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日立製作所
1910年に小平浪平が茨城県で鉱山機械の修理工場として創業した総合電機メーカー。最初の製品は5馬力の誘導電動機で、1960年代には新幹線の車両やコンピュータに進出した。2009年3月期に7,873億円の最終赤字を計上し、AFP は日本の製造業で過去最大の損失と報じた。以後、IT・OT(制御・運用技術)・プロダクトを組み合わせる「社会イノベーション事業」に集中し、2022年度までに上場子会社をなくす一方、ABB の送配電事業や米 GlobalLogic を買収した。2016年に始めたデジタル事業の総称 Lumada は、2026年3月期に売上収益4兆1,460億円と全体の40%を占め、全社の売上収益は10兆5,867億円、当社株主に帰属する当期利益は8,023億円だった。

組織情報
- 設立
- 1910
- 状態
- 稼働中
- 活動期間
- 1910–
- 関連事象
- 02
- 名称
- ENHitachi, Ltd.JA日立製作所
株式会社日立製作所は、1910年に小平浪平が茨城県で始めた鉱山機械の修理工場を起源とする。同社の沿革によると、最初の製品は5馬力の誘導電動機で、外国の製品と技術に大きく頼っていた当時の日本で、自前の技術で電気機械を作ることを目指した。1960年代には新幹線の開発と製造に加わり、まだ小さかったコンピュータ産業にも参入して、同社の説明では日本初の国産大型コンピュータを開発した。
日立とコンピュータ
このサイトの主題に近い分野では、日立の沿革は1960年代の大型計算機と制御用計算機を挙げている。
| 年 | 出来事(日立の沿革による) |
|---|---|
| 1964年 | 新幹線の最初の車両を完成 |
| 1965年 | HITAC 5020 システムを完成 |
| 1967年 | 大型電子計算機 HITAC 7250 を八幡製鐵の堺製鉄所に納入し、工場のリアルタイム制御を可能にした |
| 1968年 | 制御用計算機 HIDIC 100 を完成 |
| 2016年 | デジタル事業の総称 Lumada を開始 |
光ディスクの規格づくりでは、日立はこのサイトの DVD と Blu-ray Disc の項目に、規格を共同で推した企業の1社として登場する。
2009年3月期の赤字
日立の形を変えた起点は、世界金融危機のさなかの決算だった。2009年5月12日に発表した2009年3月期(2008年度、米国会計基準)の連結決算は次のとおり。
| 項目 | 2008年3月期 | 2009年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 11兆2,267億円 | 10兆3億円(11%減) |
| 営業利益 | 3,455億円 | 1,271億円(63%減) |
| 当期純損益 | 581億円の損失 | 7,873億円の損失 |
AFP はこの損失を、日本の製造業として過去最大と報じた。日立自身は2023年の中期経営計画の説明資料で、世界金融危機後の経営危機を機に「社会イノベーション事業」へ集中すると決め、10年以上にわたって事業ポートフォリオを組み替えてきたと振り返っている。
事業の組み替え
同じ資料は、2013年度から2022年度までの主な取引を、買ったものと手放したものに分けて示している。
| 主な対象 | 規模(概算) | |
|---|---|---|
| 取得 | Ansaldo STS/Breda(鉄道)、Sullair、JR Automation、日立ハイテク、Chassis Brakes International、ケーヒン・ショーワ・日信工業、日立エナジー(ABB の送配電事業)、GlobalLogic | 取得資産の売上収益の合計 約3.1兆円、取得額 約3.6兆円 |
| 譲渡 | 空調、火力発電システム、画像診断関連の事業。上場子会社の日立工機、日立化成、日立キャピタル、日立マクセル、クラリオン。2022年度には日立建機、日立金属、日立物流 | 譲渡資産の売上収益の合計 約5.0兆円、譲渡額 約2.0兆円 |
この結果、日立は2022年度の時点で上場子会社を1社も持たなくなり、自動車部品の日立アステモも非連結化を決めた。2023年の統合報告書で、当時の CEO は海外資産が総資産の70%になったと述べている。
最大の IT 案件が GlobalLogic である。日立は2021年3月31日、米シリコンバレーに本社を置くデジタルエンジニアリング企業 GlobalLogic の買収を発表した。株式価値は85億ドル、企業価値は95億ドルで、債務の返済を含む買収総額は約96億ドルの見込みとした。狙いは Lumada のデジタル事業を世界に広げることで、買収は7月14日に完了した。GlobalLogic は当時、世界の開発拠点やデザインスタジオに2万1,000人超の専門人材を抱えていた。
Lumada の比重
Lumada は、データを価値に変えて社会インフラのデジタル変革を進める日立のデジタルソリューションとサービスの総称である。2026年3月期の決算説明資料では、Lumada 事業の売上収益は4兆1,460億円で全社の40%、調整後 EBITA 率は16%だった。2027年3月期には4兆7,900億円、全社の44%を見込む。
セクター別の2026年3月期の売上収益は次のとおり。
| セクター | 売上収益 | 前期比 |
|---|---|---|
| デジタルシステム&サービス(DSS) | 2兆9,400億円 | +4% |
| エナジー | 3兆2,199億円 | +23% |
| モビリティ | 1兆3,215億円 | +13% |
| コネクティブインダストリーズ(CI) | 3兆2,627億円 | −1% |
資料によれば、エナジーの伸びは送変電機器の堅調な需要、受注残の着実な消化、為替の変動による。
重要事件
- 1910年: 小平浪平が鉱山機械の修理工場として創業。最初の製品は5馬力の誘導電動機。
- 1964年: 新幹線の最初の車両を完成。
- 1965年: HITAC 5020 を完成。
- 2009年5月: 2009年3月期に7,873億円の当期純損失を発表。
- 2016年: Lumada を開始。
- 2021年7月: GlobalLogic の買収を完了。
- 2022年度: 上場子会社がなくなる。
業績指標
2026年3月期(2025年4月〜2026年3月、国際会計基準)。2026年4月27日の決算発表による。
- 売上収益: 10兆5,867億円(前期比8%増)
- 調整後営業利益: 1兆1,992億円
- 調整後 EBITA: 1兆3,114億円(売上収益比12.4%)
- 当社株主に帰属する当期利益: 8,023億円
2009年3月期と2026年3月期の売上はどちらも10兆円台で、規模はほとんど変わらない。違うのは中身である。その間、日立は2013年度から2022年度にかけて売上収益で約5兆円分の事業を手放し、約3兆円分の事業を買い、7,873億円の損失を出した年とほぼ同じ売上で、8,023億円の利益を上げる会社になった。会計基準も利益の定義も異なるので2つの数字は厳密には比べられないが、組み替えの大きさは売上の総額ではなく、その内訳に表れている。
関連する出来事
よくある質問
- 日立はいつ、どのように創業したのですか。
- 1910年に、創業者の小平浪平が茨城県の鉱山機械の修理工場として始めました。日立の沿革によると、最初の製品は5馬力の誘導電動機です。外国の製品と技術に頼っていた当時の日本で、自前の技術で電気機械を作ることを目指したと同社は説明しています。
- 2009年の巨額赤字とは何ですか。
- 2009年3月期(2008年度)の連結決算で、売上高が前期比11%減の10兆3億円、営業利益が63%減の1,271億円となり、7,873億円の当期純損失を計上しました。AFP はこれを日本の製造業として過去最大の損失と報じました。日立は後に、この世界金融危機後の経営危機を機に社会イノベーション事業へ集中すると決めたと説明しています。
- Lumada とは何ですか。
- データを価値に変えて社会インフラのデジタル変革を進める、日立のデジタルソリューションとサービスの総称です。2016年に始まりました。2026年3月期の Lumada 事業の売上収益は4兆1,460億円で、全社の40%、調整後 EBITA 率は16%でした。
- 日立はなぜ GlobalLogic を買収したのですか。
- 日立は2021年3月31日に、米国のデジタルエンジニアリング企業 GlobalLogic の買収を発表し、Lumada のデジタル事業を世界に広げるためと説明しました。債務返済を含む買収総額は約96億ドルの見込みで、買収は2021年7月14日に完了しました。GlobalLogic は当時、2万1,000人超の専門人材を抱えていました。
出典
1910年に鉱山機械の修理工場として茨城県で創業、創業者小平浪平、最初の製品は5馬力の誘導電動機、1960年代の新幹線と国産初の大型コンピュータの開発(同社の説明)、2016年の Lumada 開始
一次資料History (1961-1980) — Hitachi
1964年の新幹線の最初の車両、1965年の HITAC 5020 の完成、1967年の HITAC 7250 の八幡製鉄堺製鉄所への納入
一次資料Hitachi Announces Consolidated Financial Results for Fiscal 2008 — Hitachi, May 12, 2009
2009年3月期の売上高10兆3億円(11%減)、営業利益1,271億円(63%減)、当期純損失7,873億円(80億3,400万ドル)
二次資料Hitachi Posts Biggest Loss for Japanese Manufacturer — IndustryWeek (AFP), May 12, 2009
日本の製造業として過去最大の損失とする AFP の報道
一次資料Progress of the Mid-term Management Plan 2024 — Keiji Kojima, Hitachi, April 27, 2023
世界金融危機後の経営危機を機に社会イノベーション事業へ集中、10年超の事業ポートフォリオ改革、2022年度時点で上場子会社なし、日立アステモの非連結化
一次資料CEO Message — Hitachi Integrated Report 2023
2022年度に子会社を20社超からゼロに整理、ABB の送配電事業と GlobalLogic の買収、日立ハイテクの完全子会社化、海外資産が総資産の70%
株式価値85億ドル、企業価値95億ドル、債務返済を含む買収総額約96億ドルの見込み、Lumada の定義
一次資料Hitachi Completes Acquisition of GlobalLogic — Hitachi, July 14, 2021
2021年7月14日に買収完了、GlobalLogic の専門人材2万1,000人超
一次資料Hitachi Announces Consolidated Financial Results for Fiscal 2025 — Hitachi, April 27, 2026
2026年3月期の売上収益10兆5,867億円(8%増)、調整後営業利益1兆1,992億円、調整後 EBITA 1兆3,114億円、当社株主に帰属する当期利益8,023億円
セクター別の売上収益(DSS・エナジー・モビリティ・コネクティブインダストリーズ)、Lumada 事業の売上収益4兆1,460億円・比率40%・調整後 EBITA 率16%、2026年度見通し
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