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シャープ

1912年9月15日に早川徳次が東京・本所で始めた金属加工業を起源とする電機メーカー。社名は1915年に考案した繰出鉛筆「エバー・レディ・シャープ・ペンシル」に由来し、関東大震災で工場を失ったのち大阪で再起した。1964年のオールトランジスタ電卓、1973年の液晶表示電卓 EL-805、1987年の電子システム手帳、1993年の携帯情報端末ザウルス、2000年に J-PHONE から発売したカメラ付き携帯電話 J-SH04 と、表示と携帯機器の商品を重ねた。2016年8月12日に台湾の鴻海精密工業などに約3,888億円の新株を発行して、その傘下に入った。2026年3月期の売上高は1兆8,928億円、最終利益は474億円。

2011年の CP+ で展示されたシャープのカメラ付き携帯電話 J-SH04(2000年)
出典Morio (Wikimedia Commons) · CC BY-SA 3.0 · Commons で見る ↗

組織情報

設立
1912
状態
稼働中
活動期間
1912–
関連事象
01
名称
ENSharp CorporationJAシャープ

シャープ株式会社は、1912年9月15日に早川徳次が東京・本所区(現・江東区新大橋)で始めた金属加工業を起源とする。同社の年表によると、早川はこの年、穴がなくても長さを調節できるベルトのバックル「徳尾錠」を考案して実用新案を取り、その受注をきっかけに独立した。1915年には繰出鉛筆を考案し、欧米への輸出を始めている。

社名はこの鉛筆から来ている。シャープの商品ヒストリーによれば、改良した極細芯の新商品を「エバー・レディ・シャープ・ペンシル」と名づけたところ、以降は単にシャープペンシルと呼ばれるようになり、社名もこれにちなんだ。1923年の関東大震災で工場をすべて失い、早川は大阪に移って1924年に早川金属工業研究所を設け、1925年に国産第1号の鉱石ラジオの組立に成功した。社名がシャープ株式会社になったのは1970年である。

表示と携帯の商品

このサイトの主題に近い商品を並べると、計算機から始まって、液晶と、持ち歩く情報機器が続く。「世界初」「業界初」はいずれもシャープ自身の説明である。

年商品シャープの説明
1964年電卓「コンペット」CS-10A世界初のオールトランジスタ・ダイオードによる電子式卓上計算機。価格は535,000円で、当時の1,300cc の自動車とほぼ同じ
1969年電卓「マイクロコンペット」QT-8DMOS LSI を採用。LSI は米ノースアメリカン・ロックウェル社が供給した
1973年液晶表示電卓 EL-805世界で初めて液晶表示付きの COS 化ポケット電卓を開発。電卓は2005年に IEEE マイルストーンに認定された
1982年パソコンテレビ X1テレビとパーソナルコンピュータをシステム化し、両方の画像の重ね合わせ表示を可能にした
1987年電子システム手帳 PA-7000漢字表示、カレンダー、メモ、電話帳、スケジュール、計算の機能を持ち、IC カードで機能を広げられた
1988年14型カラー TFT 液晶開発(年表)
1993年液晶ペンコム「ザウルス」PI-3000ビジネスに必要な機能を1台に凝縮した携帯情報ツール。のちにファクシミリ、パソコン通信、インターネット接続の機能を加えた
2000年カメラ付き携帯電話 J-SH04レンズ一体型11万画素 CMOS イメージセンサを搭載し、撮った写真をメールで送れる業界初のカメラ付き携帯電話として J-PHONE から発売
2001年液晶カラーテレビ AQUOS1月1日に発売

液晶への投資はその後も続き、年表によれば2004年に亀山工場が稼働し、2009年に堺の工場で液晶パネルの生産を始めた。2012年には酸化物半導体 IGZO を使った液晶パネルの量産を始めている。光ディスクでは、シャープは Blu-ray Disc の項目に、基本仕様を共同で発表した企業の1社として登場する。

鴻海の傘下へ

2016年3月30日付のシャープの開示によると、2016年3月期の第3四半期までの累計で1,083億円の最終損失を計上し、自己資本比率は前期末の12.3%から8.6%に下がっていた。シャープは2012年に台湾の電子機器受託製造大手の鴻海グループとの提携を発表しており、2016年にその出資を受け入れた。

  • 2016年2月25日: 取締役会が、鴻海精密工業などを割当先とする第三者割当増資を決議。
  • 2016年3月30日: 割当先からの新たな提案を受けて内容を修正。総額約3,888億円(普通株式約2,888億円、C 種種類株式約1,000億円)とし、普通株式は1株88円で32億8,195万株余りを発行する。開示文は、これにより親会社と筆頭株主が異動すると記している。
  • 2016年8月11日: 中国商務部の独占禁止の審査が終わり、払い込みの前提条件がすべて満たされた。
  • 2016年8月12日: 鴻海精密工業、Foxconn (Far East)、Foxconn Technology、SIO International Holdings の4社に新株を発行。同日、高橋興三社長が取締役を退いた。

年表によれば、同じ2016年に株式は東京証券取引所の第二部に指定替えとなり、本社を大阪市阿倍野区から堺市へ移し、鴻海の戴正呉副総裁が社長に就いた。2017年には東証第一部に復帰し、2018年には 東芝 のパソコン事業会社、東芝クライアントソリューション(dynabook)を子会社にしている。

今の事業の形

2026年3月期の決算資料は、事業を Smart Life と Smart Workplace からなる「ブランド事業」と、ディスプレイデバイス、その他に分けている。

セグメント2025年3月期 売上高2026年3月期 売上高
Smart Life6,435億円5,979億円
Smart Workplace8,363億円8,338億円
ブランド事業 計1兆4,799億円1兆4,318億円
ディスプレイデバイス4,522億円4,235億円
その他(堺ディスプレイプロダクト、カメラモジュール、半導体)2,571億円470億円

営業利益で見ると、ブランド事業が860億円の利益を上げる一方、ディスプレイデバイスは182億円の損失で、前期の269億円から縮小した。

重要事件

  • 1912年9月15日: 早川徳次が東京で金属加工業を始める。
  • 1915年: 繰出鉛筆を考案。
  • 1923年: 関東大震災で工場を焼失し、大阪へ移る。
  • 1964年: 電卓 CS-10A を発売。
  • 1970年: 社名をシャープ株式会社に。
  • 1973年: 液晶表示電卓 EL-805 を発売。
  • 1993年: ザウルス PI-3000 を発売。
  • 2000年: カメラ付き携帯電話 J-SH04 を J-PHONE から発売。
  • 2016年8月12日: 鴻海精密工業など4社に新株を発行。
  • 2018年: 東芝クライアントソリューションを子会社化。

業績指標

2026年3月期(2025年4月〜2026年3月)。2026年5月12日の決算資料による。

  • 売上高: 1兆8,928億円(前期2兆1,601億円、12.4%減)
  • 営業利益: 485億円(前期273億円)
  • 経常利益: 579億円
  • 最終利益: 474億円(前期比31.4%増)
  • 自己資本比率: 10.5%→19.6%

社名の由来の鉛筆から電卓、液晶、携帯情報機器まで、シャープの商品史は「手に持つもの」と「表示するもの」で一貫している。亀山と堺で液晶工場への投資を重ねた会社は、2016年に台湾の受託製造企業を親会社に迎えた。2026年3月期の数字では、その表示の事業が損失を出し、ブランド事業の利益がそれを補っている。

関連する出来事

  1. Blu-ray Disc ── HD DVD との規格戦争を制した青紫色レーザーの光ディスク

よくある質問

シャープという社名の由来は何ですか。
創業者の早川徳次が1915年に考案した繰出鉛筆に由来します。シャープの商品ヒストリーによると、改良した極細芯の新商品を「エバー・レディ・シャープ・ペンシル」と名づけたところ、以降は単にシャープペンシルと呼ばれるようになり、社名もこれにちなみました。社名をシャープ株式会社にしたのは1970年です。
最初のカメラ付き携帯電話はシャープの J-SH04 ですか。
シャープの商品ヒストリーは、2000年に J-PHONE から発売した J-SH04 を、撮った写真をメールで送れる「業界初のカメラ付き携帯電話」としています。レンズ一体型の11万画素 CMOS イメージセンサを載せていました。これは同社の説明で、他の機種との比較はこのページでは扱いません。
シャープはいつ鴻海の傘下に入ったのですか。
2016年8月12日です。シャープはこの日、鴻海精密工業、Foxconn (Far East)、Foxconn Technology、SIO International Holdings の4社を割当先とする普通株式と C 種種類株式を発行しました。総額は約3,888億円です。同年には鴻海の戴正呉副総裁が社長に就き、本社を大阪市から堺市へ移しました。
シャープの最近の業績はどれくらいですか。
2026年3月期(2025年4月〜2026年3月)の売上高は1兆8,928億円で前期比12.4%減、営業利益は485億円、最終利益は474億円でした。自己資本比率は10.5%から19.6%に上がっています。

出典

  1. 一次資料Chronology — Sharp

    1912年9月15日の創業、1915年の繰出鉛筆、1923年の震災と大阪移転、1964年の CS-10A、1970年の社名変更、1973年の液晶表示電卓、2012年の鴻海との提携と IGZO、2016年の鴻海との提携・約3,888億円の新株・本社移転、2017年の東証一部復帰、2018年の東芝クライアントソリューション子会社化

    取得日: 2026-10-25

  2. 一次資料商品ヒストリー — シャープ

    「エバー・レディ・シャープ・ペンシル」と社名の由来、1964年の CS-10A(535,000円)、1973年の EL-805、1982年の X1、1987年の電子システム手帳 PA-7000、1993年のザウルス PI-3000、2000年の J-SH04(業界初とする同社の説明)、2001年の AQUOS

    取得日: 2026-10-25

  3. 一次資料Notice regarding the issuance of new shares through third-party allotments (update and partial amendment) — Sharp, March 30, 2016

    割当先4社、割当株式数(普通株式32億8,195万0,697株、C 種種類株式1,136万3,636株)、親会社・筆頭株主の異動

    取得日: 2026-10-25

  4. 一次資料Notice Regarding Change of Member of the Board and Executive Personnel Change — Sharp, August 12, 2016

    2016年8月12日に鴻海精密工業など4社を割当先とする新株(普通株式と C 種種類株式)を発行

    取得日: 2026-10-25

  5. 一次資料Consolidated Financial Results for Fiscal 2025 — Sharp, May 12, 2026

    2026年3月期の売上高・営業利益・経常利益・最終利益、セグメント別売上高、自己資本比率10.5%→19.6%

    取得日: 2026-10-25

  6. 三次資料Sharp Corporation — Wikipedia

    取得日: 2026-10-25

最終更新:

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