T1#japan#messaging#mobile#data-breach
LINE とは ── 震災をきっかけに生まれた日本のメッセージアプリ
メタデータ
- 日付
- 年代
- 2010s
- Tier
- T1
- 参照年表
- ソーシャルメディアの歴史 · 携帯電話・スマートフォンの歴史
- 出典数
- 16
- 関連項目
- 00
- Tags
- #japan#messaging#mobile#data-breach#regulation
LINE(ライン) は、日本で広く使われているスマートフォン向けのメッセージアプリである。いつからあるのかという問いへの答えは2011年6月23日。運営する LINEヤフーによれば、東日本大震災で多くの人が家族や友人と連絡を取れなかったことを受けて、「大切な人とつながるコミュニケーションサービス」として生まれた。LINEヤフーは2026年1月、国内の月間利用者数が2025年12月末時点で1億人を超えたと発表している。
| 時期 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2011年3月11日 | 東日本大震災 | LINEヤフー |
| 2011年6月23日 | LINE が始まる(スタンプ機能の無い最初の版) | LINEヤフー、LINE 公式ブログ |
| 2014年5月 | 個人や企業がスタンプを売れる LINE Creators Market が始まる | LINEヤフー |
| 2021年4月23日・26日 | 委託先の扱いをめぐり、個人情報保護委員会と総務省が指導 | ITmedia、総務省 |
| 2023年10月1日 | Z ホールディングスがヤフーなどを合併し、LINE 株式会社の事業を承継して LINEヤフーに | LINEヤフー |
| 2023年11月27日 | NAVER Cloud を経由した不正アクセスによる情報漏洩を公表 | LINEヤフー |
| 2024年3月5日・4月16日 | 総務省が2度の行政指導 | 総務省、Impress Watch |
| 2025年12月末 | 国内の月間利用者数が1億人を超える(2026年1月29日発表) | LINEヤフー |
| 2026年3月末 | NAVER 側と共通化していたシステムの分離を完了(共同通信) | OANDA(共同通信配信) |
震災のあとに生まれたアプリ
LINEヤフーの2026年1月29日の発表は、LINE の出発点を、2011年の東日本大震災で多くの人が家族や友人と連絡を取れなかった経験に置いている。LINE はそこから「大切な人とつながるコミュニケーションサービス」として生まれ、個人の間だけでなく、企業や自治体、情報ともつながり、毎日の生活を便利にする「ライフプラットフォーム」を当初から目指してきたという。LINEヤフーの特設サイトによれば、開発中の名前は「みどりトーク」で、アイコンは紫色だった。
スタンプ
最初の LINE には、後に看板になる機能が無かった。LINE 公式ブログの2016年6月23日の記事は、5年前のこの日に生まれたのは「スタンプ機能もない初期バージョンのLINE」だったと書いている。2012年4月13日の公式ブログは、LINE スタンプの生みの親として、LINE を運営していた NHN の社員デザイナー、カンさんを紹介している。LINEヤフーの特設サイトによれば、初期のスタンプの中心は「ムーン」というキャラクターで、リリース前の調査では大人の反応は今ひとつだったが、女子高生には好評で、その声がスタンプの広がりにつながったという。
2014年5月には、個人や企業が自分で作ったスタンプを売れる LINE Creators Market が始まった。LINEヤフーの2024年11月28日の発表によれば、2024年9月時点でクリエイターは750万人を超え、クリエイターズスタンプの販売は累計2,300万パッケージを超えた。
2021年の委託先問題
2021年3月、LINE の利用者の情報が国外からアクセスできる状態だったことが問題になった。総務省によれば、同省は3月19日、日本国内のサーバーにある利用者の個人情報に国外からアクセスできる状態だったという報道を受けて、LINE 株式会社に報告を求めた。ITmedia によれば、利用者が「公開」設定で投稿したコンテンツや「通報」されたコンテンツが、LINE の子会社 LINE Plus からの再委託先である LINE China から閲覧できる状態だった。
個人情報保護委員会は4月23日、LINE China の監督について十分な安全管理措置が取られていなかったとして LINE を指導した。総務省は4月26日、電気通信設備の管理や利用者への説明に不十分な点があったとして行政指導を行った。ITmedia によれば、総務省は国外への委託による通信の秘密の侵害や個人情報の漏洩は認められなかったとしている。
LINEヤフーの発足
LINE 株式会社とヤフーは、持株会社 Z ホールディングスの下でグループを組んでいた。ソフトバンクの2023年4月28日の発表によれば、Z ホールディングスは完全子会社の LINE とヤフーとの合併を進め、10月1日付で社名を「LINEヤフー株式会社(英文名:LY Corporation)」に変える予定とされた。LINEヤフーの2023年10月2日の適時開示によれば、10月1日付で、Z ホールディングスがヤフーなどを吸収合併し、LINE 株式会社の事業を吸収分割で承継する再編が予定どおり完了し、社名を LINEヤフーに変えた。
2023年の情報漏洩と総務省の指導
発足から間もない2023年11月27日、LINEヤフーは不正アクセスによる情報漏洩を公表した。発表によれば、関係会社である韓国の NAVER Cloud の委託先で、LINEヤフーの委託先でもある会社の従業者の PC がマルウェアに感染した。従業者の情報を管理する共通の認証基盤を通じて旧 LINE 社のシステムに接続できたため、第三者が10月9日に NAVER Cloud のシステムを経由して不正にアクセスした。
| 区分 | 件数(2023年11月27日時点、LINEヤフーの発表) |
|---|---|
| 利用者に関する情報 | 30万2,569件(うち日本の利用者12万9,894件) |
| 取引先等に関する情報 | 8万6,105件 |
| 従業者等に関する情報 | 5万1,353件 |
発表は、口座情報、クレジットカード情報、LINE アプリのトーク内容はこれらに含まれないとしている。
総務省は2024年3月5日、LINEヤフーに文書で行政指導を行った。指導文書は、利用者の通信情報の流出を電気通信事業法が定める通信の秘密の漏洩と認め、少なくとも2万件以上(推計値を含む)が漏洩したとした。原因としては、旧 LINE 社の前身の NHN Japan が NAVER の子会社だった頃からのシステムやネットワークでの NAVER 側への強い依存、多要素認証が求められていないなどの技術的な不備、委託先の管理監督の不備を挙げた。さらに、LINEヤフーの親会社である A ホールディングスの株式の半数を NAVER グループが持つなど、委託先から「資本的な支配を相当程度受ける関係」があることが、委託先に的確な措置を求めにくくした事情もあるとし、この関係の見直しを含む経営体制の見直しを親会社にも働きかけるよう求めた。指導文書は、2021年4月26日の行政指導でアクセス管理の徹底を求めていたにもかかわらず、今回の事案を招いたとも書いている。
Impress Watch によれば、総務省は4月16日に2度目の行政指導を行った。LINEヤフーの4月1日の報告では NAVER 側とのネットワークの完全な分離が2年以上先になるとされていたことなどから、安全管理措置と委託先管理が十分になったとは言い難いとし、分離の前倒しと資本関係の見直しの見通しを、7月1日までに具体的に報告するよう求めた。
共同通信の配信によれば、LINEヤフーは2026年3月末までに、子会社を含めて NAVER 側と共通化していたシステムの分離を終え、サービス開発の委託関係も解消した。林芳正総務相は4月17日の会見で「(対応が)着実に進んでいる」と述べた。同じ配信は、NAVER が引き続き LINEヤフーの事実上の筆頭株主だと伝えている。
総務省は2025年3月28日にも、LINE のアルバムのサムネイル画像に他の利用者の画像の一部が表示された問題を通信の秘密の漏洩と認め、LINEヤフーに行政指導を行っている。
系譜
LINE は、電話番号を使ってアプリで連絡を取る WhatsApp と同じ流れの中にある。日本の SNS としては、それより前に招待制の mixi があった。携帯電話でインターネットを使う日本の文化は i モード にさかのぼる。全体の流れは ソーシャルメディアの年表 と 携帯電話とスマートフォンの年表 を参照。
よくある質問
- LINE はいつから始まったのですか。
- 2011年6月23日です。LINEヤフーは、東日本大震災で多くの人が家族や友人と連絡を取れなかったことを受けて、「大切な人とつながるコミュニケーションサービス」として生まれたと説明しています。
- LINE のスタンプは最初からあったのですか。
- ありませんでした。LINE 公式ブログは、2011年6月23日に生まれたのは「スタンプ機能もない初期バージョン」だったと書いています。2014年5月には、個人や企業が自作のスタンプを売れる LINE Creators Market が始まり、2024年9月時点でクリエイターは750万人を超えています。
- 2023年の LINE の情報漏洩とは何ですか。
- LINEヤフーと NAVER Cloud が共通して使っていた委託先の従業者の PC がマルウェアに感染し、NAVER Cloud のシステムを経由して旧 LINE 社のシステムに不正アクセスされた事案です。LINEヤフーは2023年11月27日、利用者30万2,569件、取引先8万6,105件、従業者等5万1,353件の情報が漏洩したと公表し、口座情報、クレジットカード情報、トーク内容は含まれないとしました。総務省は2024年3月5日、利用者の通信の秘密に当たる情報が2万件以上漏洩したとして行政指導を行いました。
- LINE の利用者は何人ですか。
- LINEヤフーは2026年1月29日、2025年12月末時点で国内の月間利用者数が1億人を超えたと発表しました。スマートフォンと連携した LINE アカウントで、iOS か Android の LINE を月に1回以上開いた人の数です。
出典
最終更新: