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HP(ヒューレット・パッカード)

Bill Hewlett と Dave Packard が1938年にカリフォルニア州パロアルトのガレージで始め、1939年1月1日に共同経営を正式に結んだ企業。社名はコイントスで決めた。最初の製品はオーディオ発振器で、1972年の HP-35 は IEEE が初の携帯型関数電卓としてマイルストーンに認定している。2002年5月3日に Compaq を合併し、2015年11月1日に企業向け事業を Hewlett Packard Enterprise(HPE)として分離した。元の Hewlett-Packard Company は HP Inc. として存続し、2025年10月期の売上高は552億9,500万ドル、うちパソコンなどの Personal Systems が385億3,200万ドル、プリンティングが167億200万ドルだった。

パロアルト、アディソン通り367番地の HP ガレージ(2009年)
出典BrokenSphere (Wikimedia Commons) · CC BY-SA 3.0 · Commons で見る ↗

組織情報

設立
1939
状態
稼働中
活動期間
1939–
関連事象
00
名称
ENHP (Hewlett-Packard)JAHP(ヒューレット・パッカード)

HP(ヒューレット・パッカード)は、Bill Hewlett と Dave Packard が米カリフォルニア州パロアルトで始めた企業である。HP の記録によると、1938年9月に Packard 夫妻がアディソン通り367番地の住宅の1階に入居し、Hewlett は裏の小屋に住んだ。2人はその敷地のガレージで、現金と中古のボール盤から成る538ドルの運転資金で副業を始めた。最初の製品はオーディオ発振器。1939年1月1日に共同経営を正式に結び、社名をコイントスで決めた。翌1940年にはガレージが手狭になり、ペイジミル通りの貸しビルへ移っている。このガレージは1987年にカリフォルニア州の史跡(No. 976)となり、1989年に「シリコンバレー発祥の地」として献呈された。

同じ HP の名を持つ会社は、いま2つある。元の Hewlett-Packard Company はパソコンとプリンターの HP Inc. として存続し、企業向けの事業は2015年に Hewlett Packard Enterprise(HPE) として分かれた。このページは、その系譜と2つの後継会社の形を扱う。

ガレージから2社へ

年出来事出典に書かれていること
1938年ガレージで副業を開始最初の製品はオーディオ発振器(HP)
1939年1月1日共同経営を正式化社名をコイントスで決定(HP)
1940年ペイジミル通りへ移転ガレージが手狭になったため(HP)
1972年関数電卓 HP-35集積回路と LED を両方使った HP 初の製品。1975年の生産終了までに30万台超を販売(HP)。IEEE は超越関数を計算できる最初の携帯型電卓としてマイルストーンに認定
2002年5月3日Compaq を合併Compaq 株1株に HP 株0.6325株を割り当て、Compaq は HP の完全子会社に(SEC 提出書類)
2015年11月1日HPE を分離企業向けのインフラ、ソフトウェア、サービス、金融事業を Hewlett Packard Enterprise として分離(HP Inc. の年次報告書)

HP 自身は HP-35 を「世界初の携帯型関数電卓」と説明している。IEEE のマイルストーンの記載は、当時の携帯型電卓の多くが四則演算しかできなかったのに対し、HP-35 は三角関数・対数・指数を10桁の精度で計算し、技術者の計算尺に取って代わったとする。

2つの後継会社

分離の条件は、名前の分け方にも及んでいる。HP Inc. の年次報告書(Form 10-K)によると、両社は共同のブランド保有の仕組みを通じて、HPE が旧来の Hewlett-Packard の名称の系統を、HP Inc. が HP ブランドの系統を、それぞれ使い続けられる。同じ報告書は、この共有が続くために、HPE の評判を損なう行いや出来事が HP Inc. の評判にも及ぶリスクがあると書いている。

HP Inc.Hewlett Packard Enterprise
法人の系譜元の Hewlett-Packard Company が存続2015年11月1日に分離
担う事業パソコン、ワークステーション、プリンターと消耗品分離時点では企業向けのインフラ、ソフトウェア、サービス、金融
使うブランドHPHewlett-Packard の系統

HP Inc. の事業の形

HP Inc. の10-K は、事業を Personal Systems(パソコンなど)、Printing(プリンティング)、Corporate Investments の3つのセグメントで報告している。2025年10月期の売上高の内訳は次のとおり(単位は百万ドル)。

事業2023年10月期2024年10月期2025年10月期
法人向け PC など(Commercial PS)24,71225,48627,438
個人向け PC など(Consumer PS)10,97210,70911,094
Personal Systems 計35,68436,19538,532
サプライ(インクなどの消耗品)11,45211,29510,916
法人向けプリンター5,2504,8414,633
個人向けプリンター1,3271,2021,153
Printing 計18,02917,33816,702
売上高合計53,71853,55955,295

売上と利益では、重心が逆になる。2025年10月期のセグメント利益の合計50億4,200万ドルのうち、Printing が31億1,800万ドル、Personal Systems が20億5,400万ドルを稼いだ(Corporate Investments は1億3,000万ドルの損失)。売上の約3割にとどまるプリンティングが、利益では Personal Systems を上回る。その Printing の売上の3分の2近くを占めるのがサプライで、表の3期では2期続けて減っている。

重要事件

  • 1938年: Hewlett と Packard がパロアルトのガレージで副業を始める。
  • 1939年1月1日: 共同経営を正式に結ぶ。
  • 1940年: ペイジミル通りの貸しビルへ移転。
  • 1972年: 関数電卓 HP-35 を発売。
  • 1987年: ガレージがカリフォルニア州の史跡となる。
  • 2002年5月3日: Compaq の合併が完了。
  • 2009年4月14日: HP-35 が IEEE マイルストーンに献呈される。
  • 2015年11月1日: Hewlett Packard Enterprise を分離。

業績指標

HP Inc.、2025年10月期(2024年11月〜2025年10月、米国会計基準)。10-K による。

  • 売上高: 552億9,500万ドル(前期535億5,900万ドル)
  • 純利益: 25億2,900万ドル(前期27億7,500万ドル)
  • 研究開発費: 16億200万ドル
  • 地域別売上高: 南北アメリカ235億4,500万ドル、欧州・中東・アフリカ185億9,600万ドル、アジア太平洋・日本131億5,400万ドル
  • 従業員: 約55,000人

ガレージの2人はオーディオ発振器から始めたが、いま HP の名で最も大きな売上を立てているのはパソコンで、最も大きな利益を生んでいるのはプリンターの消耗品である。Compaq を合併し、企業向けの事業を切り離した結果、HP Inc. は個人と職場の机の上に置かれる機器の会社になった。

よくある質問

HP はいつ、どこで創業したのですか。
HP の記録では、Bill Hewlett と Dave Packard は1938年秋からパロアルトのアディソン通り367番地のガレージで副業として仕事を始め、1939年1月1日に共同経営を正式に結びました。社名はコイントスで決めています。1940年にはガレージが手狭になり、ペイジミル通りの貸しビルへ移りました。
HP Inc. と Hewlett Packard Enterprise はどう違うのですか。
2015年11月1日、Hewlett-Packard Company は企業向けのインフラ、ソフトウェア、サービス、金融事業を Hewlett Packard Enterprise として分離しました。元の会社は HP Inc. としてパソコンとプリンターを担っています。ブランドは共同の保有の仕組みで分け、HPE が Hewlett-Packard、HP Inc. が HP の名称の系統を使い続けています。
HP と Compaq の合併はいつ完了しましたか。
2002年5月3日です。HP が SEC に提出した報告書によると、同日付で Compaq は HP の完全子会社となり、Compaq の株式1株に対して HP の株式0.6325株が割り当てられました。
HP Inc. の最近の業績はどれくらいですか。
2025年10月期(2024年11月〜2025年10月)の売上高は552億9,500万ドル、純利益は25億2,900万ドルでした。Personal Systems が385億3,200万ドル、プリンティングが167億200万ドルで、従業員は約55,000人です。

出典

  1. 一次資料HP Garage Timeline — HP History and Facts, HP

    1938年秋にアディソン通り367番地へ入居して副業として開始(運転資金538ドル)、最初の製品はオーディオ発振器、1939年1月1日の共同経営とコイントス、1940年のペイジミル通りへの移転、1987年の州史跡指定(No. 976)、1989年の「シリコンバレー発祥の地」としての献呈

    取得日: 2026-10-25

  2. 一次資料HP-35 handheld scientific calculator, 1972 — HP Virtual Museum, HP

    1972年発売。集積回路と LED を両方使った HP 初の製品。1975年の生産終了までに30万台超を販売。HP 自身は「世界初の携帯型関数電卓」と説明

    取得日: 2026-10-25

  3. 二次資料Milestones: Development of the HP-35, the First Handheld Scientific Calculator, 1972 — IEEE / Engineering and Technology History Wiki

    2009年4月14日に献呈された IEEE マイルストーン。超越関数を計算できる最初の携帯型電卓とする

    取得日: 2026-10-25

  4. 一次資料Hewlett-Packard Company, Form 8-K, date of report May 3, 2002 — SEC

    2002年5月3日付で Compaq が HP の完全子会社となり、Compaq 株1株に HP 株0.6325株を割り当て

    取得日: 2026-10-25

  5. 一次資料HP Inc., Annual Report on Form 10-K for the fiscal year ended October 31, 2025 — SEC

    HP Inc.(旧 Hewlett-Packard Company)、2015年11月1日の HPE 分離、共同ブランド保有の仕組み、事業別・地域別の売上高、セグメント利益、純利益、研究開発費、従業員約55,000人

    取得日: 2026-10-25

  6. 三次資料Hewlett-Packard — Wikipedia

    取得日: 2026-10-25

最終更新:

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