がこのサイトのクラウドの年表の最初に置かれているのは、売るためのインフラが存在する前に、その使い心地を売っていたからだ。
よくある質問
- Salesforce はいつ、誰が設立したのですか。
- 1999年3月8日に、Marc Benioff、Parker Harris、Frank Dominguez、Dave Moellenhoff の4人が法人登記しました。最初の拠点はサンフランシスコ Telegraph Hill、モンゴメリー通り1449番地の1ベッドルームのアパートです。
- 「No Software」とは何ですか。
- Salesforce の初期のロゴと宣伝の考え方です。ソフトウェアをもっと買いやすく簡単に使えるものにしたいという1999年の Benioff の構想から生まれたと同社は説明しています。2000年2月7日の正式ローンチは「The End of Software」をテーマにし、2000年3月には競合 Siebel Systems のカンファレンスの外で模擬デモまで演出しました。
- Salesforce が上場したのはいつですか。
- 2004年6月23日、ニューヨーク証券取引所に上場し、1株11ドルで1億1,000万ドルを調達しました。
- Salesforce は日本にいつ進出したのですか。
- Salesforce 自身の沿革によれば、2001年4月にダブリンと東京を拠点とする世界展開を発表しています。
出典
一次資料The History of Salesforce — Salesforce News
設立日と4人の創業者、アパートの住所、創業時の標語、2000年の正式ローンチと模擬デモ、2001年の東京、上場、AppExchange、Force.com、売上の推移(同社の数字)
一次資料Marc Benioff — Salesforce company biography
Oracle に13年在籍し同社史上最年少の副社長
NO SOFTWARE の考え方とロゴ、マスコット SaaSy
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