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ファーウェイ(華為技術)

1987年に中国・深圳で設立された通信機器とスマートフォンの企業。同社の説明では、持株会社の華為投資控股は従業員と退職者169,054人が全株を持つ民間企業で、創業者の任正非の持分は約0.59%(2025年末)。2019年5月に米商務省が輸出管理の対象となるエンティティ・リストに加え、英国・カナダ・米国の当局はそれぞれ自国の通信網や機器認証から同社の製品を外す措置を取った。同社はその後スマートフォン事業の Honor を売却し、独自 OS の HarmonyOS と AI 向けチップ Ascend を育てた。2025年の売上高は8,809億元、純利益は680億元、研究開発費は売上の21.8%。

深圳のファーウェイ本社に掲げられた特許証の壁「专利墙 Patent Wall」(2014年撮影)
出典RG72 (Wikimedia Commons) · CC BY-SA 4.0 · Commons で見る ↗

組織情報

設立
1987
状態
稼働中
活動期間
1987–
関連事象
00
名称
ENHuaweiJAファーウェイ(華為技術)

ファーウェイ(華為技術、Huawei)は、1987年に中国・深圳で設立された通信機器とスマートフォンの企業である。同社の企業概要(2026年4月更新)によると、本社は深圳、従業員は約21万3,000人で、170を超える国と地域で事業を営む。取締役会長は梁華で、2025年の年次報告の発表では孟晩舟が輪番会長を務めている。事業は通信事業者向けのネットワーク機器、企業向けの IT 製品、クラウド、デジタルパワー、自動車向けソリューション、消費者向けのスマートデバイスにまたがる。

所有の形 ── 同社の説明

ファーウェイは上場していない。同社は自らの所有構造を次のように説明している。以下はいずれも同社の主張である。

項目同社の説明(2025年12月31日時点)
持株会社華為投資控股(Huawei Investment & Holding)
株主従業員と退職者169,054人が全株を持つ民間企業
創業者 任正非株式資本の約0.59%

売上高の推移

同社は非上場だが、KPMG の監査を受けた年次報告を毎年公表している。このページで確かめた年の数字を並べる。

年売上高純利益出典
2020年8,914億元(前年比+3.8%)646億元2020年の年次報告
2021年6,368億元1,137億元(+75.9%)2021年の年次報告
2025年8,809億元(+2.2%)680億元2025年の年次報告

2020年から2021年にかけて売上高は28.6%減った(両年の数字から計算)。同社は2021年の発表で減収の理由を挙げておらず、孟晩舟は減収のなかでも利益とキャッシュフローを生む力は高まっていると述べている。2025年の売上高は2020年の水準にほぼ戻った。2025年の研究開発費は1,923億元で売上高の21.8%にあたり、過去10年の累計は1兆3,820億元と同社は発表している。

各国政府の措置

ファーウェイに対する規制は、国ごとに根拠と範囲が違う。主なものを、措置を取った政府ごとに並べる。

時期政府・機関措置
2019年5月16日発効米商務省 産業安全保障局(BIS)ファーウェイと、26の国・地域にある68の海外関連会社をエンティティ・リスト(輸出管理の対象)に追加。米国の国家安全保障や外交政策上の利益に反する活動に関わったと信じる合理的な理由があるとした
2020年7月14日発表英国政府2020年12月31日以降のファーウェイ製 5G 機器の新規購入を禁じ、2027年末までに 5G 網から撤去。米国の制裁を受けた国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)の新たな助言に基づく
2022年5月19日発表カナダ政府(イノベーション・科学・経済開発省)ファーウェイと ZTE の 5G・4G 機器と管理サービスを禁止する方針。既存の 5G 機器は2024年6月28日、4G 機器は2027年12月31日までに撤去
2022年11月25日公表米連邦通信委員会(FCC)ファーウェイ製の通信機器に新たな機器認証を出さない規則(米議会調査局の解説による)

カナダの声明は、措置を協議を経て実施する予定のものとしている。どの措置も、それを決めた政府の判断であり、ファーウェイ自身の説明はこの表に含めていない。

制裁のあとに出てきたもの

2019年以降の同社の動きは、手放したものと自前で用意したものに分けられる。

  • Honor の売却(2020年11月17日): 持株会社は Honor ブランドの事業資産すべてを深圳市智信新信息技術に売却すると発表した。理由として、スマートフォン事業に必要な部品が継続的に手に入らないことを挙げ、売却後は株式を一切持たず経営にも関わらないとした。
  • HarmonyOS(2019年8月): 東莞での開発者会議で発表された独自の OS。Techzine は、最初の版はスマートスクリーン製品に載ると報じ、同年5月に米政府の措置を受けて Google が Android のライセンスを(一時的に)止めざるを得なかったことを背景に挙げている。2024年10月には、カーネル・プログラミング言語・AI フレームワークを Android のオープンソースコードを使わずに開発したとする HarmonyOS NEXT を公開した。Yicai Global は、ネイティブのアプリとサービスが1万5,000を超え、HarmonyOS の搭載機器が10億台を超えたと伝えている。
  • Ascend(2019年8月23日): AI 向けプロセッサ Ascend 910 と AI フレームワーク MindSpore を発表した。FP16 で 256 TFLOPS、最大消費電力 310W というのは同社の公表値である。2025年の年次報告の発表は、Ascend・Kunpeng・HarmonyOS を軸に産業のエコシステムを築くとしている。
  • Kirin 9000S(2023年): 調査会社 TechInsights はスマートフォン Mate 60 Pro を分解し、搭載チップ Kirin 9000S をダイの特徴から SMIC 製と判断し、寸法の測定から 7nm 級と結論した。報道は2023年9月。それ以前の Kirin 980 は TSMC の 7nm で作られていた(iPhone XS と XR を参照)。

このサイトに出てくるファーウェイ

ファーウェイは、ほかの会社の出来事の中にたびたび顔を出す。

出来事ファーウェイの役回り
Kubernetes2015年に発足した Cloud Native Computing Foundation の設立メンバーの1社
iPhone XS と XR7nm のスマートフォン向けチップで「最初」を争った Kirin 980
Rust 1.02021年に発足した Rust Foundation の創設メンバーの1社
iPhone 14Apple の前日に、衛星からテキストを送れる Mate 50 シリーズを発表

制裁の前も後も、ファーウェイは通信網の機器、スマートフォンのチップ、OS、オープンソースの団体と、スタックのほぼすべての層に名前が出る。そのため各国の措置も一つの製品にとどまらず、輸出管理(米商務省)、通信網からの撤去(英国・カナダ)、機器認証(FCC)と、層ごとに別の手段で行われた。

よくある質問

ファーウェイは誰が所有している会社ですか。
同社の説明では、持株会社の華為投資控股(Huawei Investment & Holding)は従業員と退職者169,054人が全株を持つ民間企業で、創業者の任正非の出資は株式資本の約0.59%(2025年12月31日時点)です。上場はしていません。
米国はファーウェイに何をしたのですか。
米商務省産業安全保障局は2019年5月16日付でファーウェイと68の海外関連会社をエンティティ・リストに加え、米国の国家安全保障や外交政策上の利益に反する活動に関わったと信じる合理的な理由があるとしました。米連邦通信委員会は2022年11月25日、ファーウェイ製の通信機器に新たな認証を出さない規則を公表しました。
制裁の後、ファーウェイの業績はどう変わりましたか。
同社の年次報告によると、売上高は2020年の8,914億元から2021年に6,368億元へ減り、2025年は8,809億元でした。2020年11月には部品の調達難を理由に Honor 事業を売却しています。
HarmonyOS とは何ですか。
ファーウェイが2019年8月の開発者会議で発表した独自の OS で、最初はスマートスクリーン製品に載りました。2024年10月には、Android のオープンソースコードを使わずに開発したとする HarmonyOS NEXT を公開しました。

出典

  1. 一次資料Huawei Releases 2025 Annual Report — Huawei, Mar 31, 2026

    2025年の売上高8,809億元、純利益680億元、研究開発費1,923億元(売上の21.8%)、過去10年の研究開発費累計1兆3,820億元、KPMG の監査、輪番会長の孟晩舟

    取得日: 2026-10-25

  2. 一次資料Corporate Fact Sheet (updated April 2026) — Huawei

    1987年設立、本社は深圳、従業員約21万3,000人、170以上の国と地域、従業員と退職者169,054人による所有、任正非の持分約0.59%(2025年12月31日)、取締役会長の梁華

    取得日: 2026-10-25

  3. 一次資料Huawei Releases 2021 Annual Report — Huawei, Mar 28, 2022

    2021年の売上高6,368億元、純利益1,137億元(前年比75.9%増)

    取得日: 2026-10-25

  4. 一次資料Huawei Releases its 2020 Annual Report — Huawei, Mar 31, 2021

    2020年の売上高8,914億元(前年比3.8%増)、純利益646億元

    取得日: 2026-10-25

  5. 一次資料Addition of Entities to the Entity List — Bureau of Industry and Security, Commerce, Federal Register Vol. 84, No. 98, pp. 22961-22968 (May 21, 2019)

    2019年5月16日発効、ファーウェイと26の国・地域にある68の海外関連会社を追加、追加の理由

    取得日: 2026-10-25

  6. 一次資料Huawei to be removed from UK 5G networks by 2027 — UK Government, Jul 14, 2020

    2020年12月31日以降の新規購入の禁止、2027年末までの撤去、米国の制裁を受けた NCSC の新たな助言

    取得日: 2026-10-25

  7. 一次資料Policy Statement – Securing Canada's Telecommunications System — Innovation, Science and Economic Development Canada, May 19, 2022

    ファーウェイと ZTE の 5G・4G 機器と管理サービスを禁止する方針、5G は2024年6月28日まで、4G は2027年12月31日までに撤去

    取得日: 2026-10-25

  8. 二次資料New FCC Rules Ban Authorizations for Equipment Posing National Security Risks — Chris D. Linebaugh, Congressional Research Service, LSB10895 (Jan 11, 2023)

    FCC が2022年11月25日に公表した、ファーウェイ製通信機器に新たな認証を出さない規則

    取得日: 2026-10-25

  9. 一次資料Huawei Investment & Holding Co., Ltd. Statement on the Sale of Honor — Huawei, Nov 17, 2020

    Honor の事業資産すべてを深圳市智信新信息技術に売却、部品の継続的な入手難が理由、売却後は株式を持たない

    取得日: 2026-10-25

  10. 二次資料Huawei launches new operating system HarmonyOS — Techzine, Aug 9, 2019

    東莞での開発者会議での発表、分散型アーキテクチャ、最初はスマートスクリーン製品に搭載

    取得日: 2026-10-25

  11. 二次資料Huawei Releases HarmonyOS Next, Its First Android-Free OS — Yicai Global, Oct 23, 2024

    Android のオープンソースコードを使わずに開発したというカーネル・言語・AI フレームワーク、ネイティブアプリ1万5,000超、HarmonyOS の搭載機器10億台超

    取得日: 2026-10-25

  12. 一次資料Huawei Launches Ascend 910, the World's Most Powerful AI Processor, and MindSpore — Huawei release, Shenzhen, Aug 23, 2019 (reposted by the Edge AI and Vision Alliance)

    Ascend 910 の FP16 256 TFLOPS・INT8 512 TOPS・最大消費電力310W(いずれも同社の公表値)、AI フレームワーク MindSpore

    取得日: 2026-10-25

  13. 二次資料TechInsights Finds SMIC 7nm (N+2) in Huawei Mate 60 Pro — TechInsights

    Kirin 9000S のダイの特徴から SMIC 製と判断し、寸法の測定から 7nm 級と結論

    取得日: 2026-10-25

  14. 二次資料HUAWEI Mate 60 Pro teardown reveals China's chip advancements — FoneArena, Sep 5, 2023

    TechInsights の分解調査の報道日(2023年9月)

    取得日: 2026-10-25

最終更新:

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