人物 :: PERSON
サム・アルトマン
OpenAI の共同創業者。2015年の設立時は Elon Musk との共同会長、2019年から CEO。それ以前は位置情報 SNS の Loopt を創業(2012年に Green Dot が4340万ドルで買収)し、Y Combinator の社長を2014年から2019年まで務めた。2023年11月に取締役会から解任され5日後に復帰、2025年10月の資本再編で OpenAI は OpenAI Foundation が支配する OpenAI Group PBC となった。

プロフィール
- 生年
- 1985
- 存命
- 存命
- 在世
- 1985–
- 関連事象
- 04
- 名称
- ENSam AltmanJAサム・アルトマン
サム・アルトマン(Samuel Harris Altman、 1985年4月22日 ── )は、 スタートアップ育成機関 Y Combinator の社長(2014-2019年)であり、 OpenAI の共同創業者・CEO でもある起業家である。 Loopt、 Y Combinator、 OpenAI という三つの組織が経歴を貫いており、 いずれも「市場がまだ存在しない段階で資本と人を集める」という同じ型で運営されてきた。
Loopt と Y Combinator
シカゴに生まれ、 1989年にミズーリ州クレイトンへ移る。 Stanford 大学で計算機科学を2年学んだのち中退し、 2005年、 19歳で位置情報 SNS の Loopt を共同創業した。 Y Combinator の第1期に採択された企業のひとつである。 Loopt は2012年3月9日、 プリペイドカード大手 Green Dot による買収が発表された。 対価は現金4340万ドルで、 うち980万ドルは主要従業員の慰留原資に充てられている。
2014年2月21日、 Paul Graham は YC のブログで後任社長にアルトマンを指名した。 理由は率直だった ── 「YC は成長しなければならず、 そして自分はそれを成し遂げるのに最適な人間ではない」。 アルトマンは2019年3月まで社長を務め、 以後は OpenAI に専念する。
OpenAI の設立と CEO 就任
2015年12月11日の設立宣言「Introducing OpenAI」で、 アルトマンは Elon Musk とともに共同会長(co-chairs)に、 Ilya Sutskever が research director に、 Greg Brockman が CTO に置かれた。 出資者はこの3名に Reid Hoffman、 Jessica Livingston、 Peter Thiel、 AWS、 Infosys、 YC Research を加えた顔ぶれで、 総額10億ドルの拠出が表明された ── ただし宣言自身が「今後数年で使うのはそのごく一部にすぎない」と断っている。
2019年、 OpenAI が利益上限付きの営利部門を設けたのに合わせてアルトマンが CEO に就任した。 Microsoft の10億ドル投資、 ChatGPT の公開、 2023年の追加投資、 Stargate はいずれもこの体制下の判断である。
2023年5月16日には米上院司法委員会の小委員会(プライバシー・技術・法)の公聴会で証言し、 「一定の能力しきい値を超える AI モデルの開発と公開について、 米政府はライセンス制と試験要件の組み合わせを検討しうる」と述べた。 規制を要求する側に AI 企業の CEO が回るという構図は、 ここで確立した。
2023年11月 ── 解任と復帰
2023年11月17日、 OpenAI 取締役会はアルトマンの CEO 解任を発表した。 公表文が理由として記したのは「取締役会との意思疎通において一貫して率直ではなく、 取締役会が責務を果たす妨げになっていた」の一文だけである。 5日間の経緯そのものは OpenAI 内紛(2023年) に譲る。
人物史として重いのは、 内部で何が起きたかの記録が当事者ごとに食い違い、 いまも一致していない点である。 復帰時にアルトマンが社内へ送った文書は、 解任に賛成した Sutskever について「彼を愛し、 敬意を抱いている。 彼にはいささかの悪意も抱いていない」と書き、 対立を公然の遺恨として残さない形を選んだ。 新しい暫定取締役会は Bret Taylor(議長)、 Larry Summers、 留任した Adam D'Angelo の3名 ── 統治機構の作り直しが、 そのまま次の2年の課題になる。
資本再編(2025年10月28日)
OpenAI は資本再編を完了し、 非営利法人を OpenAI Foundation、 営利法人を公益法人(PBC)の OpenAI Group PBC とする構造に移行した。 Foundation が Group を支配する点は変わらず、 Foundation の保有する持分は公表時点で約1300億ドル相当。 当面の重点として、 健康・疾病研究と「AI レジリエンス」の2分野に計250億ドルを拠出すると表明された。 アルトマンは CEO として Foundation の取締役会にも名を連ねる。 同日 Microsoft は、 OpenAI Group PBC の約27%(約1350億ドル相当)を保有すると発表した。
現在
同じ2025年10月の合意で Microsoft は OpenAI の計算資源提供者としての優先交渉権を失っており、 単一クラウドへの固定は解けつつある。 2026年7月28日、 アルトマンはポッドキャスト Invest Like the Best で「社会がこうした新しい能力水準の周りで硬化するだけの時間を確保するために、 AI 開発の速度を調整しなければならないかもしれない」と述べ、 それを「誰にとっても規制の虜と感じられず、 フロンティア研究所間の共謀とも感じられない形で」実現する方法を探っていると付け加えた。 2023年の開発一時停止書簡には同調しなかった人物としては、 明確な位置の移動である。
OpenAI 以外では核融合スタートアップ Helion Energy の会長を務め、 虹彩認証と暗号資産を組み合わせた Worldcoin の共同創業者でもある。 Microsoft との提携、 米政権との距離、 資本構造の設計 ── アルトマンの仕事の大半は研究そのものではなく、 研究を続けられる条件を調達することにある。
関連する出来事
最終更新: