人物 :: PERSON
マーク・ザッカーバーグ
Facebook の共同創業者。2004年2月にハーバード大学の寮から製品を公開し、法人 Facebook, Inc.(2004年7月設立)は2012年5月に上場、2021年10月28日に Meta Platforms へ社名変更した。Instagram(2012年)と WhatsApp(2014年)の買収、2018年の議会証言、Reality Labs への巨額投資と AI への転回を主導。デュアルクラス株式により議決権の過半を握る会長兼 CEO であり続けている。

プロフィール
- 生年
- 1984
- 存命
- 存命
- 在世
- 1984–
- 関連事象
- 06
- 名称
- ENMark ZuckerbergJAマーク・ザッカーバーグ
マーク・ザッカーバーグ(Mark Elliot Zuckerberg、 1984年5月14日 ── )は、 2004年2月に Facebook を公開した共同創業者であり、 現在は Meta Platforms の会長兼 CEO である。 同社は Instagram、 WhatsApp、 Threads を擁し、 2026年6月の「ファミリー日次アクティブ利用者(Family daily active people、 DAP)」平均を36.0億人と報告している。 DAP は同社が定義した独自指標で、 一日にいずれかのアプリを使った人数を指す ── 指標名を落として「利用者30億人」と書くと意味が変わる。
計算機史でこの人物を特異にしているのは製品ではなく、 創業から22年後も一人の個人が議決権の過半を握り続けているという統治構造のほうである。
製品・法人・社名は別々の出来事
- 製品としての Facebook は2004年2月、 ハーバード大学の寮から公開された。 共同創業者は Eduardo Saverin、 Dustin Moskovitz、 Andrew McCollum、 Chris Hughes。
- 法人は後から作られている。 2012年の登録届出書(Form S-1/A)は自社について「We were incorporated in July 2004」と記す。 株式公開は2012年5月。
- 社名の変更は2021年10月28日。 親会社が Meta Platforms になっただけで、 Facebook・Instagram・WhatsApp というアプリ名は変えていない。 発表文は「予約済みの新ティッカー MVRS で12月1日から取引を開始する意向」と述べており、 SEC の登録者情報にも旧称 Facebook Inc が2021年10月27日までとして残っている。
「Meta は2004年創業」も「Facebook が Meta になった」も、 この三つを潰した言い方である。
買収 ── 発表額と確定額は一致しない
対価が株式なので、 発表時の評価額と会計上の取得価額は必ずずれる。
| 発表時 | 確定(Form 10-K) | |
|---|---|---|
| 2012年4月、 普通株式約2300万株 + 現金3億ドル | 総取得価額 5億2100万ドル(非従業員株主向け Class B 約1200万株 + 現金3億ドル) | |
| 2014年2月19日、 183,865,778株(120億ドル相当)+ 現金40億ドル、 加えて従業員向け RSU 45,966,444単位(30億ドル相当) | 取得対価 171億9300万ドル(約1億7800万株 + 現金45億9000万ドル) |
「10億ドルで Instagram」「190億ドルで WhatsApp」はいずれも発表時点の評価額であって、 決算書に載った数字ではない。
証言、 そして常設化した規制
Cambridge Analytica 報道(2018年3月) を受け、 ザッカーバーグは同年4月10・11日に米上下両院で証言した。 上院合同公聴会の公式速記録(S. Hrg. 115-683)の冒頭陳述にはこうある ── 「We did not take a broad enough view of our responsibility, and that was a big mistake. And it was my mistake, and I am sorry. I started Facebook, I run it, and I am responsible for what happens here.」 個々の制裁と経緯は当該イベントの記事に譲る。
反トラストのほうは判断の主体を取り違えやすい。 FTC が2020年12月に起こした独占化訴訟について、 2025年11月18日にワシントン D.C. 連邦地裁の Boasberg 首席判事が Meta 勝訴の判断を下した。 判断したのは規制当局ではなく裁判所であり、 FTC は2026年1月に控訴の方針を表明している。
メタバースから「パーソナル超知能」へ
社名を変えた賭けの収支は 10-K に出ている。 Reality Labs の営業損失は2023年161億ドル、 2024年177億ドル、 2025年192億ドル。 同じ2025年に Family of Apps は1025億ドルの営業利益を出した。 損失を埋めてきたのは一貫して広告事業である。
2025年、 Meta は Scale AI へ138億ドルのマイノリティ出資を実行した。 同年7月30日、 ザッカーバーグは「Personal Superintelligence」と題する書簡を公開し、 冒頭でこう書いている ── 「Over the last few months we have begun to see glimpses of our AI systems improving themselves.」 2026年通期の設備投資見通しは1300億〜1450億ドル。 メタバースに賭けた会社が、 いま計算基盤に賭け直している。
支配構造
Meta の2025年 Form 10-K は、 リスク要因として次のように開示している。「Mark Zuckerberg, our founder, Chairman, and CEO, is able to exercise voting rights with respect to a majority of the voting power of our outstanding capital stock」。 デュアルクラス株式により、 取締役選任から全資産売却まで、 株主総会に付される事項の結果を一人で決められる ── その事実を会社自身が投資家向けの危険として書いている。
学内サービスからメタバース、 そして超知能へ。 22年で三度も会社の目的地を書き換えられた速さも、 その決定に外部の歯止めが効きにくいことも、 同じ一つの構造から出ている。
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