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Oracle
1977年6月に Larry Ellison・Bob Miner・Ed Oates が Software Development Laboratories として創業。1979年に Relational Software, Inc.、その後 Oracle Systems Corporation へ改称し、1995年から Oracle Corporation を名乗る。リレーショナルデータベースの商用化で成長し、2000年代は PeopleSoft・Siebel・BEA、2010年の Sun Microsystems(Java と MySQL を取得)、2022年の Cerner と買収で拡張した。2020年代後半は AI 向けクラウド基盤へ転回し、FY2026 の売上は 674億ドル、受注残(RPO)は 6,380億ドルに達した。

組織情報
- 設立
- 1977
- 状態
- 稼働中
- 活動期間
- 1977–
- 関連事象
- 05
- 名称
- ENOracle CorporationJAOracle
Oracle Corporation は、 1977年6月に Larry Ellison、 Bob Miner、 Ed Oates が Software Development Laboratories として創業した企業である。 社名は1979年に Relational Software, Inc.、 のちに Oracle Systems Corporation、 1995年から Oracle Corporation と変わった(現在の法人は2005年設立のデラウェア法人で、 1977年6月に始まった事業の承継者にあたる)。 Codd の関係モデル を最初の商用 SQL リレーショナルデータベースに変えた会社であり、 いまはデータベース会社であるより先に AI 学習・推論向けクラウド基盤の貸主である。 本社はテキサス州 Austin。
沿革 / History
Oracle の履歴は、 自社開発 → 買収による水平統合 → 資本集約的なインフラ事業という三段構えで読むとわかりやすい。
第一段は製品の世代である。 1979年の V2 が最初の出荷版で、 V1 は 1978年に PDP-11 の RSX 上・128K のメモリで動いたが正式リリースされていない。 1983年の V3 は C で書き直され、 Oracle 自身の年表によれば メインフレーム・ミニコン・PC のいずれでも動く最初の RDBMS となった。 1985年の V5 はクライアント/サーバに対応する。 1986年3月に NASDAQ 上場(210万株、 当時の従業員450人・年商5,500万ドル)。 1989年に本社を Redwood Shores へ移した。 なお 社名変更の年には食い違いがある: Oracle 自身の30周年年表は RSI から Oracle Systems への改称を1982年としているが、 一般には1983年とする記述が多い。
第二段は2000年代の買収である。 PeopleSoft(2005年)、 Siebel(2006年)、 BEA(2008年)と業務アプリケーションを買い集めたのち、 2009年4月20日に Sun Microsystems の買収を発表した。 1株9.50ドル、 総額約74億ドル(Sun の現預金と負債を差し引くと約56億ドル)。 発表文は Java を "the most important software Oracle has ever acquired"(Oracle がこれまでに取得した最も重要なソフトウェア)と記している。 2010年1月27日に完了し、 Java と Solaris、 そして MySQL が Oracle の所有物になった。 2022年6月には医療情報の Cerner を総額 282億ドル(FY2023 の 10-K 記載)で取得している。
第三段が現在進行形の転回である。 Oracle はクラウドの後発だったが、 2020年代半ばから AI 学習・推論向けの計算資源供給に賭けた。 FY2026(2026年5月期)の Cloud Infrastructure(IaaS)売上は 181億ドルで前年比 +77%、 受注残(RPO)は期末で 6,380億ドル、 前年同期比 +363% に達した。 ただし同じ期のフリーキャッシュフローは 237億ドルのマイナスである。 データセンタ建設が先行し、 FY2026 だけで負債430億ドル・エクイティ50億ドルを調達した。
主要製品・事業 / Products and Services
| 事業 | 主な製品 | FY2026 の位置づけ |
|---|---|---|
| Cloud Infrastructure(IaaS) | Oracle Cloud Infrastructure、 AI 向け GPU クラスタ | 売上 181億ドル(+77%)。 成長の主軸 |
| Cloud Applications(SaaS) | Fusion、 NetSuite、 Cerner(Oracle Health) | 売上 159億ドル(+11%)。 クラウド売上に占める比率は FY2024 の65%から47%へ低下 |
| ソフトウェアライセンス・サポート | Oracle Database、 MySQL、 Java、 middleware | 売上 245億ドル(−1%)。 オンプレからの移行で微減 |
| ハードウェア・サービス | Oracle Engineered Systems、 サーバ、 ストレージ、 コンサルティング | ハード31億ドル、 サービス57億ドル |
FY2026 の 10-K は Oracle AI Database と MySQL Database を "the world's most popular database management systems"、 Java を "the computer industry's most widely used language for cloud-native development" と記す。 いずれも同社の主張であって、 独立した測定ではない。
重要事件 / Key Events
- 1977年6月: Software Development Laboratories 創業。 Ellison は同月から2014年9月まで CEO を務める。
- 1978年: Oracle V1(PDP-11 / RSX、 アセンブリ)。 正式リリースなし。
- 1979年: V2 出荷、 社名を Relational Software, Inc. へ。
- 1982〜83年: Oracle Systems へ改称(年次は資料により異なる)。
- 1983年: V3 を C で書き直し、 機種横断へ。
- 1986年3月: NASDAQ 上場。
- 1989年: 本社を Redwood Shores へ。
- 1992年: Oracle7。 ストアドプロシージャ・トリガ・参照整合性を備え、 業務ロジックをデータベースへ持ち込む。
- 2005〜2008年: PeopleSoft・Siebel・BEA を買収。
- 2009年4月20日: Sun Microsystems 買収を発表(約74億ドル)。
- 2010年1月27日: Sun 買収完了。 Java と MySQL が Oracle 傘下に。
- 2014年9月: Ellison が CEO を退き Executive Chair 兼 CTO へ。 Safra Catz が CEO に。
- 2020年12月: 本社を Redwood Shores から Austin へ移すと発表(FY2026 の 10-K も本社所在地を Austin と記載)。
- 2021年4月5日: 連邦最高裁が Google LLC v. Oracle America で、 Android が Java SE の API から約11,500行を複製した行為をフェアユースと判断。
- 2022年6月: Cerner 買収完了(282億ドル)。
- 2025年1月21日: Stargate の出資者として名を連ねる。
- 2025年9月22日: Clay Magouyrk と Mike Sicilia が共同 CEO に。 Catz は取締役会の Executive Vice Chair へ。
- 2026年1月22日: TikTok の米国事業を担う TikTok USDS Joint Venture LLC が発足。 Oracle は2026年5月末時点で持分15%。
業績指標 / Key Metrics
- 売上(FY2026、 2026年5月期): 674億ドル(+17%)/ GAAP 営業利益 206億ドル / GAAP 純利益 170億ドル
- クラウド売上: 340億ドル(+39%)。 内訳は IaaS 181億ドル(+77%)、 SaaS 159億ドル(+11%)
- 受注残(RPO): 6,380億ドル(前年同期比 +363%、 Q3 末の5,530億ドルから1四半期で850億ドル増)
- 営業キャッシュフロー 320億ドル(+54%)に対し、 フリーキャッシュフローは −237億ドル
- 調達: FY2026 に負債430億ドル・エクイティ50億ドル。 FY2027 も約400億ドルを見込む
- 従業員数: 2026年5月31日時点で約141,000人(米国 約49,000人、 米国外 約92,000人)
- FY2027 ガイダンス: 売上900億ドル
影響と批判 / Influence and Criticism
Oracle が産業に残した最大の遺産は、 「データを企業の資産として売る」市場を作ったことである。 Codd の論文 を製品にしたのが IBM ではなく PDP-11 上の小さなスタートアップだったという事実は、 研究成果と商業化の距離を示す典型例として引かれ続けている。 一方で、 買収した資産の扱いは繰り返し争点になった。 MySQL は Sun 買収の完了前に MariaDB として分岐しており、 Java の API をめぐっては2021年4月5日、 連邦最高裁が Google LLC v. Oracle America で Android による約11,500行の複製をフェアユースと認めた。 買った資産の支配力は、 法廷でも分岐でも削られている。
現在の批判の焦点は財務構造に移っている。 RPO 6,380億ドルという数字は、 需要の裏づけであると同時に少数の巨大顧客への依存でもある。 Oracle 自身、 10-K のリスク要因で "In certain OCI offerings, we are more concentrated among a number of large customers" と認めている。 RPO 増分の多くは顧客が GPU 代金を前払いする、 あるいは GPU を自ら供給する形の AI 契約であり、 その前払い・顧客支給分は750億ドルに達すると同社は説明する。 これは資金負担を軽くする一方で、 収益の質が顧客の資金調達力に連動することを意味する。 TikTok 米国事業の15%保有や Stargate への参加のように、 事業が政治判断と直結する場面も増えた。 データベースの会社が、 電力と GPU と政府の許認可に賭ける会社になっている。
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